Webサイト

読んでやる! 読んだもの
№140 『ピーターの法則』

 階層社会学から幸福な働き方を提言しています。自己の有能感、周囲の信頼が人生の豊かさを維持することのようです。組織でのあり方、その方法について具体的な記述がありました。

『ピーターの法則』

 原題は『The Peter Principle』

副題など
 副題は「創造的無能のすすめ」。
 帯には「禁断の真実を暴く“階層社会学”の奇書」「無敵の処世術!」とありました。
著者など
著者 : ローレンス・J・ピーター(Laurence J.Peter)氏&レイモンド・ハル(Raymond Hull)氏共著
訳者 : 渡辺 伸也(わたなべ しんや)氏訳
出版社など
株式会社ダイヤモンド社 さん
版刷など
 2003年12月第1刷。読んだものは、2016年8月第12刷。
ボリューム
 222ページ。ただし、215~218ページは「さくいん」です。

感じたこと

 思わずため息が出てしまいました。

 昔、受けた研修でのことです。1グループ4、5名で、与えられた問題を解決するというものがありました。
 討議するに当たって、A4のペーパー3枚くらいの資料の配付がありました。1ページは文字がびっしり詰まっていました。その他は、図や統計資料でした。
 さて、グループでの活動が始まったとき、最初に、各メンバーが資料に目を通すことになりました。私が文字の詰まったページの半分くらい読んだところで、他のメンバーは資料を机において、腕組みをしたり、天井を見上げたり、資料を漫然と見たりしていました。
 そうです、私が資料を読むのが一番遅かったのです。しかも、かなり読むスピードが遅いことに気づきました。私が読み終わる頃には、討議する時間がないことに気づきました。
 迷惑をかけるわけにもいかないので、メンバーにそのことを告げ、討議を始めてもらいました。
 討議が始まって、司会が各メンバーに質問をしていきました。順番が回ってきたとき、私は「・・・」でした。意見を出し合うときも、私は「・・・」でした。読んだ部分だけで、意見を出そうかとも思いました。しかし、「最後まで読んでいないんでしょ」と言われるようで何も言えませんでした。
 討議中も、資料を読んでいました。読み終わったときには、グループとしての解決策ができあがっていました。私は完全に蚊帳(かや)の外(そと)でした。
 元々、本を読めなかったわけですから、当然と言えます。最初から、この点に関しては、無能だったのです。
 文字の塊(かたまり)を読めないのは、社会生活では恐ろしく苦労します。別の言い方をすると、読めるのが当たり前なのです。

 さて、ピーターの法則は、私に何をもたらしてくれたでしょうか。
 いろいろと考えていましたが、すぐに思考が停止し、黙ってしまいました。足掛かりとなる有能さがなければ、何も始まらないと感じたからです。
 文字や本などを読めるようになったとしても、それは当たり前のことです。わかったことは、試行錯誤して、何もWebサイトにまでする必要はなかったのです。どうでもいいことに、時間と労力を使っていたということです。

 本書を読み終えた今、「それにしても、あの組織はよく私を雇ってくれたもんだ」と心の中でしみじみと思いました。

この書物を選んだ理由

 弊サイトで取り上げた№116『HARD THINGS』、№126『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』に本書が紹介されていました。気になったので、読むことにしました。

私の読み方

 形式です。
 文字は少し小さめです。文字が小さい分、1行が少し長いように感じました。1行が視界に入りづらく、行末から行頭に視線が移る際にブレがありました。行間、余白は適当だと感じました。
 絵や図が適当にありました。絵はコミカルで諷刺(ふうし)のきいたものでした。図は簡単ですが、理解を深めてくれるようでした。
 翻訳本に多いと思うのですが、章のはじめに誰かの言葉がありました。なかなか味わい深い言葉が多いのですが、何のために引用したのでしょうか。かなり気になります。
 読んだ順番は、目次、レイモンド・ハルによるはしがき、訳者あとがき、本文の順で読みました。「さくいん」は、必要なときに使いました。訳者あとがきは先に読まなくても影響はないように感じました。

