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読んでやる! 読んだもの
№147 『情動の哲学入門』

 理性を働かせると、私たちは生きやすく感じます。しかし、何かをしたいと、私たちを動かすものは情動です。情動の働きや位置づけを知れば、有意義な満足感を得られそうです。

『情動の哲学入門』

副題など
 副題は「価値・道徳・生きる意味」
 帯には「実は常に情に流されている!? 理性は補佐役、むしろ情動こそが主役である?!」とありました。
著者など
著者 : 信原 幸弘(のぶはら ゆきひろ)氏著
出版社など
株式会社 勁草書房(けいそうしょぼう) さん
版刷など
 2017年11月第1版第1刷。
ボリューム
 251ページ。巻末から12ページに、人名索引、事項索引、参考文献がありました。

感じたこと

 哲学って何だろう、と思って数十年経ちます。
 20年ほど前に、書籍『ソフィーの世界』ヨースタイン・ゴルデル氏著、須田朗氏監修、池田香代子氏訳が流行ったことがありました。
 この当時、家族の何人かで本を読むことにしました。私は本を読めないので、一番最後にしてもらいました。
 私の順番が回ってきたのは、約1ヵ月後でした。読み始めたのですが、なかなか先に進みません。同じ所を行ったり来たりです。
 学校で習った哲学者もおり、授業の延長の感じがして、意欲が湧いてきません。それよりも、本の読み方を知らなかった、というのが大きかったです。
 結局、半年ほどして、読むのをあきらめました。当時の新聞の書籍広告には、読者からの反響文が掲載されていました。高学年の小学生、中学生が、読んでいるのです。あまりの読む能力の無さに、自分の将来を悲観したのを覚えています。
 反響文には、読んでおけば、人生が変わっていたかもしれない、というものがありました。自分の人生の見方や生き方を変えたくても、この本を読まない限り、内容を知ることはできません。
 読んだ人に聞けばいいように思いますが、「自分で読め」といわれて終わりです。感じ方が違うので、自分で読まなければ、役には立たないという思いもありました。
 この本を読めば人生を楽しめる。しかし、本を読む能力が無い。どうすればよいのか、これこそ私にとっての哲学的な問題だったかもしれません。本を読めない、それも人生?

 これを書きながら思ったのは、『ソフィーの世界』、もう一度、挑戦しようかな、です。

この書物を選んだ理由

 哲学の入門書を探していました。新聞にこの本が紹介されていました。探していたのは、単なる「哲学入門」です。哲学の初歩を何も知らないのに、「情動」のつくものが読めるのかという迷いがありました。他に見当たらなかったので、読むことにしました。

私の読み方

 形式です。
 縦書きです。字は小さめですが、行長、行間、余白が適当で、文字を見やすかったです。
 時々、出典を表している?横文字が出てきます。縦書きに横文字は読みにくいので、横書きの方が見やすかったかもしれません。
 久しぶりに、文字だけの本でした。図や表などはありませんでした。理解しやすくするために、図や絵があった方がいいのではと、はじめは思いました。読んでいるうちに、図や絵がイメージを固定するため、自由な発想ができないか、と思うようになりました。

 何回も同じ文を読みました。何を書いているのか、なかなかわかりません。
 その理由は、主語の長さかもしれません。比較するとき、2つの考えが長く、しかも、同じ意味に感じました。よく見ると、微妙に違うのです。
 今まで、いかに適当に読んできたか、と自己不信になりそうでした。
 3日くらい経つと、だんだんに慣れてきました。それでも、雑念が生じると、内容がわかりませんでした。細かいところに注意を払い、集中力が必要だと感じました。

 ある問題を考えるとき、必ずといっていいほど、対立する考えがありました。二項対立のような感じです。
 問題の解決として、2つを満足させる考え方、2つを超越した新しい考え方、違う世界から見て2つが調和する考え方、などがあったという感じです。
 「相即」という言葉があったのですが、気になりました。対立するものが一体となっていれば、そのものを受け入れざるを得ません。それ以上変えることができず、それが自然なのですから。

 個人と人間社会に、情動がこれほど働いているとは知りませんでした。そして、哲学とはこんな風な考え方をするのか、と新鮮な気持ちになりました。
 これから、ちょこちょこ、本書を開く気がします。

