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読んでやる! 読んだもの
№135 『働き方』

 稲盛和夫氏の著作物の3冊目です。本書は、『生き方』『考え方』と同じことを主張しています。その主張にブレはないようです。

『働き方』

副題など
 カバーには「なぜ働くのか」 「いかに働くのか」 「人生で『価値あるもの』を手に入れる法」 「『最高の働き方』をしてみよう」などとありました。
著者など
著者 : 稲盛 和夫(いなもり かずお)氏著
出版社など
株式会社三笠書房 さん
版刷など
 2009年4月第1刷。読んだものは、2017年6月第50刷。
ボリューム
 189ページ

感じたこと

 学校の授業で、議論の学習をしたことがありました。2グループに分けて、どちらに優位性があり、正当なのかを主張し合うのです。
 議題はあらかじめ決められていました。何について議論したのか覚えていませんが、1つは賛成派、別のグループは反対派です。
 グループ分けは、賛成の人は賛成派に、反対の人は反対派に入ります。迷っている人は、適当に振り分けられました。
 あらかじめ準備された資料を基に、同じ派のグループで話し合います。それから、派の理論の正しさ、相手からの想定問答などを準備します。それから、議論が始まります。学校の授業ですから、準備と議論の時間は、わずかしかありませんでした。最後に、先生の講評だったように思います。
 さて、議論です。どちらも、理論的に正しいことを資料で説明します。確かに、提示された資料を見る限り、その説明は納得できます。そして、相手の理論を崩すとき、実際には理論どおりにはいかないことをお互いが主張します。議論は平行線のまま、時間切れとなりました。
 先生の講評は、内容についての解答はなく、議論の仕方のみでした。結論の出ない議題が準備されていたようでした。

 会議で議論を重ね、一見すると筋が通っていて、現実にも即していると感じるプランが出ることがあります。しかし、実際にやり始めると、うまくいかないことがあります。立て直そうとしますが、まったく、原因がわかりません。結局、元に戻すことになります。
 人が何かをしようとするとき、外ばかりの事象に目を向けてしまいがちなようです。たとえば、客の好み、外部から求められるサービスなどです。これらが決して間違っているとは言えません。むしろ、しっかりと状況を把握していると思われるのです。
 ところが、組織の人たちのことを考慮していないことがあります。嫌だが決まったことなのでと、従う人も出てきます。何らかの感情もあれば、家庭の事情などもあるでしょう。
 実行できる能力も必要ですが、計画をやりたいと思えるかどうかはもっと大切に感じます。

 発言を抑えたり、言いくるめたり、強圧的な議論は、いい結果を残さないように感じます。なぜなら、組織内で働く人のやる気の程度がわからないからです。「自分(たち)が、したいことなのか、したくないことなのか」により、議論の結果(計画など)の遂行の進捗(しんちょく)や質が変わる気がします。
 議題だけを議論するのではなく、そこに参加する人の感情を読み取ることも大切に感じます。
 孫子の「彼(かれ)を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」を思い浮かべます。

 理屈より感情で、人は働いているようです。

この書物を選んだ理由

 外国の著作者の書籍に、たびたび、稲盛和夫氏著のものが紹介されていました。世界中で読まれている内容とは何か、が気になりました。著者の書籍を読むことにしました。
 このたびは、3冊目です。

私の読み方

 著者の主張する内容は、『生き方』『考え方』とほぼ同じでした。
 『考え方』のときに書いたことと同じですが、『ビジョナリー カンパニー』ジム・コリンズ氏&ジェリー・ポラス氏共著を思い出しました。

 形式です。文字の大きさ、行間、行の長さ、余白は適当で、読みやすかったです。
 各章の各節?の見出しが、太い文字になっていました。何について語ろうとしているのか意識でき、読みやすかったように思います。ただ、本文の文字に比べて大きく、精神論のイメージを持ちました。

 著者紹介と版刷などが本書にではなく、カバーの折り込み部分に掲載がありました。図書館で借りるとカバーのない本があるので、本の中に掲載して欲しいと思いました。

読書所要時間など

総所要時間(読み始めから編集終了まで)
13日19時間23分
読み始め
2017(平成29)年12月13日(水)21時52分~
読み終わり
2017(平成29)年12月19日(火)~21時06分
一通り読んだ時間
5日23時間14分
編集終了
2017(平成29)年12月27日(水)~17時15分
読んだ範囲
 カバー、帯、本書。ただし、書籍広告などは見ていません。

取り上げられた書物など

  • 『ネクスト・センチュリー』 D・ハルバースタム氏著
  • 『「原因」と「結果」の法則』 ジェームズ・アレン氏著

出来事

 12月11日(月) 新幹線・のぞみの台車に亀裂。異変後も走行。
 12月16日(土) 数学ABC予想、解決か。朝日新聞さん。

調べたこと

1 暗然(あんぜん)
 黯然(あんぜん)。
2 暗澹(あんたん)
3 陶冶(とうや)
4 歯牙(しが)にもかけない
5 俊才(しゅんさい)
 駿才(しゅんさい)。
6 壮絶(そうぜつ)
7 弱冠(じゃっかん)
 参考:若干(じゃっかん)。
8 斑(むら)
 本書では「むらっ気」。
9 漁る(あさる)
10 紀要(きよう)
11 バックナンバー(back number)
12 首っ引き(くびっぴき)
13 不承不承(ふしょうぶしょう)
 不請不請(ふしょうぶしょう)。
14 可惜(あたら)
15 青い鳥(あおいとり)
16 生来(せいらい、しょうらい)
17 長丁場(ながちょうば)
 長町場(ながちょうば)。
18 絆される(ほだされる)
19 襤褸切れ(ぼろきれ)
20 ニヒル(nihil:ラテン語)
21 言い出し屁(いいだしっぺ)
22 目算(もくさん)
23 一瀉千里(いっしゃせんり)
24 パースピレーション(perspiration)
 努力を積み重ねること。本書では「地道な努力」。
25 進捗(しんちょく)
26 反故(ほご)
 反古(ほご)。
27 連綿(れんめん)
28 迂遠(うえん)
29 妬む(ねたむ)
30 言い値(いいね)
31 苦心惨憺(くしんさんたん)
32 粋(すい)
 参考:粋(いき)。
33 後塵(こうじん)
 参考:後塵を拝する。
34 無邪気(むじゃき)
35 無残(むざん)
 無慚(むざん)、無惨(むざん)、無慙(むざん)。

以下余白

更新記録など

2017年12月27日(水) : アップロード