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読んでやる! 読んだもの
№173『日本の政策はなぜ機能しないのか?』

 行政の政策にEBPMの導入について書いてあります。EBPMは学問の分野でも分類等に議論があるようで、その適用は一様ではないようです。

『日本の政策はなぜ機能しないのか?』

副題など
副題 : 「エビデンスに基づく政策 EBPMの導入と課題」
 帯には「データやファクトに基づいて政策を作り、評価する―」 「当たり前のようでなかなか実現できない理由とは」とありました。
著者など
著者 : 杉谷 和哉(すぎたに かずや)氏著
出版社など
株式会社 光文社 さん
光文社新書
版刷など
 2024年7月30日初版1刷発行。
ボリューム
 225ページ。202ページから214ページまで巻末注。215ページから225ページまで参考文献。

感じたこと

 エビデンスというと医療というイメージでしたが、政策にもその波があったのですね。
 読み終えたときに感じたのは、『ビジョナリー・カンパニー』ジム・コリンズ氏&ジェリー・ポラス氏共著の本でした。
 数々の成功をおさめ、長年にわたって企業を永続させる。その理由とは・・・。しかし、それは過去を分析したものであり、それをそのまま適用しても同じように成功するとはかぎりません。
 あらゆるデータを集め、緻密な分析をし、将来の傾向をシミュレーションし、策を弄して企画しても、事業として成功するのかは別物のような気がします。
 しかしながら、その企画がどの程度までの完成度があるのかは、基準を作っておきたいと考えるのが人なのかなと思います。
 企画を実行に移しある程度の成果を得た時、どこまでを成功というかについても興味のあるとことです。実際にどの程度に実行したのか、利益が出たら成功というのか、どれだけの反響があったのかによってそれを決めるのかなど、さまざまに考えられます。
 株主から事業について計画段階、実施結果を求められた際に、説得力のあるのがエビデンスなのでしょう。少なくとも規定の基準はクリアしている、我々は義務を果たしている、計画に問題はなく、成果はそれなりである、とエビデンスに責任を押し付けるような気がします。
 どんな企画なら成功するのか誰にも想像できません。成否を別にして思うのは、面白いと思えるもの、自分も参加したいと思えるもの、斬新奇抜なもの、など、私たちを楽しませてくれるものがいいですよね。
 そういったものが思い浮かばないから、みんな悩むんですよね。案外、日ごろから思いつきでやっていることとか、遊び心での方が、人が集まるかもしれませんよね。
 以上はあくまでも私個人の勝手な感覚で書いています。無責任で、お許しください。

この書物を選んだ理由

 「政策が機能しない」「EBPM」って何?に目を引かれて読むことにしました。

私の読み方

 入門者にもわかりやすく解説がしてあり、読みやすいと感じました。
 しかしながら、EBPMについて、派生や分類等の紹介があり、最後まで読んだときに頭の中が混乱しました。どのように区別しているのかがわからなくなりました。
 まだまだ発展途上中の分野なのかもしれません。これからも注目をしたいと思います。何年か後に、同じような本が出たら読んでみたいと思いました。

読書所要時間など

総所要時間(読み始めから編集終了まで)
34日17時間25分
読み始め
2024年(令和6年)12月21日(土)22時09分~
読み終わり
2025年(令和7年)1月16日(木)~午前8時21分
一通り読んだ時間
25日10時間12分
編集終了
2025年(令和7年)1月25日(土)~15時34分
読んだ範囲
 本書、カバー、帯。参考文献と奥付は軽く目を通し、巻末の書籍広告は読んでいません。

取り上げられた書物など

  • 『「行政評価」の時代:経営と顧客の視点から』 上山 信一氏著
  • 『EBPMガイドブック』 内閣官房行政改革推進本部事務局さん作成
  • 『エビデンスの政治学』 ジャスティン・パークハースト氏著
  • 『22世紀の民主主義』 成田悠輔氏著

 その他多数の書籍の記載がありました。

出来事

 2025年1月24日(金)日本銀行が追加利上げ0.5%程度の引き上げを決定。

ひととき

 日当たりのよい斜面に咲いていた花です。

ハナ

令和7年1月19日(日)に撮影しました。

調べたこと

1 EBPM(Evidence-Based Policy Making)
 本書には「『エビデンスに基づく政策形成』 『エビデンスに基づく政策決定』などと訳されます。」とありました。
2 衣鉢(いはつ)
3 RCT(Randomized Controlled Trial)
 本書には「ランダム化比較試験」とありました。
4 かいつまむ(搔い摘む)
5 企図(きと)
6 アクティビティ(activity)
7 アウトカム(outcome)
8 融通無碍(ゆうづうむげ) 
9 敷衍(ふえん)
10 VFM(Value for Money)
11 がめつい
12 ケチ
13 惹起(じゃっき)
14 アカウンタビリティ(accountability)
 本書では「説明責任」。
15 レスポンシビリティ(responsibility)
 本書では「応答責任」。
16 打ちひしぐ
17 お手盛り(おてもり)
18 インセンティブ(incentive)
19 ボロカス(襤褸滓)
20 屋上屋を架す(おくじょうおくをかす)
21 侃々諤々(かんかんがくがく)
22 素描(そびょう)
23 KPI(Key Performance Indicator)
 本書では「重要業績評価指標」。
24 心もとない(心許無い)
25 喝破(かっぱ)
26 膾炙(かいしゃ)
27 曖昧模糊(あいまいもこ)
28 ちぐはぐ
29 鬼門(きもん)
30 ディシプリン(discipline)
 学問分野。
31 考究(こうきゅう)
32 統御(とうぎょ)
33 渉猟(しょうりょう)
34 ハイアラーキー(hierarchy)
 ヒエラルヒー(Hierarchie:ドイツ語)。
35 EIPM(Evidence-Informed Policy Making)
36 合理的無知
 本書では「ある知識の習得に必要なコストが、利益を上回っている場合、人はそもそも何も知ろうとしないというメカニズム」。
37 方法論的個人主義
 個々人は自分の利益を最大化するために行動すると仮定する見方」。
38 ハレーション(halation)
 調べましたがよくわかりませんでした。他に与える悪影響のことでしょうか。
39 ウィキッド・プロブレム
 本書では「厄介な問題」。
40 ステークホルダー(stakeholder)
41 冗長(じょうちょう)
42 目の敵にする(めのかたきにする)
43 正鵠を射る(せいこくをいる)
 正鵠を得る(せいこくをえる)。参考:的を射る(まとをいる)。
44 アドミニストレーション(administration)
 本書では「アート」的なものとし、「マネジメント」を「科学」という位置づけで対照しています。
 インターネットで調べたところ、経営やビジネス用語のようです。組織の統治や統一的な管理や運営を意味しているようです。
45 マネジメント(management)
 本書では「科学」的なものとし、「アドミニストレーション」を「アート」という位置づけで対照しています。
 インターネットで調べたところ、経営やビジネス用語のようです。決められたルールに基づいて、組織の管理や運営を意味しているようです。
 個人的な感じ方ですが、アドミニストレーションは経営者が、マネジメントは従業員が、といったイメージを持ちました。
 しかしながら、本書の意味するところは、174ページの図表5-1を見て、感覚的にとらえるのがよいと思いました。明確には区別しにくいと感じたところもありました。
46 一筋縄(ひとすじなわ)
47 野放図(のほうず)
48 テクノクラシー(technocracy)
49 おいそれと
50 方途(ほうと)
51 紛い物(まがいもの)

以下余白

更新記録など

2025年2月9日(日) : アップロード