『アントレプレナーの教科書[新装版]』
原題は『THE FOUR STEPS TO THE EPIPHANY』
- 副題など
- 副題は「シリコンバレー式イノベーション・プロセス」
- 原副題は「Successful Strategies for Products that Win」
- 帯には「リーン・スタートアップ革命はこの1冊から始まった!」「・・・、新事業成功戦略」とありました。
- 著者など
- 著作者 : スティーブン・G・ブランク(Steven Gary Blank)氏著
- 翻訳者 : 堤 孝志(つつみ たかし)氏&渡邉 哲(わたなべ さとる)氏共訳
- 出版社など
- 株式会社 翔泳社 さん
- 版刷など
- 2016年1月初版第1刷。
- ボリューム
- 316ページ。ただし、285~309ページは「参考文献」、310~316ページは「事項索引」と「人名・企業名索引」です。
感じたこと
会社員時代を思い出しました。
当時、営業をしていましたが、新人で何をしてよいやらわかりませんでした。先輩について、やり方を見よう見まねで習っていました。担当する顧客のところに行って、商品管理をする仕事でした。新規と言えば、紹介で新しい顧客を獲得したりします。
しかし、まったく何も無い状態から、新しい顧客を開拓する営業はありませんでした。先輩に聞いても、やり方を教えてもらえませんでした。というより、決まったやり方がない、というのが事実だと感じました。
どうやったら、新規の顧客を獲得できるのか、当時の疑問でした。営業に関しては、既存顧客をキチンと管理していれば、何も言われませんでした。新規開拓に挑戦することにしました。
最初に取り組んだのは、自社の商品を知ることです。カタログの商品の用途を調べました。それから、自分が売り込めそうな商品、その用途に適した産業と消費者を探しました。
また、対象者は、販売代金を確実に回収できることを条件にリストアップしました。売っても、入金されないようではどうしようもありません。
頭を悩ませたのは、売り込み方をどのようにするかでした。新規の顧客から問合せがある場合、たいていは求める商品が決まっています。こちらからアプローチする場合、顧客は雲をつかむような感じになるはずです。そのような話に時間を割いてくれるかは疑問です。
また、どうしたら会ってくれるか、誰に会うべきか、です。
自社は、それなりの信用はあるのですが、社会における知名度はなかったように私は感じていました。そこで、最初は、会社と商品を知ってもらうことを目的にしました。
リストアップした対象者に、会社案内、商品の総合カタログを置いてもらうことから始めることにしました。
後は、実行あるのみです。電話をする前に、対象者の情報を何度も確認しました。当時は、新聞、広告、会社に関する情報誌などが頼りでした。
対象者に電話をすると、受付か総務担当経由で、購買や技術担当者につながりました。
担当者と話をすると、カタログを集めている対象者がありました。よりよい商品や、必要なモノを探すために、仕事にカタログが必要だったのです。
これをルーティンの営業の合間に、少しずつやっていきました。半年くらいたった頃に問い合わせがあり、商談が1件まとまりました。
カタログを置いただけの宣伝だけの活動でしたが、マグレでヒットしました。この時に、カタログを置けば、誰かが見ていることを知りました。
今ではインターネットを使い、ホームページを見たり、検索サイトで求める情報に行きつくことがあります。
そして、売り手買い手ともに、インターネットを使っているはずです。ホームページ、SNSなどの使い方が、仕事の成否を分けるとも言えます。
本書を読んで、私のこの営業?活動が恥ずかしいと思いました。営業やマーケティングの知識もないのに、思いつきで活動をしたからです。
当然、ヒラと役付き社員では、営業の方法は違ってきます。幹部クラスだと政治力を使ったりします。
営業をする前に、せめて必要な知識を仕入れたうえで活動すべきだと感じました。そういえば、当時はまだ本を読めませんでした。何かを成し遂げるのに、自分で学べることは有利です。本を読めることは大切な技術の1つだとあらためて思いました。
この書物を選んだ理由
書店に行ったときに、気になった本です。起業やアントレプレナーの背表紙がたくさんある棚がありました。目をひいたのが、この1冊でした。
私の読み方
形式です。
文字は小さく感じました。横書きで1行の長さが短いのですが、文字を見づらく感じました。紙の白色を眩しく感じることも原因の1つかもしれません。
図や表、見出しや重要なところは、大きめの文字や字体を変えていました。
もう少し色をつけると見やすかったかもしれません。
「注」は下欄にあり、ページを繰る手間がありませんでした。
章のはじめに詳細図があり、章末にはまとめがありました。理解をしやすい工夫がありました。
参考文献、索引が充実しており、実用的に作られていました。
読み進めるにつれて、テーマは変わっても、何回も同じことを書いていると思いました。これは、どの章から読んでも理解できることを意味していると思いました。
実践中に、必要なところを読むときに役立ちます。はじめから読まないと、途中の内容を理解できない記述では、時間がかかりすぎます。
実際に使うために本書はあります。
参考文献が非常によかったと思います。今までにはない、参考文献の書き方でした。
どのような立場で、どのようなときに読めばよいのかが書かれていました。かなり詳細に書かれており、自分の置かれた立場で、本を選べる気がしました。
