『ピーターの法則』
原題は『The Peter Principle』
- 副題など
- 副題は「創造的無能のすすめ」。
- 帯には「禁断の真実を暴く“階層社会学”の奇書」「無敵の処世術!」とありました。
- 著者など
- 著者 : ローレンス・J・ピーター(Laurence J.Peter)氏&レイモンド・ハル(Raymond Hull)氏共著
- 訳者 : 渡辺 伸也(わたなべ しんや)氏訳
- 出版社など
- 株式会社ダイヤモンド社 さん
- 版刷など
- 2003年12月第1刷。読んだものは、2016年8月第12刷。
- ボリューム
- 222ページ。ただし、215~218ページは「さくいん」です。
感じたこと
思わずため息が出てしまいました。
昔、受けた研修でのことです。1グループ4、5名で、与えられた問題を解決するというものがありました。
討議するに当たって、A4のペーパー3枚くらいの資料の配付がありました。1ページは文字がびっしり詰まっていました。その他は、図や統計資料でした。
さて、グループでの活動が始まったとき、最初に、各メンバーが資料に目を通すことになりました。私が文字の詰まったページの半分くらい読んだところで、他のメンバーは資料を机において、腕組みをしたり、天井を見上げたり、資料を漫然と見たりしていました。
そうです、私が資料を読むのが一番遅かったのです。しかも、かなり読むスピードが遅いことに気づきました。私が読み終わる頃には、討議する時間がないことに気づきました。
迷惑をかけるわけにもいかないので、メンバーにそのことを告げ、討議を始めてもらいました。
討議が始まって、司会が各メンバーに質問をしていきました。順番が回ってきたとき、私は「・・・」でした。意見を出し合うときも、私は「・・・」でした。読んだ部分だけで、意見を出そうかとも思いました。しかし、「最後まで読んでいないんでしょ」と言われるようで何も言えませんでした。
討議中も、資料を読んでいました。読み終わったときには、グループとしての解決策ができあがっていました。私は完全に蚊帳(かや)の外(そと)でした。
元々、本を読めなかったわけですから、当然と言えます。最初から、この点に関しては、無能だったのです。
文字の塊(かたまり)を読めないのは、社会生活では恐ろしく苦労します。別の言い方をすると、読めるのが当たり前なのです。
さて、ピーターの法則は、私に何をもたらしてくれたでしょうか。
いろいろと考えていましたが、すぐに思考が停止し、黙ってしまいました。足掛かりとなる有能さがなければ、何も始まらないと感じたからです。
文字や本などを読めるようになったとしても、それは当たり前のことです。わかったことは、試行錯誤して、何もWebサイトにまでする必要はなかったのです。どうでもいいことに、時間と労力を使っていたということです。
本書を読み終えた今、「それにしても、あの組織はよく私を雇ってくれたもんだ」と心の中でしみじみと思いました。
この書物を選んだ理由
弊サイトで取り上げた№116『HARD THINGS』、№126『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』に本書が紹介されていました。気になったので、読むことにしました。
私の読み方
形式です。
文字は少し小さめです。文字が小さい分、1行が少し長いように感じました。1行が視界に入りづらく、行末から行頭に視線が移る際にブレがありました。行間、余白は適当だと感じました。
絵や図が適当にありました。絵はコミカルで諷刺(ふうし)のきいたものでした。図は簡単ですが、理解を深めてくれるようでした。
翻訳本に多いと思うのですが、章のはじめに誰かの言葉がありました。なかなか味わい深い言葉が多いのですが、何のために引用したのでしょうか。かなり気になります。
読んだ順番は、目次、レイモンド・ハルによるはしがき、訳者あとがき、本文の順で読みました。「さくいん」は、必要なときに使いました。訳者あとがきは先に読まなくても影響はないように感じました。