読書所要時間など

総所要時間(読み始めから編集終了まで)
20日3時間26分
読み始め
2018(平成30)年5月31日(木)午前10時16分~
読み終わり
2018(平成30)年6月15日(金)~午前11時20分
一通り読んだ時間
15日1時間4分
編集終了
2018(平成30)年6月20日(水)~13時42分
読んだ範囲
 本書、カバー、帯。奥付、参考文献は軽く目を通しました。人名索引と事項索引は、必要なときに使いました。

取り上げられた書物など

  • 『論語』 孔子
  • 『ハックルベリー・フィンの冒険』 マーク・トウェイン氏著
  • 『ひまわり』 ヴィーゼンタール氏著
  • 漫画・映画『バットマン』
  • 『管理されるこころ-感情が商品になるとき』 A・R・ホックシールド氏著
  • 『日の名残り』 カズオ・イシグロ氏著

 参考文献に、多くの書籍の紹介がありました。

出来事

6月18日(月) 大阪府北部で震度6弱の地震。死者、負傷者出る。交通網混乱。

ひととき

 梅雨に入った頃に、少し長めの散歩に出かけました。

 サクラソウ?
 サクラソウか、クリンソウだと思うのですが。

 ヤマトシジミ?
 チョウはヤマトシジミだと思うのですが。花の名前はわかりませんでした。

 カメラで撮った花や虫など、調べますが名前がわかりません。簡単に調べる方法はないのでしょうか。
 以上、平成30年6月5日(火)撮影。

調べたこと

1 情動(じょうどう)
2 哲学(てつがく)
3 入門(にゅうもん)
4 価値(かち)
5 道徳(どうとく)
6 意味(いみ)
7 悪者(わるもの)
8 有頂天(うちょうてん)
9 自慢(じまん)
10 エスカレート(escalate)
11 凄惨(せいさん)
12 些細(ささい)
13 喧嘩(けんか)
14 燎原の火(りょうげんのひ)
15 抱く(いだく)
 懐く(いだく)。
16 一見(いっけん)
 参考:一見(いちげん)。
17 VM患者
 本書に解説があります。 腹内側前頭前野(ふくないそくぜんとうぜんや、ventromedial prefrontal cortex)。
18 些末(さまつ)
 瑣末(さまつ)。
19 御膳立て(おぜんだて)
20 相応しい(ふさわしい)
21 平静(へいせい)
22 生(せい)
23 包摂(ほうせつ)
24 諸諸(もろもろ)
25 考察(こうさつ)
26 通読(つうどく)
27 俯瞰(ふかん)
28 美味しい(おいしい)
29 剥き出し(むきだし)
30 湧く(わく)
31 唸り(うなり)
32 ぞっと
33 バンジージャンプ(bungee jumping)
34 感受(かんじゅ)
35 明明白白(めいめいはくはく)
36 皮質(ひしつ)
37 蝸牛管(かぎゅうかん)
38 斥ける(しりぞける)
39 付随(ふずい)
 附随(ふずい)。
40 安泰(あんたい)
41 根源(こんげん)
 根元(こんげん)。
42 究極的(きゅうきょくてき)
 窮極的(きゅうきょくてき)。
43 源泉(げんせん)
44 ゾンビ(zombie)
45 痒み(かゆみ)
46 葛藤(かっとう)
47 皺(しわ)
 皴(しわ)。
48 びしっと
49 颯爽(さっそう)
50 至福(しふく)
51 功利主義(こうりしゅぎ)
52 羨ましい(うらやましい)
53 ダサい(ださい)
54 ファッショナブル(fashionable)
55 軽蔑(けいべつ)
56 依拠(いきょ)
57 適う(かなう)
58 一貫(いっかん)
59 無念(むねん)
60 罹る(かかる)
61 訝しい(いぶかしい)
62 一面(いちめん)
63 ちょこまか
64 きゃんきゃん
 インターネットで調べました。
65 獰猛(どうもう)
66 トラウマ(trauma)
67 忌まわしい(いまわしい)
68 公算(こうさん)
69 体系(たいけい)
70 類比(るいひ)
71 不幸中の幸い(ふこうちゅうのさいわい)
72 連関(れんかん)
73 御する(ぎょする)
74 整合(せいごう)
75 憐れみ(あわれみ)
76 執拗(しつよう)
77 抗する(こうする)
78 アンビバレント(ambivalent)