問題の解決や、次の一手を考えるときの参考書を探すのに、便利だと思いました。
本書は技術企業家を主に対象にしています。
技術や製品が優れていても、必ず売れるとは限りません。顧客が、それを知り、お金を払ってでも使いたいと思うことが必要です。
開発から販売まで、顧客とともにあることを意識するのが、起業の成功の鍵を握っているようです。
買ってくれる人がいないと、起業は成り立ちません。
読書所要時間など
- 総所要時間(読み始めから編集終了まで)
- 10日22時間14分
- 読み始め
- 2018(平成30)年6月26日(火)23時07分~
- 読み終わり
- 2018(平成30)年7月4日(水)~21時30分
- 一通り読んだ時間
- 7日22時間23分
- 編集終了
- 2018(平成30)年7月7日(土)~21時21分
- 読んだ範囲
- 本書、帯、カバー。索引は必要なときに使い、奥付は軽く目を通しました。
取り上げられた書物など
- 『キャズム』 ジェフリー・ムーア氏著
- 『リーン・スタートアップ』 エリック・リース氏著
- 『スタートアップ・マニュアル』 スティーブン・G・ブランク氏&ボブ・ドーフ氏共著
- 『孫子の兵法』 孫子
- 『急に売れ始めるにはワケがある』 マルコム・グラッドウェル氏著
参考文献に、多くの書籍の紹介がありました。
出来事
7月5~7日に西日本で大雨。土砂災害など多数発生。
ひととき
梅雨なのですが、本当によいお天気でした。快晴でした。
少し遠くに散歩に出かけました。少し歩くだけで、汗が出てきました。
道路の植え込みに咲いていました。ネジバナ(捩花)です。
アゲハチョウが2匹、ダンスをするかのように舞っていました。アゲハと言えばキアゲハしかないと思っていたのですが、調べてみるとナミアゲハでした。
以上、平成30年6月25日(月)に撮影しました。
調べたこと
- 1 アントレプレナー(entrepreneur)
- 2 教科書(きょうかしょ)
- 3 Epiphany(エピファニー)
- 本書では、神の啓示を受けた悟り、のこと。
- 4 acknowledgment
- 謝辞。
- 5 シラバス(syllabus)
- 6 アナロジー(analogy)
- 類推。
- 7 スタートアップ(start-up)
- ベンチャービジネス。
- 8 シリアルアントレプレナー(serial entrepreneur)
- 連続企業家。
- 9 道すがら(みちすがら)
- 10 プロダクトマネジャー(product manager)
- 11 従兄弟(いとこ)
- 12 リーンスタートアップ(lean startup)
- インターネットで調べました。
- 13 アジャイル開発(agileかいはつ)
- インターネットで調べました。
- 14 チャネル(channel)
- チャンネル。流通経路。販売経路。インターネットで調べました。
- 15 ピボット(pivot)
- 方向転換。路線変更。インターネットで調べました。
- 16 要諦(ようてい)
- 17 殊更(ことさら)
- 18 触れ込み(ふれこみ)
- 19 エンジェル投資家(えんじぇるとうしか)
- 20 目の当たり(まのあたり)
- 21 ソリューション(solution)
- 22 ムーブメント(movement)
- 動向。
- 23 温床(おんしょう)
- 24 ベンチマーク(benchmark)
- インターネットで調べました。
- 25 シードアクセラレーター(seed accelerator)
- インターネットで調べました。
- 26 メインストリーム(mainstream)
- 主流派。インターネットで調べました。
- 27 アーリーアダプター(early adopter)
- インターネットで調べました。
- 28 エバンジェリスト(evangelist)
- インターネットで調べました。
- 29 フロントエンド(front-end)
- インターネットで調べました。
- 30 キラーアプリケーション(killer application)
- インターネットで調べました。
- 31 ダイアグラム(diagram)
- 32 シード(seed)
- ベンチャービジネスの準備期間。インターネットで調べました。
- 33 ポジショニング(positioning)
- 34 スプレッドシート(spreadsheet software)
- 表計算ソフトのこと。
- 35 ウォーターフォール型(waterfall model)
- 開発の工程の1つ。インターネットで調べました。
- 36 クリティカルパス法(critical path method)
- 計画をスケジュールするための手法の1つ。インターネットで調べました。
- 37 アルファテスト(α test)
- 社外に出す前の試作品。インターネットで調べました。
- 38 ベータテスト(beta test)
- 社外のユーザーに使ってもらう試作品。インターネットで調べました。
- 39 ベータ顧客(beta こきゃく)
- ベータテストの試作品を使うユーザー。インターネットで調べました。
- 40 プレゼンテーション(presentation)
- 41 オペレーションモデル(operation model)
- 本書8ページに解説があります。インターネットでも調べました。
- 42 リリース(release)
- 売り出すこと。