 皮肉っぽく書かれているように感じました。これが、皮肉なのか、本気で言っているのかわかりづらく、理解しづらい気がしました。言葉としての文字を読めたとしても、意味としての真意を捉えづらいと思いました。
 また、いくつかの実例を取り上げているのですが、どれも同じ内容と形式に思えて、飽きてくる気がしました。

 確かにと思いましたし、真実を述べているのでしょうが、「ん~」と言った感じです。それが、書き方によるものなのか、私の理解力とか感じ方によるのかは、わかりませんでした。

読書所要時間など

総所要時間(読み始めから編集終了まで)
10日5時間46分
読み始め
2018(平成30)年1月18日(木)午前11時50分~
読み終わり
2018(平成30)年1月26日(金)~22時12分
一通り読んだ時間
8日10時間22分
編集終了
2018(平成30)年1月28日(日)~17時36分
読んだ範囲
 カバー、帯、本書。ただし、さくいん、奥付は軽く目を通し、書籍広告は目を通していません。

取り上げられた書物など

  • 『ゆっくりでも確実に』 ホレーショー・アルジャー・ジュニア氏著
  • 『積極的考え方の力』 ノーマン・V・ピール氏著
  • 『パーキンソンの法則』 シリル・ノースコート・パーキンソン氏著

