『データは騙る』
原題は『Standard Deviations』
- 副題など
- 原副題は「Flawed Assumptions, Tortured Data, and Other Ways to Lie with Statistics」
- 著者など
- 著作者 : ゲアリー・スミス(Gary Smith)氏著
- 翻訳者 : 川添 節子(かわぞえ せつこ)氏訳
- 出版社など
- 株式会社 早川書房 さん
- 版刷など
- 2019年2月20日初版印刷。読んだものは、2019年2月25日初版発行。
- ボリューム
- 382ページ。ただし、368ページ以降は「参考文献」です。
感じたこと
歴史は繰り返される、でしょうか。
文書が、ワープロと手書きが混在していたときの体験です。
内容は覚えていませんが、私の作った文書を父に見てもらったことがありました。だいぶ練ったつもりの文書でしたが、父からはダメ出しの連発でした。
誤字脱字もなく文意も通っていたので、ワープロで清書しました。こんな文書があったと言って、父に見てもらいました。父は「どこからとってきた。これならいい」と答えていました。
手書きの文書をワープロで清書しただけなのに・・・。
職場で上司にある資料を作るように指示を受けました。手書きで1つの案を作り上司にみせると、ダメ出しを食らいました。
自分では、結構、調査し緻密に作ったつもりでした。傑作にはほど遠いとしても、仕事としては十分なものと感じていました。
せっかくなので、ワープロで文書を作り、体裁を整えて、上司に提出しました。すると、上司は、「こんな文書あったのか。これでいい」とのことでした。私が作ったのに。
これらに似たことを何度も経験しました。
どうしてそうなるのかが、不思議でした。私の憶測ですが・・・。
参考として使われる書籍や資料は、今以上に信頼性があったように思います。活字になるのは、精査などの過程を経ているからです。言い換えると、活字は信頼の証、ということです。
今ではワープロ打ちが普通の時代ですが、同じようなバイアスはあるようです。
誤字脱字があると文書を信用できなかったり、いつもと違う形式の文書だと偽物ではと疑ったり、・・・。
今では手書きの文書を見ることはなくなりました。せいぜい、伝言メモ、短い指示書などです。よく耳にするのが、「このメモはあの人のもの。字がよく似ている」です。フタを開けて見ると、別人が書いたものということがあります。
今では、ほとんどの文書がワープロ打ちなので、筆跡を見る機会が少ないですから・・・。また、電子化が進み、紙の文書も減った気がします。
と、いうことで。
誰がいつ書いたとか、様式の変化などに疑問を感じたときは、必ず本人に確認すべきだと思いました。憶測で処理すると、あらぬ方向に仕事が進むことがあるからです。
文書については、手書きやワープロ、印刷などの形式に影響を受けることなく、実質的な内容を精査、理解すべきだ感じました。
見た目で判断するのは危険です。
この書物を選んだ理由
新聞に本書の紹介がありました。タイトルの「騙る」と、副題の「改竄・捏造」に、興味を持ちました。
私の読み方
験担(げんかつ)ぎ、ジンクスを統計学で取り上げるとは・・・。
私が統計学を聞いて思い浮かぶのが、ランダムサンプリング(無作為抽出)です。統計学=確率、というイメージがあります。ここでは人間の感情や欲望などを一切排除したものと私は思っています。
次に、確率で条件が1つの場合は、感情や他の条件に左右されることは少ないようです。ところが、2つ3つと条件が増えるにつれ、その条件自体が本来欲しい答えを歪めてしまうようです。
最近ではメタ分析なるものがあるようで、複雑で私にはわかりません。数学的には正しい手法のようですが、ピンときません。「有意」と言われてもね~、って感じです。
感情や欲望を統計学で扱えるのか、の疑問があります。心理学でも統計的手法を使って研究しているといいます。
人間心理を統計学で出し、その結果をさらに別の人間心理に応用する。おおよその結果を、さらに別の案件でおおよその結果を出す。どれだけ本当なのでしょうか。
人間心理の真理を追究するのではなく、単に活動の傾向を探っているだけかもしれません。
人が「あなたは赤ちゃんのように非力だ」と催眠をかけられると、強い人でも簡単に試合に負けてしまうそうです。
このような現象を考えると、験担(げんかつ)ぎ、ジンクスを無視できません。生活習慣を変えたり、神に祈ったり、御祓いをしたり、パワースポットを訪れたり等々は、私たちにとってあってもいいことです。
験担ぎをして自信を持てるなら、祈って神とともにいられるなら、御祓いをして今までの意識を変えられるのなら、パワースポットで新たな力を得られるなら、これほどいいことはありません。人間の気持ちが変わると、何かが変わる気がします。
ところで、統計学は私たちのお守りになるのでしょうか?