- 43 PERT図(Program Evaluation and Review Technique ず)
- 図は「arrow diagram」。本書11ページに解説があります。インターネットでも調べました。
- 44 定常(ていじょう)
- 45 尚早(しょうそう)
- 46 依然(いぜん)
- 47 烏合の衆(うごうのしゅう)
- 48 軋轢(あつれき)
- 49 バースモデル曲線(BASS model きょくせん)
- インターネットで調べました。
- 50 うざったい
- 51 エキサイティング(exciting)
- 52 OODAループ(ウーダloop)
- 空軍大佐のジョン・R・ボイド氏が開発。海兵隊の個人の意思決定の型。
- 参考:『知的機動力の本質』野中郁次郎氏著に解説があります。
- 53 構築(こうちく)
- 54 信奉(しんぽう)
- 読み方は「sinpou」。
- 55 勿体振る(もったいぶる)
- 56 レイオフ(layoff)
- 57 PDA(personal digital assistants)
- 小型携帯端末。
- 58 セグメンテーション(segmentation)
- 本書39ページに解説があります。
- 59 蟠り(わだかまり)
- 60 SOHO(ソーホー、small office home office)
- 61 心酔(しんすい)
- 62 エバンジェリスト(evangelist)
- 本書50ページに解説があります。インターネットでも調べました。
- 63 プロファイル(profile)
- 求める条件を記したもの、のようです。インターネットでも調べました。
- 64 レイトアダプター(late adopter)
- インターネットで調べました。
- 65 CIO(Chief Information Officer)
- 最高情報責任者。
- 66 ベンだー(vendor)
- 売り手。納入業者。
- 67 アドバイザリーボード(advisory board)
- 顧問委員会。
- 68 CTO(Chief Technical Officer)
- 69 中核(ちゅうかく)
- 70 フェーズ(phase)
- 段階。局面。状態。
- 71 ミッションステートメント(mission statement)
- 本書58ページに解説があります。
- 72 週次(しゅうじ)
- 週ごと。
- 73 ミッションクリティカル(mission critical)
- 必要不可欠なコンピューターに不具合があってはならないこと。
- 74 コンソーシアム(consortium)
- 75 ステータス(status)
- 76 ディストリビューター(distributor)
- 卸売業者。
- 77 トレードオフ(trade-off)
- インターネットでも調べました。
- 78 イノベーター(innovator)
- 本書87ページに解説があります。
- 79 プロフェッショナルサービス(professional service)
- 本書102ページで、「カスタマイズと導入」。インターネットでも調べました。
- 80 チャネルパートナー(channel partner)
- インターネットで調べました。
- 81 携える(たずさえる)
- 82 もじもじ
- 83 得体(えたい)
- 84 セールスファネル(sales funnel)
- 本書では、「営業案件じょうご」。ファネル(funnel)は、漏斗(じょうご)。
- 85 バリュープロポジション(value proposition)
- インターネットで調べました。
- 86 預託(よたく)
- 87 行程(こうてい)
- 参考:工程(こうてい)。
- 88 実害(じつがい)
- 89 コンポーネント(component)
- 部品。要素。インターネットでも調べました。
- 90 紙一重(かみひとえ)
- 91 協業(きょうぎょう)
- 92 板書(ばんしょ)
- 93 ホールプロダクト(Whole Product)
- インターネットで調べました。
- 94 ベイパーウェア(vaporware)
- インターネットで調べました。
- 95 パイロットプロジェクト(pilot project)
- 96 バンドル(bundle)
- 97 顛末(てんまつ)
- 98 ちぐはぐ
- 99 擦り付ける(なすりつける)
- 100 ティッピングポイント(tipping point)
- 転換点。参考:「tip」は、頂上などの意。
- 101 インダストリーインフルエンサー
- 本書210ページに解説があります。
- 102 リファレンス(reference)
- 調査して何らかの回答をくれる顧客のことでしょうか。わかりませんでした。インターネットでも調べました。
- 103 acronym
- 頭字語(とうじご)。
- 104 統御(とうぎょ)
- 105 創薬(そうやく)
- インターネットで調べました。
- 106 更迭(こうてつ)
- 107 目茶苦茶(めちゃくちゃ)
- 滅茶苦茶(めちゃくちゃ)。
- 108 リビングデッド(living dead)
- 本書231ページに解説があります。
- 109 バイラル(viral)
- 本書では「口コミ」。
- 110 邁進(まいしん)
- 111 そつが無い(そつがない)
- 112 生傷(なまきず)
- 113 凝視(ぎょうし)
- 114 黎明期(れいめいき)
- 115 潰える(ついえる)
以下余白