皮肉っぽく書かれているように感じました。これが、皮肉なのか、本気で言っているのかわかりづらく、理解しづらい気がしました。言葉としての文字を読めたとしても、意味としての真意を捉えづらいと思いました。
また、いくつかの実例を取り上げているのですが、どれも同じ内容と形式に思えて、飽きてくる気がしました。
確かにと思いましたし、真実を述べているのでしょうが、「ん~」と言った感じです。それが、書き方によるものなのか、私の理解力とか感じ方によるのかは、わかりませんでした。
読書所要時間など
- 総所要時間(読み始めから編集終了まで)
- 10日5時間46分
- 読み始め
- 2018(平成30)年1月18日(木)午前11時50分~
- 読み終わり
- 2018(平成30)年1月26日(金)~22時12分
- 一通り読んだ時間
- 8日10時間22分
- 編集終了
- 2018(平成30)年1月28日(日)~17時36分
- 読んだ範囲
- カバー、帯、本書。ただし、さくいん、奥付は軽く目を通し、書籍広告は目を通していません。
取り上げられた書物など
- 『ゆっくりでも確実に』 ホレーショー・アルジャー・ジュニア氏著
- 『積極的考え方の力』 ノーマン・V・ピール氏著
- 『パーキンソンの法則』 シリル・ノースコート・パーキンソン氏著
これ以外にも、書籍の紹介がありました。
出来事
1月23日(火) 群馬県の草津白根山で噴火。
ひととき
1月26日(金)は午後から大雪でした。めずらしく、うっすらと雪が積もりました。
子どもたちが、雪合戦や雪だるまを作って遊んでいました。
道路脇の植え込みに積もった雪です。
空中の雪です。
平成30年1月27日(土)に撮影しました。
調べたこと
- 1 principle
- 2 法則(ほうそく)
- 3 創造(そうぞう)
- 4 無能(むのう)
- 5 階層社会学(hierarchiology)
- 本書26ページに、解説があります。調べましたが、よくわかりませんでした。
- 6 貴賤(きせん)
- 7 傑作(けっさく)
- 8 飛球(ひきゅう)
- 9 けちょんけちょん
- 10 無精(ぶしょう)
- 不精(ぶしょう)。
- 11 鉛丹(えんたん)
- 12 観念(観念)
- 13 のさばる
- 14 筒抜け(つつぬけ)
- 15 弓鋸(ゆみのこ)
- 16 竣工(しゅんこう)
- 竣功(しゅんこう)。
- 17 伸し歩く(のしあるく)
- 18 のらりくらり
- 19 幕間(まくあい、まくま)
- 20 跳ねる(はねる)
- 本書では、芝居が終わること。
- 21 原罪(げんざい)
- 22 攪乱(かくらん)
- 23 百害(しゃくがい)あって一利(いちり)無(な)し
- 24 ユートピア(utopia)
- 25 革命(かくめい)
- 26 命拾い(いのちびろい)
- 27 唖然(あぜん)
- 啞然(あぜん)。
- 28 マイノリティ(minority)
- マイノリティー。
- 29 化けの皮(ばけのかわ)
- 30 破綻(はたん)
- 31 目の当たり(まのあたり)
- 32 完遂(かんすい)
- 33 仮名(かめい)
- 参考:仮名(かな)。
- 34 呆然(ぼうぜん)
- 35 及第(きゅうだい)
- 36 牛耳る(ぎゅうじる)
- 37 一切合切(いっさいがっさい)
- 一切合財(いっさいがっさい)。
- 38 死屍累累(ししるいるい)
- 39 編纂(へんさん)
- 40 冠石(かんむりいし)
- 笠石(かさいし)。インターネットで調べました。
- 41 礎石(そせき)
- 42 ぴしゃり
- 43 越権(えっけん)
- 44 瑣末(さまつ)
- 些末(さまつ)。
- 45 厄介払い(やっかいばらい)
- 46 詰め寄る(つめよる)
- 47 骨惜しみ(ほねおしみ)
- 48 教区(きょうく)
- 49 親の七光り(おやのななひかり)
- 50 後釜(あとがま)
- 51 鞍替え(くらがえ)
- 52 誤謬(ごびゅう)
- 53 堕とす(おとす)
- 54 正真正銘(しょうしんしょうめい)
- 55 良き指導者たるもの、良き服従者たれ
- 調べましたが、わかりませんでした。
- 56 てんでんばらばら
- 57 戯れ言(ざれごと)