さて、形式です。
文字が混んでいて窮屈に感じました。中央余白が狭いように感じました。索引が欲しいと思いました。
読んでいて、アレッと思うことがありました。よく読んでいるはずなのに、飛ばして読んだ感じです。意味がわからなくなりました。
言葉の意味は書いてあるのですが、理解には何らかの知識が必要だったようです。私には少し難しかったようです。
読書所要時間など
- 総所要時間(読み始めから編集終了まで)
- 97日4時間19分
- 読み始め
- 2019(平成31)年3月18日(月)22時05分~
- 途中読み終わり
- 2019(平成31)年3月30日(土)35ページまで
- 再読み始め
- 2019(令和元)年6月4日(火)午前7時13分~
- 読み終わり
- 2019(令和元)年6月15日(土)22時35分
- 一通り読んだ時間
- 89日0時間30分
- 編集終了
- 2019(令和元)年6月24日(月)~午前2時24分
- 読んだ範囲
- カバー、帯、本書。ただし、巻末の参考文献、奥付は軽く眼を通しました。書籍広告は見ていません。
取り上げられた書物など
- 『ビジョナリー・カンパニー2-飛躍の法則』 ジム・コリンズ氏著
- 『エクセレント・カンパニー』 ピーターズ氏&ウォーターマン氏著、大前研一氏訳
- 『数学オンチの諸君!』 ジョン・パウロス氏著
- 『たまたま-日常に潜む「偶然」を科学する』 レナード・ムロディナウ氏著
- 『ビジネスにおける平凡の勝利(The Triumph of Mediocrity in Business)』 ホレス・シークリスト氏著
上記以外に、多数の書籍の掲載がありました。
ひととき
梅雨の晴れ間に、散歩に行きました。
公園の小道では、蝶々がたくさん舞っていました。
ツマグロヒョウモンという蝶のようです。
令和元年6月24日(月)に撮影しました。
調べたこと
- 1 データ(data)
- 2 騙る(かたる)
- 3 deviation
- 偏向。
- 4 改竄(かいざん)
- 5 捏造(ねつぞう)
- 6 不正(ふせい)
- 7 統計学(とうけいがく)
- 8 隠蔽(いんぺい)
- 9 flaw
- 欠陥。
- 10 assumption
- 仮説。偽装。
- 11 torture
- 曲解する。こじつける。
- 12 statistic
- statistical。統計学上の。統計の。
- 13 枚挙に遑が無い(まいきょにいとまがない)
- 14 バイアス(bias)
- 15 ゴスペル(gospel)
- 本書では「真理」。絶対真理。
- 16 聴聞会(ちょうもんかい)
- 17 でたらめ(出鱈目)
- 18 奇抜(きばつ)
- 19 交絡(こうらく。confounding)
- 効果を測定する因子の効果が、別の因子の影響を受けていること。
- 20 全知(ぜんち)
- 21 暇人(ひまじん)
- 閑人。
- 22 自嘲(じちょう)
- 23 プレキシガラス(plexiglas)
- 樹脂を使用したガラス。
- 24 吹聴(ふいちょう)
- 25 真に受ける(まにうける)
- 26 相棒(あいぼう)
- 27 オオシモフリエダシャク
- 調べましたがわかりませんでした。しかし、この話は学校で何回か聞いたことがあります。
- 28 嵐雲
- 「あらしくも」「らんうん」と読むそうです。
- 29 クラップス(craps)
- 30 出目(でめ)
- インターネットで調べました。
- 31 穿く(はく)
- 参考:履く(はく)。
- 32 査読(さどく)
- 33 出し抜く(だしぬく)
- 34 件(くだり、けん)
- 35 至極(しごく)
- 36 ESP(extrasensory perception)
- 超感覚的知覚。
- 37 有意(ゆうい)
- 38 二重盲検(にじゅうもうけん)
- 39 検定(けんてい)
- 40 あからさま
- 41 メンデルの遺伝の法則
- 42 computer
- 本書では「計算者」。
- 43 真鍮(しんちゅう)
- 44 循環論法(じゅんかんろんぽう)
- 本書は「循環論的」。
- 45 境界人(きょうかいじん、marginal man)
- 本書45ページに解説があります。
- 46 ベータ波(βは)
- 本書48ページに解説があります。
- 47 アルファ波(αは)
- 本書48ページに解説があります。
- 48 腰抜け(こしぬけ)
- 49 制圧(せいあつ)
- 50 絡繰り(からくり)
- 機関(からくり)。
- 51 砕石(さいせき)
- 参考:採石(さいせき)。
- 52 砕砂(さいしゃ)
- インターネットで調べました。
- 53 骨材(こつざい)
- 54 スプレッドシート(spreadsheet)
- 55 確証バイアス(かくしょうばいあす、confirmation bias)
- 心理学辞典で調べました。
- 56 云々(うんぬん)
- 57 将又(はたまた)
- 58 計算誤差(けいさんごさ)
- 本書76ページに解説があります。
