無意識の意識
意識と無意識の働きについて考えてきました。これらはあくまでも、私の個人的な感覚で、科学的な根拠があるわけではありません。
さて、意識と無意識はどのような相互関係にあるのでしょうか。ここで取り扱うのは、意識と無意識の存在する場所、関係などについて考えます。
意識と無意識は同じ所に、記憶など様々な情報と共にあるようです。
人が活動するとき、無意識の働きに助けられています。何かをしたいと思ったとき、「目的を達成しようする意志」が起きます。活動が開始されると、その意志は意識されませんが、絶えず作用しています。
目的を達成するには、「目的を達成しようとする意志」だけでは不十分です。活動は多岐にわたるため、それらもまた、無意識で行動しています。
私たちの活動を支えるのは、いくつもの無意識が同時並行的に作用し合って成り立っていると言えます。
無意識において、新しいことができたり、新たな発想が生まれることがあります。気づけば、意識することになります。
無意識は、意識がするような活動もしているのです。
意識は、「目的を達成しようとする意志」をいくつも実践するようにはできていないようです。
無意識との相互協力関係で活躍しています。初めてのことができるようになるには、そのことを分析し、練習し、確認するなど、何らかの段階を踏んで、覚えていきます。何回も繰り返すうちに、無意識でできるようになるようです。
内容にもよると思いますが、意識のしたことが、無意識になることがあります。
活動している無意識が、変遷することがあります。はじめに習ったこととは、違っていくことです。
活動中に、うまくいきすぎたり、できなくなったりすると、気がついて意識します。
うまくいく時は、それを意識的に無意識化することで効果が上がります。
できなくなった場合は、意識して分析・練習・確認を繰り返し、無意識にあるものを適正なものに戻す活動をします。たとえば、基礎基本が必要なときは、意識して練習します。
しかしながら、体力の衰えや、環境の変化が原因の場合、それをカバーできることを意識的に練習することになると思います。今までとは違ったコンセプトや価値観が必要になることもあるはずです。取り入れる努力をしていると、このコンセプトや概念も、無意識化されると思います。
このように見てくると、無意識が扱うモノ・コト・範囲は、意識と変わりません。それは、知力、感情、情報、体の使い方などあらゆるものが対象のようです。
さらに、無意識の中では、何らかの拘束を受けることなく、なじんだ情報は交換、融合、分離などします。そして、新しい組合せ、想像などが、生まれるかもしれません。
それを受けて、意識が現実に則して、計画し、創造などをしていくようです。
意識と無意識は、得意とするところを出し合い、お互いが協力することで、質の高い活動ができる、と言えそうです。
意識と無意識は頭の中だけで成り立っているように感じられます。しかし、各臓器、細胞などの影響があるようです。
1つは、私たちの感じることです。眼は外界の状況を脳に伝えますが、たとえば、触覚は感触、温度などを伝えます。五感と第六感も含めて、私たちは何かを感じています。
また、臓器や細胞はそれぞれが独自に生きようとしているようです。臓器や細胞などが、何かを記憶するそうです。
意識と無意識は、感覚や臓器、各細胞の影響を受けていると考えられます。これは、病気やケガをすると、いつもと違う状態になります。意識や無意識が何かをしたいと思っても、いつものようにできない場合があるからです。
病気やケガを意識しているから、そのように感じるとも言えます。しかし、意識していないとき、何かができなくなったことで、病気を発見することもあります。
私たちの心身の活動は、すべて脳が司令塔になっているように言われています。しかし、脳以外のモノが心身に何らかの影響力を及ぼしているなら、いつも脳が心身の司令塔として活躍できるとは限りません。
意識や無意識は、脳だけでなく、心と体など人の全部で、機能していると言えます。置かれた環境を感じ取ったり、自分の能力を体験できる感覚があることで、意識と無意識が機能するようです。
意識と無意識はコントロールできるのでしょうか。
1つの手段は、意識を使うことだと思います。それでも無意識を完全にコントロールできるとは思えません。
脳神経科学などの研究の進展により、私たちの意識と無意識について、解明が進んでいるようです。しかし、ここで述べられているのは、ニューロンの働きや、電気の発生など、神経のメカニズムの部分です。それに意識と無意識を重ね合わせた研究もされているようです。
しかし、これらのメカニズムが解明されたとして、私たちが意識と無意識を完全にコントロールできるのか、という疑問があります。
というのは、私たちは、神経の電気や伝達物質などを正確に感じられなし、意図的にコントロールできないからです。
すると、私たちが具体的に実践できる方法を探すことになります。昔からある、呼吸法や瞑想など、自分の精神を制御する方法にヒントがありそうです。
意識と無意識は、取り巻く環境や、心身の状態、直面する現実などから、影響を受けます。そして、意識することもありますが、無意識に行動する場合もあります。
さらに、無意識が、最適な状態を実現するために、意図的に行動することもあるようです。言い換えると、無意識が、意識的に行動している、と言えます。そして、その行動は無意識によって認知され、無意識の中でそのデータが強化されるようです。
更新記録など
2018年5月31日(木) : アップロード