- 58 靴の修理屋よ、今の仕事をしっかりやれ
- 調べましたが、わかりませんでした。
- 59 料理人が多いとスープをだめにする
- Too many cooks spoil the broth.でしょうか。調べましたが、わかりませんでした。
- 60 女の仕事に終わりはない
- 調べましたが、わかりませんでした。
- 61 抗う(あらがう)
- 62 性向(せいこう)
- 63 箴言(しんげん)
- 64 引け(ひけ)
- 65 引けを取る(ひけをとる)
- 66 先んずる(さきんずる)
- 67 お払い箱(おはらいばこ)
- 68 窮余の一策(きゅうよのいっさく)
- 本書では 「窮余の策」。
- 69 元の木阿弥(もとのもくあみ)
- 本書では 「旧の木阿弥」。
- 70 直向き(ひたむき)
- 71 上背(うわぜい)
- 72 ぐうたら
- 73 プロファイル(profile)
- 74 身(み)を粉(こ)にする
- 75 逼迫(ひっぱく)
- 76 二進(にっち)も三進(さっち)も
- 77 造詣(ぞうけい)
- 78 真摯(しんし)
- 79 pathology
- 病理学。
- 80 蛮勇(ばんゆう)
- 81 リサーチ(research)
- 82 根(こん)を詰(つ)める
- 83 げんなり
- 84 雲行き(くもゆき)
- 85 indices
- indexの複数形。
- 86 忙殺(ぼうさつ)
- 87 偏執(へんしゅう、へんしつ)
- 88 狂気(きょうき)
- 89 ぼやく
- 90 殉教(じゅんきょう)
- 91 難癖(なんくせ)
- 92 バリエーション(variation)
- 93 箱物(はこもの)
- 94 エディフィス・コンプレックス(edifice complex)
- 本書では「箱物依存症」。インターネットで調べました。
- 95 うんざり
- 96 招聘(しょうへい)
- 97 チック(tic)
- 98 奇癖(きへき)
- 99 上の空(うわのそら)
- 100 教化(きょうか)
- 参考:教化(きょうけ、きょうげ)。
- 101 長足(ちょうそく)
- 102 烏滸がましい(おこがましい)
- 103 昇進指数
- PQ:Promotion Quotient。
- 104 石橋(いしばし)を叩(たた)いて渡(わた)る
- 105 急(いそ)がば回(まわ)れ
- 106 座右の銘(ざゆうのめい)
- 107 強者(きょうしゃ)
- 108 じり貧(じりひん)
- 109 安穏(あんのん)
- 110 まったり
- 111 徹頭徹尾(てっとうてつび)
- 112 incompetence
- 無能。
- 113 尻込み(しりごみ)
- 後込み(しりごみ)。
- 114 大目玉(おおめだま)
- 115 金言(きんげん)
- 116 風采(ふうさい)
- 117 ペーパーバック(paperback)
- 118 しつこい
- 119 カムフラージュ(camouflage)
- カモフラージュ。
- 120 extension
- 拡張。本書では「応用」。
- 121 半神半人
- 「はんしんはんじん」と読むのでしょうか。調べましたが、わかりませんでした。
- 122 剣歯虎(けんしこ)
- サーベル・タイガー(saber-toothed tiger)。本書では「剣歯トラ」。インターネットで画像を確認しました。
- 123 翼竜(よくりゅう)
- インターネットで画像を確認しました。
- 124 利口(りこう)
- 125 見境(みさかい)
- 126 エスカレート(escalate)
- 127 支離滅裂(しりめつれつ)
- 128 成れの果て(なれのはて)
- 129 閑静(かんせい)
- 130 牧歌的(ぼっかてき)
- 131 がらくた
- 132 ぽんこつ
- 133 俗物(ぞくぶつ)
- 134 緩和(かんわ)
- 135 信奉(しんぽう)
- 136 杞憂(きゆう)
- 137 蔓延(まんえん)
- 138 復刻(ふっこく)
- 覆刻(ふっこく)、複刻(ふっこく)。
- 139 滅相もない(めっそうもない)
以下余白