『お金は寝かせて増やしなさい』
- 副題など
- 帯には、「金融の素人でもプロと互角以上に戦える」「お金が勝手に増えていくしくみのつくりかた」などとありました。
- 著者など
- 著者 : 水瀬 ケンイチ(みなせ けんいち)氏著
- 出版社など
- フォレスト出版株式会社 さん
- 版刷など
- 2017年12月18日初版発行。読んだものは、2021年4月9日16刷。
- ボリューム
- 268ページ。ただし、265~268ページは「エピローグ」です。
感じたこと
投資と聞いて思い浮かぶのが、1990年代のバブル崩壊です。
バブル崩壊前、株価は値上がりを続けていました。地価も上がり続けていました。また、高価なものが売れ続けていました。
崩壊後、日本経済は逆の意味で活発になっていきます。負債処理です。
私自身もこの負債処理に少しだけかかわったことがあります。ここで感じたのは、評価に対して、融資が過大であることです。担保物件を処分しても、債権を回収できないのです。評価額以上に、抵当権などがいくつも設定されているのです。
当然、回収できなかった債権は、諦めざるを得ません。経済が健全なら、売り上げから少しずつでも補填できるかもしれません。しかしながら、物が売れなくなったので、借金を返せなくなります。そして、倒産する会社が連鎖的に増えていきました。
この件で、私が感じたことがあります。
物には価値がありますが、この価値を誰も公正に評価できない、ことです。公正な価値をわかったとしても、競争や欲により、公正さが歪められてしまいやすいことです。銀行間の競争や、マネーゲームなどが影響しているようです。
次に、私たちが働いた報酬は何に使うのでしょうか。生命を維持するために必要な対価だけでなく、文化的な活動や遊びに使う費用をも求めるはずです。働いた結果はどうであれ、できるだけ多くの報酬をもらえばそれでよいとのイメージがあります。
ここでも、働いた対価が公正に評価されたものになっているのかは疑問です。
経済の成長とは何かを考えたときに、公正さとは何かと考えてしまいます。公正さが違うのなら、価値の適正な基準とは何かと置き換えてもいいかもしれません。
しかしながら、公正な基準ができたとしても、それで経済が円滑に循環するとは思えません。天井なしに欲求を満たす、一手に利益を独占できるからこそ○○ドリームがあるのだと思います。
1人の独力でそれがなされるのならいいのですが、たいていは組織として活動しています。組織において、労働者と経営者の報酬の差はどうなのでしょうか。また、製品の売価は必要以上に利益を取っていないでしょうか。
この世に初めて出る製品が売れ始めると、先例がないために価格の設定は難しいものがあります。独占状態なので、需要が多くあれば、かなり高い金額を設定しても売れるはずです。
必要以上の利益を設定すると、やがては巡り巡って自社の購買に影響が出てくるはずです。仕入れた組織は、製品に費用を転嫁して価格を設定します。その製品を買った組織は、値上がり分の費用を転嫁して製品を売り出します。社会全体で値上がりがはじまります。結局は自社の仕入れ値が増えると思います。
この開発企業がより高い利益を求めると、全体として競争力のない企業は倒産します。製品を開発し暴利を得ていた企業もやがてはライバル社が現れた際に、利益とシェアの極端な減少で経営が難しくなります。適正な価格に設定していれば、ライバル社が現れることも、安定した収益を無くすこともなかったかもしれません。
経済は連動しています。必要以上の富が片寄って蓄積すれば、どこかで支障が出るはずです。自分のしたことが、やがては自分に回ってくるはずです。
全体の長い時間の流れで、安定的な経済の循環を実現するには、適正な価格設定は、必要な気がします。それは、自律的な価格設定と言えるかもしれません。
以上述べたことは、私の独り言ですので、お聞き流しのほどを・・・。
この書物を選んだ理由
最近の物価の高騰で使えるお金の価値が目減りしていくのを心配しました。勤めていれば賃金は上がるでしょうが、高騰を補うのは難しいと感じました。できることは副業か投資かと思いました。インターネットで探していると、本書に出会いました。いくつかのサイトで取り上げられていたので読むことにしました。
私の読み方
やさしくは書かれていると思うのですが…。
恥ずかしながら、私は、初めて投資の本を手に取りました。投資信託とは何? とか、株をどうやって買うの? のレベルなのです。言葉の意味がわかりません。
読むのが精一杯でした。日ごろからニュースを見ているにも関わらず、言葉の意味を調べなかったツケが一気にやってきた感じでした。
確かに、本書は具体的な取扱業者の紹介までしてあります。しかし、一読して、さあ始めようとはなりませんでした。投資を憎んでいるわけでもなく、面倒に思うわけでもないのにです。
