リハビリ
目次
Ⅰ 急性期のリハビリ(手術後、約2週間)
・ 経過
・ 雑記
・ 状況
Ⅱ 回復期のリハビリ(急性期リハビリ終了後、約3ヵ月間)
・ 寝具について
・ 退院後1ヵ月
・ 退院後2ヵ月
・ 退院後3ヵ月
・ 退院4ヵ月~2年2ヵ月
Ⅲ 回復の傾向
Ⅰ 急性期のリハビリ(手術後、約2週間)
手術後にするリハビリのことを急性期のリハビリというそうです。手術から退院までを設定しているようでした。人によっては、この時期を過ぎると、リハビリ専門病院に入院する患者さんもいるそうです。
目的は廃用予防などですが、詳細は専門病院のサイトでご確認ください。
【経過】
はじめに、日にちについては、手術をした日を1日目としました。
再手術をしたので、2回目のときから記述しています。
手術が終わった当日(1日目)、目覚めてしばらくすると、ベッドの上で両方の足先を上下したり、踵(かかと)を膝の方にすり寄せたり離したりしました。これはお医者さんの指示でそうしました。
これは、血が固まって血栓ができないようにするためと聞きました。また、血栓を防止するための膝までのストッキングを履きました。手術すると血栓ができやすいそうです。
通常なら、手術をした翌日からリハビリの先生によるリハビリが始まります。
しかし、2回目の手術でダメージが大きいのか、私は背中が痛くて体を動かせませんでした。また、若いので数日後でも機能は回復するとのことでした。リハビリは、3日目からはじめました。高齢者の方は手術の翌日から始めていました。
※若いと言っても、定年に近い年齢です。
最初の数日のリハビリはベッドの上で行います。ヒザを曲げたり、足を上げたり、ベッドの上を移動する練習です。
3日目は、ベッドサイドに腰を掛けたり、立つ練習をしました。
4日目までに、順次、出血確認のドレン管、点滴、尿管のすべての管が取れました。ベッドのそばで数歩を動いたり、車イスに乗る練習をしました。トイレに自分でいけるようになりました。
5日目から、リハビリ室で、関節を動かしたり、歩く練習をしました。長いすのようなベッドの上で、足の曲げ伸ばしや、ぎこちない箇所が動作できるように訓練をしました。歩行器を使ったり、平行棒につかまりながらの歩行訓練をしました。休診日を除き毎日30分程度、この訓練をしました。
少し歩けるようになり始めた1週間目くらいからは、廊下を使って歩行の自主トレです。歩行器で歩けるようになると、杖を使って歩く練習をしました。
何とか歩けるようになってくると、5段程度の階段の上り下りの練習をしました。この訓練はあまりしませんでした。階段から落ちると、3度目の手術になるかもしれないからです。
そして、手術から約2週間後に退院するとともに、急性期のリハビリを終了しました。
【雑記】
リハビリ室までは、車イスで移動しました。4、5日くらいは、スタッフの方に付添をしてもらいました。
病院の廊下や階段には手すりがあります。そして、退院に向けてリハビリに励む仲間がいます。挨拶したり世間話をしたりと、気持ちが和やかになりました。
自主トレは、昼食の片付けが終わってから始めました。午前中はスタッフや患者さんの通行が多いのと、夕方は夕食の準備と片付け、夜は職員さんが少ないので有事に対応できない、ので歩行訓練はしませんでした。
【状況】
杖をついて歩けるようにはなりました。それは生活で最低必要な範囲のレベルのような気がしました。洗面所やトイレ、風呂、台所へ行く。遠くても、郵便受けまでといった感じでした。
体は硬く、靴下を履けない、床に落ちた物を取るのにもマジックハンドを使っていました。退院時に車の助手席に座るのも一苦労でした。
左足にくらべると、右足の指先を少ししか上に向けることができませんでした。右足の踵(かかと)立ちもダメでした。右足の痛みや痺れも強く残っていました。右足の親指と人差し指が引っ付いた感じでした。
Ⅱ 回復期のリハビリ(急性期リハビリ終了後、約3ヵ月間)
急性期の後に行うのが、回復期リハビリです。
退院後、自宅に戻ってから行ったのが、回復期リハビリです。手術後、約3ヵ月の期間だそうです。
回復期リハビリの詳細については、専門病院のサイトなどで確認してください。
病状によって専門病院に通院や入院をして回復期のリハビリをするそうです。これは患者の希望もありますが、医師が判断するようです。身寄りのない場合、日常生活ができないので入院の必要があるからです。