 アンビヴァレント。
79 万物流転(ばんぶつるてん)
80 儚む(はかなむ)
81 悲劇的(ひげきてき)
82 ディレンマ(dilemma)
 ジレンマ。
83 不気味(ぶきみ)
 無気味(ぶきみ)。
84 帳消し(ちょうけし)
85 後悔(こうかい)
86 罪悪感(ざいあくかん)
87 不条理(ふじょうり)
88 癒える(いえる)
89 一所懸命(いっしょけんめい)
 参考:一生懸命(いっしょうけんめい)。
90 普請(ふしん)
91 サバイバーズ・ギルト(survivor’s gilt)
 本書に解説があります。
92 考量(こうりょう)
93 拮抗(きっこう)
94 トロッコ問題
 インターネットで調べました。
95 連綿(れんめん)
96 元凶(げんきょう)
 元兇(げんきょう)。
97 一途(いちず)
98 昂ぶる(たかぶる)
 高ぶる(たかぶる)。
99 宥める(なだめる)
100 極悪(ごくあく)
101 極限(きょくげん)
102 刻印(こくいん)
103 背反(はいはん)
 悖反(はいはん)。
104 無用の長物(むようのちょうぶつ)
105 喚起(かんき)
106 闇金(やみきん)
 闇金融(やみきんゆう)。
107 出しゃばり(でしゃばり)
108 越権(えっけん)
109 可哀想(かわいそう)
110 義憤(ぎふん)
111 自賛(じさん)
 自讃(じさん)。
112 首尾一貫(しゅびいっかん)
113 言明(げんめい)
114 危惧(きぐ)
115 偽装(ぎそう)
 擬装(ぎそう)。
116 招来(しょうらい)
117 隷属(れいぞく)
118 必要悪(ひつようあく)
119 有難迷惑(ありがためいわく)
120 快(かい)
121 卑下(ひげ)
122 汚す(けがす)
 参考:汚す(よごす)。
123 媚びる(こびる)
124 ・・・頭(・・・がしら)
125 相即(そうそく)
126 粛粛(しゅくしゅく)
127 顕わ(あらわ)
128 真正(しんせい)
129 欺瞞(ぎまん)
130 斬新(ざんしん)
131 絶賛(ぜっさん)
 絶讃(ぜっさん)。
132 爽快(そうかい)
133 至極(しごく)
134 痛快(つうかい)
135 情動価
 「じょうどうか」と読むのでしょうか?
 本書197ページに括弧書きで解説があります。
136 徹頭徹尾(てっとうてつび)
137 崇高(すうこう)
138 浅薄(せんぱく)
139 早晩(そうばん)
140 信憑性(しんぴょうせい)
141 強化子(きょうかし、reinforcer)
 強化刺激(きょうかしげき、reinforcer stimulus)。心理学用語。
 「子」は、「因子(いんし)」「要因(よういん)」のことでしょうか。
142 表象(ひょうしょう)
143 類(るい)
 分類の1つ。
144 種(しゅ)
 分類の1つ。
145 明快(めいかい)
146 論考(ろんこう)
 論攷(ろんこう)。
147 信像
 「しんぞう」と読むのでしょうか? 本書220ページに解説があります。
148 反故(ほご)にする
149 含意(がんい)
150 展望(てんぼう)
151 パラドクス(paradox)
 パラドックス。
152 パラドキシカル(paradoxical)
153 自嘲(じちょう)
154 ・・・気味(・・・ぎみ)
155 美味(びみ)
156 帰結(きけつ)
157 覚束無い(おぼつかない)
158 格好(かっこう)
 恰好(かっこう)。
159 虚栄(きょえい)
160 曲解(きょっかい)
161 打ち拉ぐ(うちひしぐ)
162 虚しい(むなしい)
 空しい(むなしい)。
163 もがく(踠く)
164 足掻き(あがき)
165 駆動(くどう)
166 クオリア(qualia)
 本書の249ページに、「意識」の括弧の中にありました。
167 古典的計算主義
 インターネットで調べました。
168 コネクショニズム(connectionism)
169 フレーム問題(frameもんだい)
170 射程(しゃてい)
171 基軸(きじく)

以下余白

更新記録など

2018年6月25日(月) : アップロード