投資に関しては最初の一冊ですから、言葉も経験もないわけで、私の意識が慣れていないとしかいいようがありません。
投資を実践するには、まだまだ時間がかかりそうです。
読書所要時間など
- 総所要時間(読み始めから編集終了まで)
- 17日17時間12分
- 読み始め
- 2023年(令和5年)6月14日(水)午前4時56分~
- 読み終わり
- 2023年(令和5年)6月18日(日)~18時10分
- 一通り読んだ時間
- 4日13時間14分
- 編集終了
- 2023年(令和5年)7月1日(土)~22時08分
- 読んだ範囲
- 本書、カバー、帯。ただし、奥付は軽く目を通し、巻末広告は見ていません。
取り上げられた書物など
- 『ウォール街のランダム・ウォーカー』バートン・マルキール氏著
- 『投資戦略の発想法―ゆっくり確実に金持ちになろう』木村剛氏著
- 『敗者のゲーム』チャールズ・エリス氏著
- 『マネーと常識 投資信託で勝ち残る道』ジョン・C・ボーグル氏著
- ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」水瀬ケンイチ氏著
調べたこと
- 1 擦れる(すれる)
- 本書では「都会ズレ」。
- 2 インデックス投資
- 本書に解説があります。
- 3 年金積立金管理運用独立行政法人(ねんきんつみたてきんかんりうんようどくりつぎょうせいほうじん)
- GPIF :Government Pension Investment Fund。ホームページを確認しました。
- 4 綽綽(しゃくしゃく)
- 本書では「余裕しゃくしゃく」。
- 5 しがらみ(柵)
- 6 公益財団法人日本証券経済研究所
- JSRI:Japan Securitlies Research Institute。ホームページを確認しました。
- 7 資産クラス
- 本書に解説があります。
- 8 古今東西(ここんとうざい)
- 9 事実(じじつ)は小説(しょうせつ)よりも奇(き)なり
- 10 そもそも(抑抑)
- 11 粗製乱造(そせいらんぞう)
- 12 なげかわしい(嘆かわしい)
- 13 黒歴史(くろれきし)
- インターネットで調べました。
- 14 日経平均株価(にっけいへいきんかぶか)
- 15 TOPIX(Tokyo Stock Price Index)
- 東証株価指数(とうしょうかぶかしすう)。
- 16 MSCIコクサイ
- MSCI:Morgan Stanley Capital International,Inc。モルガン スタンレー キャピタル インターナショナル。インターネットで調べました。
- 17 しょぼい
- 18 ドルコスト平均法(どるこすとへいきんほう)
- DCA:dollar cost averaging。本書に解説があります。
- 19 ぶんどる(分捕る)
- 20 回転売買(かいてんばいばい)
- インターネットで調べました。本書に解説があります。
- 21 ファイナンシャル・プランナー
- FP:Financial Planner。特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会さんのホームページで確認しました。
- 22 副次的(ふくじてき)
- インターネットで調べました。
- 23 阿鼻叫喚(あびきょうかん)
- 24 ぐっすり
- 25 あがく(足掻く)
- 26 ちょこまか
- 27 ハリー・マーコウィッツの「平均分散アプローチ」(mean-variance approach)
- 本書に解説があります。
- 28 パラメーター(parameter)
- 29 挽回(ばんかい)
- 30 喝破(かっぱ)
- 31 ロールオーバー(rollover)
- 乗り換えること。移管。
- 32 一喜一憂(いっきいちゆう)
- 33 騰落(とうらく)
- 34 鞍替え(くらがえ)
- 35 寡聞(かぶん)
- 36 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
- ビスマルクの言葉。
- 37 さわり(触り)
- 辞書では要点のこととありました。インターネットで調べると文化庁のホームページがヒットしました。「最初の部分」と理解する人の割合が多いそうです。
- 38 ついぞ(終ぞ)
- 39 おどろおどろしい
- 40 まざまざ
- 41 界隈(かいわい)
- 42 独歩高(どっぽだか)
- インターネットで調べました。
- 43 つらつら
- 44 地団太(じだんだ)
- 地団太を踏む。
- 45 それなり
- 46 アグレッシブ(aggressive)
以下余白