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読んでやる! basis 基礎 意識と無意識Ⅰ
無意識のでき方

 無意識は、どのように作られるのか考えます。

無意識のでき方

 意識と無意識は、お互いの働きが関係しているようです。また、記憶とも関係しているようです。そして、意識したことを無意識化することもあれば、無意識で得た情報を無意識化することもあるようです。

 意識したことが無意識化する場合を考えます。
 知らない漢字を初めて見た時、意識がそれに向けられます。辞書を使って、読み方や意味を調べます。覚えられそうなら、そこで作業は終わります。難しい漢字の場合、書いてみたり声に出したりして覚えようとします。
 しばらくして、同じ漢字が出てきて、何事もなかったかのように意味を酌(く)んで文が読めた場合、無意識で活用していることになります。しかし、その漢字を思い出せない場合、まだ、無意識になっていないか、十分に活用できる状態にはないようです。何回か、調べることを繰り返して、徐々に無意識に納まり活用できるようになるようです。はっきりとはわかりませんが、何回も繰り返すことにより、無意識に使うようになるようです。
 無意識に対象物を納める場合、多くの情報をできるだけ正確に意識する方がよさそうです。なぜなら、無意識にない情報は使えませんし、正確さがないと効率が悪くなるからです。ですから、対象物を意識する時は、あらゆる方向から見るだけでなく、その他の感覚を使って、できるだけ多くの情報をつかむ方がいいようです。じっくりと情報を正確に意識した方がいいということです。

 無意識が無意識化する場合はどうでしょうか。無意識も情報を得ており、それは無意識に納められます。情報を得るのは、意識も無意識も同じです。
 意識した場合と同じで、多くの正確な情報を得る方がいいのです。しかし、意識と違って無意識は、対象物の一つ一つの特徴を意識のようにハッキリと感じることはできません。
 この時、より多く、かつ、正確な情報を得る手段は、五感を最大限に活用することが考えられます。様々な角度から見て、触って、味わって、叩(たた)いてみたり、いろんなことを感じることです。五感の使い方を工夫すると効果がありそうです。

 言葉や物以外に、動作も意識と無意識があります。文字を書いたり、歩いたりしますが、それぞれに動きを意識的に行うことはありません。
 お稽古事で初めて習うことは、気持ちのうえでは新鮮ですが、何となくぎこちないものです。教えてもらったとおりに身体を動かしますが、取って付けたような動きになります。一つ一つの動作を確認しながら、稽古をします。確認しなければ、教えてもらったようにはなりません。入門者や初心者は、教えてもらった全てのことについて意識しながら稽古をするようです。時々、動きが止まっています。
 しばらく稽古を続けていると、だんだん、円滑な動きに変わって行きます。意識していたことが、無意識にできるようになります。意識することが減り、無意識に定着した情報が増えていきます。

 初めて習うことは、どのくらいの時間で無意識化されるのでしょうか。
 意識から無意識になるのは、言い換えると、脳の神経回路ができることをいうようです。それには大体3ヵ月かかるそうです。一度、神経回路ができると、エネルギーの消費は少なくなるようです。
 漢字を覚えることを例にとると。初めて文字を習う時、その覚え方も習得していきます。その習得に約3ヵ月かかります。漢字を覚える方法の神経回路ができます。これ以降、初めて習う漢字でも、以前よりスムーズに覚えられるようになっていくと思われます。
 初めて習うことでも、過去に似たようなことをしていた場合、この期間より早く神経回路ができるようです。または、はじめは、過去に経験したことと似たような神経回路で対応しているのかもしれません。
 このように見てくると、いろいろな体験をしていると、初めてのことでも順応性が高くなると考えられます。

更新記録など

2018年5月31日(木) : アップロード