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読んでやる! basis 基礎 見るⅡ
平面視

 「見るⅡ」は、ものをどのように見ているのかを考えます。このページでは「平面視」を取り上げました。

平面視

 平面視とは、平面にして見る見方と言えます。
 遠近法を使わずに絵を描いた場合、遠くの物も近くの物も同じ距離に見えます。そのために、その絵が何を描いているのかわからないことがあります。

 保育所へ通っていたとき、株式会社小学館さんの『魚貝の図鑑』を気に入っており、私はよく見ていました。その中に「コケウツボとオトヒメエビ」の写真がありました。コケウツボが長いことはわかるのですが、どこが頭なのかわかりませんでした。それがわかったのは、小学校の高学年か中学生になってからです。写真が、平面で、遠近感のない光加減なので、頭とお腹のあたりが同じ距離にあり、変な形に見えていました。これが、平面視の感覚だと思います。ウツボを知っていたら、頭が自動的に処理をして、頭とお腹を区別して見ていたでしょう。当然、写真は、両眼で見ています。

 単眼の場合、距離をつかみにくいので、平面的に見えます。しかし、単眼で見ると、必ず平面視になるかというとそうではないようです。遠近法を使えば、平面が奥行きをもって見えるそうです。レオナルドダビンチは、その遠近法を使っていたそうです。
 また、単眼だけの場合でも、慣れてくれば物を正確につかむことができます。この場合、経験のデータにより、脳が距離を推測していると考えられます。そして、単眼でも遠近法になるような見方をすれば、奥行きができ距離をつかめると想像できます。
 正面から見るのではなく、対象物を斜めなど少しずらして見たりします。光の当たり具合も考えたり、対象物以外の物を同時に見ながらというのもありかもしれません。単眼の位置(2点以上から同じ対象物を見ること)を変えて見ると、対象物までの距離がわかるかもしれません。位置を変えて見たとき、最初に見た映像を思い出すと、2点で見たことになります。脳が自動的にデータの処理するはずです。

図2-1

 しかし、単眼だけを使って、飛んでくるボールや走っているウサギなどを捕まえるのは、難しいかもしれません。ボールやウサギが絶えず位置を変えているからです。位置を把握するのに、脳の処理が間に合わないかもしれないからです。平面視とは、物との距離を一定にして見る、とも言えるかもしれません。

 単眼なので必ず平面視になる、とは限りません。見方を工夫したり、脳の働きにより、奥行きを感じられることもあるはずです。
 そして、元々平面のもの、奥行きのない文字は、単眼でも見られるということです。

更新記録など

2016年10月25日(火) : アップロード
2018年5月31日(木) : 『意識と無意識ⅠⅡⅢ』追加による構成変更。