読書の多様性
ここでは、本を読めるようになるには、何が一番大切か? 文字、書物の読み方を考えるうえで、何を中心に、根幹にしたらよいのかを探ります。
読書の中心とは、本を読む原動力で、語彙の多さ、文法、調査、理解、スピード、まとめる力、想像力といったものです。これを押さえれば、本が読めるというものです。1つだけでなく、複数が関連することも考えられます。しかしながら、まず、必要だと思われるものを、1つに絞り込むことを目指します。
読書の中心を考える理由は、より効果的に本を読めるようになるためです。
本には、料理、スポーツ、小説、科学、図鑑、マンガなど、私たちの生活に関連するありとあらゆる種類のものがあります。私たちの世界のすべてが、本になっています。
そして、マニュアルや辞典、趣味や学術、時事情報など、本は様々な使われ方をします。
文学や自然科学などの分野、物語や哲学などの内容、文字だけやマンガなどの表現方法により、読み方は変わります。
多くに分類できる本は、個性があり、使い方により読み方は違ってきます。
本の読み方に、決まりはありません。
本のはじめから終わりまでをすべて読んでもいいし、思うところだけを読んでも構いません。読まなくても問題はありません。読み方は読者の自由です。
精読、熟読、普通読み、味読、速読、飛ばし読み、拾い読みなど、数え切れないほどの読み方があります。ところが、1冊の本でも、あるところは精読、別のところは飛ばし読みというように、状況により、読み方はいろいろに変化します。
これらの読み方について、言葉の定義は、あいまいです。精読と熟読をはっきりと区別するのは、難しいと感じます。
読み方は、絶えず変化しています。
本を読む理由は、仕事、生活向上、趣味、試験など、読者によって様々です。
参考のこともあれば、記憶しようとする場合もあります。リラックスする目的の場合もあれば、緊張を伴うものもあります。
文字に焦点をあてて1文字ずつ読むこともあれば、言葉に注意して大まかに読むこともあります。
寝ながらの場合もあれば、きちんと姿勢を正して読むこともあります。
わからない言葉を調べることもありますが、推測で済ませる場合もあります。
読者の持つ、知識、経験、習慣により、対象とする本、読み方は変わります。
読み方は、人それぞれなのです。
このように見てくると、読み方や読書論が、読者や著者、本によって違うことがわかります。たとえば、速読でも、やり方や考え方は本によって違います。
書籍、読み方、読者からみても、読み方の中心を探るのは、雲をつかむような話です。読書は、想像を超えた多様性に富んでいます。
まとめ
- 読書は多様性に富み、読み方を考えるのは難しい。
更新記録など
2016年10月4日(火) : アップロード
2018年5月31日(木) : 『意識と無意識ⅠⅡⅢ』追加による構成変更。