私の場合は入院をする必要がありませんでした。家族がおり、一人でトイレに行くことができれば、日常生活は何とかなります。また、お医者さんによると、私の場合は、若く、特別な訓練をする必要はなく、日常生活ができるようにすることがリハビリ、とのことでした。
何をすればよいのか、お医者さんや、リハビリの先生に質問したところ、次のような返事がありました。
・ 歩く練習をすること
・ 今までどおりに生活ができるように訓練すること
退院しても歩き方はぎこちないので、スムーズに歩けるように練習します。歩くと、筋力などが回復するそうです。
退院直後は、体も思うように曲げたり伸ばしたりできません。家での生活をすることで、日常生活を円滑に過ごせるように練習します。
注意点としては、重い荷物を持たないこと、無理な姿勢をしないこと、やり過ぎないこと、だそうです。
【寝具などについて】
退院前にお医者さんから言われたのは、自宅ではベッドを使ってください、でした。確かにベッドは寝やすいし立ち上がりが容易です。しかし、自宅にはベッドを置くスペースがありません。いつも使っているマットを使うしかありませんでした。
そこで、退院するまでにリハビリの先生に、マットでも体に負担の少ない起きたり寝たりする方法を教えてもらいました。
退院後その方法で過ごしました。基本的にはベッドと同じですが、杖を使うので、教えてもらったのと若干違っていました。
ベッドがあったらなぁ、とよく思いました。ベッドの方がはるかに体にやさしいと思いました。
それと、洗浄機付きトイレ(例えば、ウォシュレット)は必要です。この時期の状態は、尻ふきは過酷であり重労働です。お風呂は毎日入れないので、なおのことです。
【退院後1ヵ月】
最大の難関は、ベッドの寝起きでした。そして、家の中では、杖を2本使っていました。また、家具とかを利用して、体を安定させていました。ちなみに、杖は、家用が2本、外用1本、合計3本を使いました。
退院の翌日、近所に用事があったので、歩く練習を兼ねて外出しました。その翌日から外で歩く練習を始めました。約2㎞を1時間くらいで歩きました。杖を使ってゆっくりと歩きました。両足の左右の感覚が違うのと、地面に着いたとき右足が安定しませんでした。
退院後の最初の歩行訓練が多すぎたのか、練習後や翌日は疲れや、痛み痺れが強くありました。それからは、時間も距離も短めにしたり、練習を休んだりもしました。
退院後2週間後、右足の付け根内側が痛く、股内側に強いツッパリ感のある日がありました。その日は、一日中、横になっていました。
そうかと思うと、いつもの痺れは別にして、普通に戻ったのではないかと思える日もありました。
調子の良い悪いを繰り返しながら、回復していっている感じでした。
散髪は家で家族にやってもらいました。杖を使いながらの風呂も不自由で、タオルで洗えるところは限られており、シャワーだけを浴びる状態でした。かがめないので、スツール(丸いす)を座る用と道具を置く用の2つを使っていました。家族に手伝ってもらうことが多くありました。
退院3週間後、病院の診察。痺れ痛みなど状況をお医者さん伝えました。徐々に回復する、とのことでした。家族に車で送迎してもらいましたが、やはり乗り降りが大変でした。
【退院後2ヵ月】
杖を使わずに歩く練習を始めました。はじめは歩ける気がしましたが、歩くにつれ、右腰の調子が悪くなりしました。
自分で車を運転するようになりました。右足の調子は相変わらずですが、運転は何とかできました。
そして、散髪屋さんへもいけるようになりました。しかし、散髪屋さんの椅子はリクライニングになっており、後ろにそると姿勢を戻せないと感じたので、事情を話して、そのままの状態で髪を切ってもらいました。頭は家で洗いました。
買い物もいけるようになりました。少し遠目のドライブへも行ってみました。
杖を使わずに歩く練習できるようになりました。外出時は、念のため杖を持っていました。
重い荷物を動かすときは、親戚などに手伝ってもらいました。
退院2か月後、病院の診察。状況をお医者さんに伝えました。徐々に回復します、とのことでした。病院へは自分で運転して行きました。
【退院後3ヵ月】
右足の浮腫(むくみ)や痺れは変わりないものの、腰が治った感覚がありました。縫ったところを気にしないようになった感じでした。動けるという感じでした。
杖無しで、4、5㎞歩ける日もありました。スピードは普通より遅いですし、休みながら歩きました。
風呂は、スツール(丸いす)から風呂いすに戻しました。座るのも風呂いすですが、ものを置くのは子供用の風呂いすにしました。風呂いすを2つ使いました。また、手術後はじめて湯船に浸かりました。
