『記憶喪失になったぼくが見た世界』
- 副題など
- 帯には「生命の再生を記録した感動のノンフィクション」とありました。
- 著者など
- 著作者 : 坪倉 優介(つぼくら ゆうすけ)氏著
- 出版社など
- 株式会社 朝日新聞出版 さん
- 版刷など
- 2019年8月30日第1刷。読んだものは、2020年7月20日第4刷
- ボリューム
- 265ページ。ただし、262~265ページは写真です。
感じたこと
十数年前にマウンテンバイクが流行ったことがありました。タイヤは、突起物のようなものがたくさんついています。舗装されていない道や、野道などを行くときに使う自転車です。
流行る数年前の旅行時、レンタル自転車を借りるとマウンテンバイクだったことがあります。ママチャリに比べ、ハンドルの位置が低くなれないこともあり、乗りにくいと思いました。まっすぐ走っても、自転車をこいだ力が地面に伝わっていない気もしました。
走るのは舗装された道です。下りのカーブで、自転車を行く方向に傾けると、タイヤの振動が大きくなりました。また、タイヤがスリップしそうで怖い思いをしました。
その日は、まっすぐはある程度スピードを出しましたが、カーブを曲がるときはかなりスピードを落としました。
感じたのは、マウンテンバイクは野道用だということ。舗装道路では危ないと感じました。タイヤの突起物が土に食い込み、野道では安定した走りができるのだと思いました。
健康ブームもあって、何人かの同僚がマウンテンバイクを買って乗り回していました。
その中の1人が、休日にツーリングに出かけて事故を起こしました。歩道の段差に乗り上げ転倒したそうです。どのように転倒したのかはわかりませんが、意識不明で病院に運ばれたそうです。新聞記事にもなったくらいですから、インパクトのある事故だったと思います。
さて、本人が目を覚ますと、記憶が一部なかったそうです。食事や言葉は忘れていないのですが、自分のしていたことや同僚など人が思い出せなかったようです。
事故当時、本人とは職場が違っており、協力要請の中で現況の説明がありました。協力要請とは、「病院にお見舞いに行って顔を見せて話をしてほしい」というものでした。一度に大勢が病院に行ってもということで、顔を知っている同僚2名程度のグループに分けることになりました。
第一陣の感想を聞くと、やはり記憶がなかったそうです。私のグループは後半だったので、お見舞いに行く前に本人が退院してしまいました。
私のいる職場に、本人がお見舞いのお礼にきたときのこと。廊下で顔があったとき、本人が「あっ。あんたは覚えとるわ。四方やろ」というのです。かなり詳細に覚えていて、私には普通に見えました。
しばらくして、本人は職場に復帰しました。
今では、スポーツタイプのロードバイク(自転車)をよく見かけます。
歩道を自動車並みのスピードで駆け回っています。歩行者の際(きわ)を猛スピードで通っていく自転車もあります。私は非常に怖い思いをしたことがあります。
事故を起こしても、自転車は大したことがないと思われている感じがします。実際には、車道わきの溝に落ちたり、ぶつかられたりして、大けがをした話を何度か聞いたことがあります。想像する以上に自転車の事故は起きやすく大けがになる、との印象が私にはあります。
みんなが利用する道路ですから、少なくとも他人に危ない思いや、不快な思いをさせない運転を心掛けたいものです。
残念ながら、私はもう自転車には乗れなくなりましたが・・・。
この書物を選んだ理由
パートナーが読んでいました。その後、本を見せてもらいました。これは確か、テレビで見たなぁ~。本になっていたのか。急に読みたくなりました。
私の読み方
生活を続けると、何かしらものが増えていきます。大事なものから、どうでもよいものまで、捨てたはずのものが残っていたりします。
保存する場所がなくなると、何かを捨てることになります。その時、処分を他人に丸投げすると後で困惑することがあります。「あれは、どこにしまっていたっけ」という感じです。
自分のものは自分で処分した方が、後腐れがありません。過去にはどんなものがあってそれを捨てて、今ここにこれがある、と認識できます。
捨てたことを忘れると、何時までも探し続けることになります。気持ち悪さも残ります。
人間は記憶する動物です。物であれ、音楽、思考も記憶して、前に進んでいきます。ですから、何が起こったかわからない状態に不安を感じます。
親しい人との別れも同じです。きちんとした別れを告げるからこそ、もういないことを記憶します。それがないと、どうしたんだろうと心配をすることになります。
人はいつも記憶しながら生きています。身の回りのこと、過去から現在、構想した未来、時とともに記憶しています。手に入れたことも、持っていることも、失ったことも。
そういう意味で、人間は儀式をするのかもしれません。出会いや別れ、絆を確かめ合ったり、・・・。
バイク事故で始まった新たな人生。本書の最後が、バイクのジャンプで締めくくられていました。ついに、跳び越えたんだな、と感じました。
かけがえのないものを無くしたら、新たに築いていけばいい。今日を生きることが、明日をつくるのだから。でしょうか。
「少しずつでも、また、はじめようかな」という気持ちになりました。
読書所要時間など
- 総所要時間(読み始めから編集終了まで)
- 7日14時間0分
- 読み始め
- 2020(令和2)年10月14日(水)午前8時48分~
- 読み終わり
- 2020(令和2)年10月20日(火)~22時18分
- 一通り読んだ時間
- 6日13時間30分
- 編集終了
- 2020(令和2)年10月21日(水)~22時48分
- 読んだ範囲
- 本書、カバー、帯。奥付は軽く目を通し、巻末の書籍広告は見ていません。
出来事
10月13日(火)と15日(木)に労働者の待遇格差で最高裁判決。非正社員の賞与・退職金は認められず、契約社員の扶養手当などは認められる。
10月19日(月)石川県の商業施設にクマが入る。
調べたこと
- 1 記憶喪失(きおくそうしつ)
- 2 口を利く(くちをきく)
- 3 すかっと
- 4 ちっぽけ
- 5 しょぼくれる
- 6 突っ掛かる(つっかかる)
- 突き掛かる(つきかかる)。
- 7 ほおん
- 調べましたが、わかりませんでした。
- 8 茫然(ぼうぜん)
- 呆然(ぼうぜん)。
- 9 くどい
- 10 華奢(きゃしゃ)
- 11 しどろもどろ
- 12 反物(たんもの)
- 13 にやにや
- 14 軋む(きしむ)
- 15 鉈(なた)
- 16 砂煙(すなけむり)
- 17 草木染(くさきぞめ)
- 18 無垢(むく)
- 19 染織(せんしょく)
- 20 茶目っ気(ちゃめっけ)
- 21 真骨頂(しんこっちょう)
以下余白