 これ以外にも、書籍の紹介がありました。

出来事

 1月23日(火) 群馬県の草津白根山で噴火。

ひととき

 1月26日(金)は午後から大雪でした。めずらしく、うっすらと雪が積もりました。
 子どもたちが、雪合戦や雪だるまを作って遊んでいました。

 道路脇の植え込みに積もった雪です。
クサノユキ

 空中の雪です。
ユキ

 平成30年1月27日(土)に撮影しました。

調べたこと

1 principle
2 法則(ほうそく)
3 創造(そうぞう)
4 無能(むのう)
5 階層社会学(hierarchiology)
 本書26ページに、解説があります。調べましたが、よくわかりませんでした。
6 貴賤(きせん)
7 傑作(けっさく)
8 飛球(ひきゅう)
9 けちょんけちょん
10 無精(ぶしょう)
 不精(ぶしょう)。
11 鉛丹(えんたん)
12 観念(観念)
13 のさばる
14 筒抜け(つつぬけ)
15 弓鋸(ゆみのこ)
16 竣工(しゅんこう)
 竣功(しゅんこう)。
17 伸し歩く(のしあるく)
18 のらりくらり
19 幕間(まくあい、まくま)
20 跳ねる(はねる)
 本書では、芝居が終わること。
21 原罪(げんざい)
22 攪乱(かくらん)
23 百害(しゃくがい)あって一利(いちり)無(な)し
24 ユートピア(utopia)
25 革命(かくめい)
26 命拾い(いのちびろい)
27 唖然(あぜん)
 啞然(あぜん)。
28 マイノリティ(minority)
 マイノリティー。
29 化けの皮(ばけのかわ)
30 破綻(はたん)
31 目の当たり(まのあたり)
32 完遂(かんすい)
33 仮名(かめい)
 参考:仮名(かな)。
34 呆然(ぼうぜん)
35 及第(きゅうだい)
36 牛耳る(ぎゅうじる)
37 一切合切(いっさいがっさい)
 一切合財(いっさいがっさい)。
38 死屍累累(ししるいるい)
39 編纂(へんさん)
40 冠石(かんむりいし)
 笠石(かさいし)。インターネットで調べました。
41 礎石(そせき)
42 ぴしゃり
43 越権(えっけん)
44 瑣末(さまつ)
 些末(さまつ)。
45 厄介払い(やっかいばらい)
46 詰め寄る(つめよる)
47 骨惜しみ(ほねおしみ)
48 教区(きょうく)
49 親の七光り(おやのななひかり)
50 後釜(あとがま)
51 鞍替え(くらがえ)
52 誤謬(ごびゅう)
53 堕とす(おとす)
54 正真正銘(しょうしんしょうめい)
55 良き指導者たるもの、良き服従者たれ
 調べましたが、わかりませんでした。
56 てんでんばらばら
57 戯れ言(ざれごと)
58 靴の修理屋よ、今の仕事をしっかりやれ
 調べましたが、わかりませんでした。
59 料理人が多いとスープをだめにする
 Too many cooks spoil the broth.でしょうか。調べましたが、わかりませんでした。
60 女の仕事に終わりはない
 調べましたが、わかりませんでした。
61 抗う(あらがう)
62 性向(せいこう)
63 箴言(しんげん)
64 引け(ひけ)
65 引けを取る(ひけをとる)
66 先んずる(さきんずる)
67 お払い箱(おはらいばこ)
68 窮余の一策(きゅうよのいっさく)
 本書では 「窮余の策」。
69 元の木阿弥(もとのもくあみ)
 本書では 「旧の木阿弥」。
70 直向き(ひたむき)
71 上背(うわぜい)
72 ぐうたら
73 プロファイル(profile)
74 身(み)を粉(こ)にする
75 逼迫(ひっぱく)
76 二進(にっち)も三進(さっち)も
77 造詣(ぞうけい)
78 真摯(しんし)
79 pathology
 病理学。
80 蛮勇(ばんゆう)
81 リサーチ(research)
82 根(こん)を詰(つ)める
83 げんなり
84 雲行き(くもゆき)
85 indices
 indexの複数形。
86 忙殺(ぼうさつ)
87 偏執(へんしゅう、へんしつ)
88 狂気(きょうき)
89 ぼやく
90 殉教(じゅんきょう)
91 難癖(なんくせ)
92 バリエーション(variation)
93 箱物(はこもの)
94 エディフィス・コンプレックス(edifice complex)
 本書では「箱物依存症」。インターネットで調べました。
95 うんざり
96 招聘(しょうへい)
97 チック(tic)
98 奇癖(きへき)
99 上の空(うわのそら)
100 教化(きょうか)
 参考:教化(きょうけ、きょうげ)。
101 長足(ちょうそく)
102 烏滸がましい(おこがましい)
103 昇進指数
 PQ:Promotion Quotient。
104 石橋(いしばし)を叩(たた)いて渡(わた)る
105 急(いそ)がば回(まわ)れ
106 座右の銘(ざゆうのめい)
107 強者(きょうしゃ)
108 じり貧(じりひん)
109 安穏(あんのん)
110 まったり
111 徹頭徹尾(てっとうてつび)
112 incompetence
 無能。
113 尻込み(しりごみ)
 後込み(しりごみ)。
114 大目玉(おおめだま)
115 金言(きんげん)
116 風采(ふうさい)
117 ペーパーバック(paperback)
118 しつこい
119 カムフラージュ(camouflage)
 カモフラージュ。
120 extension
 拡張。本書では「応用」。
121 半神半人
 「はんしんはんじん」と読むのでしょうか。調べましたが、わかりませんでした。
122 剣歯虎(けんしこ)
 サーベル・タイガー(saber-toothed tiger)。本書では「剣歯トラ」。インターネットで画像を確認しました。
123 翼竜(よくりゅう)
 インターネットで画像を確認しました。
124 利口(りこう)
125 見境(みさかい)
126 エスカレート(escalate)
127 支離滅裂(しりめつれつ)
128 成れの果て(なれのはて)
129 閑静(かんせい)
130 牧歌的(ぼっかてき)
131 がらくた
132 ぽんこつ
133 俗物(ぞくぶつ)
134 緩和(かんわ)
135 信奉(しんぽう)
136 杞憂(きゆう)
137 蔓延(まんえん)
138 復刻(ふっこく)
 覆刻(ふっこく)、複刻(ふっこく)。
139 滅相もない(めっそうもない)

以下余白

更新記録など

2018年1月29日(月) : アップロード