外出時につけていたコルセットを、使わないようにしました。杖を持ち歩くことをやめました。しかし、マットから寝起きする時は、杖を使うことがありました。
【退院4ヵ月~2年2ヵ月】
3ヵ月の回復期リハビリで、日常生活を過ごせるようになりました。杖を使わなくなりました。しかしながら、痺れや痛み、ツッパリ感は残っていました。靴下は、両手の人差し指と中指に挟んで履いていました。
この時の状態は、日常生活はできても、働くにはまだもう少しといった感じでした。
体の可動域が狭く、手を伸ばして辞書の重さを持てないこと、歩く際に右足の踏ん張りがありませんでした。この状態を、一言で言うと「しなやかさ」がありませんでした。
しなやかさを少しでも取り戻すために、スポーツのトレーニングのようなこと、家事をすることにしました。
8月末の2日間、子供と屋外プールに行きました。何とか泳ぐことができました。体が浮くので、水中で歩くのは楽でした。また、右腰が上下する動きが少なくなり、普通に歩く感覚を体感できることを知りました。腰痛改善にプールを使うのがよいことは知っていましたが、体感したのは初めてでした。
また、ジョギングを始めました。ジョギングと言っても、歩いたり走ったりを繰り返しました。はじめはほとんど歩いていました。2㎞ほどの距離から始めました。
可動域と筋肉をつけるため、ラジオ体操と呼吸法を取り入れました。ジョギングが終わった後など、体が温まったときにラジオ体操をしました。ラジオ体操と言っても、音楽をかけてするわけではありません。基本的には順番にしますが、ゆっくりとストレッチをしました。痛みを感じないくらいで、伸ばしたり曲げたりしました。静的ストレッチ(static stretch)の要領でしました。
また、呼吸法を取り入れました。息を吸って止めたり、ゆっくりと時間をかけて吐いたりしました。
練習は、2、3日に1時間程度しました。買い物など体を使う用事のあるとき、調子の悪いときは、休みました。
回復期リハビリの終了くらいから、しばらくの間、夜寝られなくなりました。睡眠が浅く、時間も短かったです。体が元気になってというか、眼がやたらにさえるというか、そんな感じでした。
調子の悪いときにはコルセットをしたこともありました。
手術から1年7ヵ月頃、調子が悪くなり、1ヵ月くらい杖をついたこともありました。
右足親指と人差し指が引っ付いた感じがしていました。手術から1年9ヵ月頃、親指と人差し指が離れた感じになりました。歩くと、足で地面をつかんでいるという感じでした。痛みはほとんど感じませんが、痺れは残ったままでした。
手術から2年後、イスに座ったまま、床に落ちた物を拾えるようになりました。また、伸脚(しんきゃく)で左足を伸ばした際に、右足を深く曲げられるようになりました。
手術から2年2ヵ月の状況
マットで寝ていますが、寝起きは病気になる前と同じにできるようになりました。靴下もツッパリ感は強いものの、以前と同じくらいにできるようになってきました。
立った状態で床に落ちた物を拾うのは一苦労です。しゃがんで取っています。右足モモ内側に擦ったような感じが残っています。右足の親指と人差し指あたりが痺れている感じがします。また、時々、痛いときがあります。
これをやると間違いなく調子が悪くなるというのが、自転車です。間隔をあけて乗ってみましたが、必ず腰がだるくなったり痛くなったりします。背中が突っ張った感じや、足が痺れたり引きつった感じになります。おそらくバイクも同じだろうと思っています。
以前とまったく同じとは言えませんが。右のつま先を上に向けられるようになりました。また、右足も踵で歩けるようになりました。これは急にできるようになったのではなく、少しずつできるようになりました。気がついたら、できるようになっていたという感じでした。
Ⅲ 回復の傾向
私の場合ですが。良くなったかと思えば、悪くなるを繰り返し、全体的に回復しています。可動域は少しずつ広がっています。広がったときに、痛みや痺れがあります。その痛みや痺れは、徐々に薄れていきます。これを繰り返して回復しています。
お医者さんの話では、切った靱帯の回復には3年くらいはかかるとのことです。このことから言えば、焦らずゆっくりと継続的にリハビリやトレーニングをする方がよい、となります。そして、一度に大きな負荷をかけたり、無理などを絶対にしない、となります。
気長にコツコツ、という心構えが大切だと思っています。