- 59 インセンティブ(incentive)
- 60 打ち砕く(うちくだく)
- 61 夢想(むそう)
- 62 漁る(あさる)
- 63 オチ(落ち)
- 64 肩(たか)をすくめる
- 65 スポークスマン(spokesman)
- 66 チャートジャンク(chartjunk)
- 本書116ページに解説があります。
- 67 難儀(なんぎ)
- 68 愛敬(あいきょう)
- 愛嬌(あいきょう)。
- 69 代物(しろもの)
- 70 首尾一貫(しゅびいっかん)
- 71 確率(かくりつ、probability)
- 本書120ページに本書の見解があります。「計算という形態をとった常識にほかならない」。
- 72 パラドックス(paradox)
- 逆説。
- 73 しくじる
- 74 ツイート(tweet)
- インターネットで調べました。
- 75 fMRI(function magnetic resonance imaging)
- 磁気共鳴機能画像法。
- 76 ボクセル(voxel)
- ピクセル(pixel)が平面なのに対し、立体なのがボクセルのようです。インターネットで調べました。
- 77 ブロックデザイン(block design)
- インターネットで調べました。
- 78 ハイパスフィルター(High-Pass Filter)
- インターネットで調べました。
- 79 瘴気(しょうき)
- 80 前後即因果の誤謬(ぜんごそくいんがのごびゅう)
- インターネットで調べました。
- 81 突拍子(とっぴょうし)
- 82 自己選択バイアス(じこせんたくばいあす、self-selection bias)
- インターネットで調べました。
- 83 シンプソンのパラドックス(Simpson’s paradox)
- 本書146ページに解説があります。
- 84 心得顔(こころえがお)
- 85 少数の法則(しょうすうのほうそく)
- インターネットで調べました。
- 86 ホットハンド(hot hand)
- インターネットで調べました。
- 87 熾烈(しれつ)
- 88 一筋縄(ひとすじなわ)
- 89 どっぷり
- 90 完遂(かんすい)
- 91 パーセンタイル(percentile)
- 本書180ページに解説があります。インターネットでも調べました。
- 92 収斂(しゅうれん)
- 93 誤謬(ごびゅう)
- 94 振興(しんこう)
- 参考:新興(しんこう)。
- 95 惨憺(さんたん)
- 惨澹(さんたん)。
- 96 チョーキング(choking)
- 本書に解説があります。インターネットでも調べました。参考:イップス(yips)。
- 97 ジンクス(jinx)
- 98 アスリート(athlete)
- 99 有望(ゆうぼう)
- 100 見掛け倒し(みかけだおし)
- 101 ソウルメイト(soulmate)
- 102 気配(けはい)
- 103 傍目(はため)
- 104 大数の法則(たいすうのほうそく、Law of Large Numbers)
- 105 誤用(ごよう)
- 106 パターン(pattern)
- 107 切望(せつぼう)
- 108 カジノ(casino)
- 109 潮目(しおめ)
- インターネットで調べました。
- 110 狙撃(そげき)
- 111 縁(ゆかり)
- 所縁(ゆかり)。
- 112 ランダム(random)
- 113 在郷軍人(ざいごうぐんじん)
- 114 ファインマンの罠(わな)
- 本書213ページに解説があります。
- 115 奇遇(きぐう)
- 116 フィリップスの先延ばし理論
- 本書220ページにあります。調べましたが、よくわかりませんでした。
- 117 贖罪(しょくざい)
- 118 過越祭(すぎこしのまつり)
- 119 不穏(ふおん)
- 120 セリング・クライマックス
- 本書229ページには「大量の売買高を伴う株価の急落」とありました。
- 121 嫌気(いやき)
- 122 外れ値(はずれち)
- 123 ロスアラモス(Los Alamos)
- アメリカの地名。本書233ページ。
- 124 逸話(いつわ)
- 125 うんざり
- 126 『バスカヴィル家の犬』効果
- 本書236ページ。
- 127 獰猛(どうもう)
- 128 嗾ける(けしかける)
- 129 鬱蒼(うっそう)
- 130 ネフローゼ(nephrosis)
- 131 話を盛る(はなしをもる)
- インターネットで調べました。
- 132 イニシャル決定論
- 本書242ページにあります。
- 133 サド
- 134 挙って(こぞって)
- 135 肝に銘ずる(きもにめいずる)
- 136 セイバーメトリクス(Sabermetrics)
- インターネットで調べました。
- 137 OPS(On-base plus slugging)
- 本書248ページに解説があります。インターネットで調べました。
- 138 験(げん)
- 139 験担ぎ(げんかつぎ)
- 140 及第(きゅうだい)
- 141 縁起(えんぎ)をかつぐ
- 142 仕留める(しとめる)
- 143 バンビーノの呪い
- 本書250ページに解説があります。インターネットでも調べました。
- 144 凌駕(りょうが)
- 陵駕(りょうが)。
- 145 落胆(らくたん)
- 146 触発(しょくはつ)
- 147 恣意(しい)
- 148 レミング(lemming)
- インターネットで画像を見ました。
- 149 フィクション(fiction)
- 150 ギャップ(gap)
- 151 責める(せめる)
- 152 奇怪(きかい)
- 153 突飛(とっぴ)
- 154 勘繰る(かんぐる)
- 155 到底(とうてい)
- 156 乱用(らんよう)
- 濫用(らんよう)。
- 157 メンタリスト(mentalist)
- インターネットで調べました。
- 158 失笑(しっしょう)
- 159 度(ど)
- 本書では「度を超す」で使われています。
- 160 見当外れ(けんとうはずれ)
- 161 自己欺瞞(じこぎまん)
- 162 データ・グラビング
- 本書271ページ。調べましたが、わかりませんでした。
- 163 闇雲(やみくも)
- 164 真に迫る(しんにせまる)
- 165 餌食(えじき)
- 166 剽窃(ひょうせつ)
- 167 いんちき
- 168 図太い(ずぶとい)
- 169 体を成す(たいをなす)
- 170 外挿(がいそう)
- インターネットで調べました。
- 171 アナリスト(analyst)
- 172 乱高下(らんこうげ)
- 173 様相(ようそう)
- 174 相関関係(そうかんかんけい)
- 175 因果関係(いんがかんけい)
- 176 データマイニング(data mining)
- 177 逆張り(ぎゃくばり)
- 178 ヘッドアンドショルダー
- インターネットで調べました。
- 179 心底(しんそこ)
- 180 がっかり
- 181 愚行税
- 調べましたが、わかりませんでした。
- 182 いかがわしい
- 183 勃興(ぼっこう)
- 184 オールドエコノミー(old economy)
- 本書に解説があります。
- 185 強ち(あながち)
- 186 ムーアの法則
- 本書に解説があります。
- 187 皮肉屋(ひにくや)
- 188 水を差す(みずをさす)
- 189 大ばか理論
- 本書に解説があります。インターネットで調べました。
- 190 潰える(ついえる)
- 191 実質データ
- 本書に解説があります。インターネットで調べました。
- 192 清算(せいさん)
- 参考:精算(せいさん)。
- 193 レバレッジ効果(leverage effect)
- インターネットで調べました。
- 194 濡れ手で粟(ぬれてであわ)
- 195 諸刃の剣(もろはのつるぎ)
- 196 クオンツ(quants)
- インターネットで調べました。
- 197 コンバージェンス取引(convergence trading)
- インターネットで調べました。
- 198 ブッシェル(bushel)
- 199 躊躇(ちゅうちょ)
- 200 スキーム(scheme)
- 枠組み。計画。
- 201 リスク・プレミアム(risk premium)
- 202 破綻(はたん)
- 203 絶賛(ぜっさん)
- 絶讃(ぜっさん)。
- 204 アルゴリズム取引(algorithm trading)
- インターネットで調べました。
- 205 フラッシュクラッシュ(flash crash)
- インターネットで調べました。
- 206 狂乱(きょうらん)
- 207 戯言(ざれごと、ぎげん)
- 208 推論(すいろん)
- 209 乖離(かいり)
- 210 冷ややか(ひややか)
- 211 枯渇(こかつ)
- 涸渇(こかつ)。
- 212 代用(だいよう)
- 213 モンティ・ホール問題(Monty Hall problem)
- 本書に解説があります。インターネットで調べました。
- 214 実証研究(じっしょうけんきゅう、empirical research)
- インターネットで調べました。
- 215 グルーピング(grouping)
- 216 ハヌカ(Hanukah)
- 217 データドリブン(data driven)
- 本書に「データ駆動型の」とあります。
- 218 人知(じんち)
- 人智(じんち)。
- 219 ランダム化比較実験(Randomized Controlled Trial、略称:RCT)
- インターネットで調べました。
- 220 出版バイアス(publication bias)
- 本書に解説があります。インターネットで調べました。
- 221 メタアナリシス(meta-analysis)
- メタ分析。メタ解析。
- 222 予後(よご)
- 223 ばらつき
- 224 知見(ちけん)
以下余白