『働き方』
- 副題など
- カバーには「なぜ働くのか」 「いかに働くのか」 「人生で『価値あるもの』を手に入れる法」 「『最高の働き方』をしてみよう」などとありました。
- 著者など
- 著者 : 稲盛 和夫(いなもり かずお)氏著
- 出版社など
- 株式会社三笠書房 さん
- 版刷など
- 2009年4月第1刷。読んだものは、2017年6月第50刷。
- ボリューム
- 189ページ
感じたこと
学校の授業で、議論の学習をしたことがありました。2グループに分けて、どちらに優位性があり、正当なのかを主張し合うのです。
議題はあらかじめ決められていました。何について議論したのか覚えていませんが、1つは賛成派、別のグループは反対派です。
グループ分けは、賛成の人は賛成派に、反対の人は反対派に入ります。迷っている人は、適当に振り分けられました。
あらかじめ準備された資料を基に、同じ派のグループで話し合います。それから、派の理論の正しさ、相手からの想定問答などを準備します。それから、議論が始まります。学校の授業ですから、準備と議論の時間は、わずかしかありませんでした。最後に、先生の講評だったように思います。
さて、議論です。どちらも、理論的に正しいことを資料で説明します。確かに、提示された資料を見る限り、その説明は納得できます。そして、相手の理論を崩すとき、実際には理論どおりにはいかないことをお互いが主張します。議論は平行線のまま、時間切れとなりました。
先生の講評は、内容についての解答はなく、議論の仕方のみでした。結論の出ない議題が準備されていたようでした。
会議で議論を重ね、一見すると筋が通っていて、現実にも即していると感じるプランが出ることがあります。しかし、実際にやり始めると、うまくいかないことがあります。立て直そうとしますが、まったく、原因がわかりません。結局、元に戻すことになります。
人が何かをしようとするとき、外ばかりの事象に目を向けてしまいがちなようです。たとえば、客の好み、外部から求められるサービスなどです。これらが決して間違っているとは言えません。むしろ、しっかりと状況を把握していると思われるのです。
ところが、組織の人たちのことを考慮していないことがあります。嫌だが決まったことなのでと、従う人も出てきます。何らかの感情もあれば、家庭の事情などもあるでしょう。
実行できる能力も必要ですが、計画をやりたいと思えるかどうかはもっと大切に感じます。
発言を抑えたり、言いくるめたり、強圧的な議論は、いい結果を残さないように感じます。なぜなら、組織内で働く人のやる気の程度がわからないからです。「自分(たち)が、したいことなのか、したくないことなのか」により、議論の結果(計画など)の遂行の進捗(しんちょく)や質が変わる気がします。
議題だけを議論するのではなく、そこに参加する人の感情を読み取ることも大切に感じます。
孫子の「彼(かれ)を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」を思い浮かべます。
理屈より感情で、人は働いているようです。
この書物を選んだ理由
外国の著作者の書籍に、たびたび、稲盛和夫氏著のものが紹介されていました。世界中で読まれている内容とは何か、が気になりました。著者の書籍を読むことにしました。
このたびは、3冊目です。
私の読み方
著者の主張する内容は、『生き方』『考え方』とほぼ同じでした。
『考え方』のときに書いたことと同じですが、『ビジョナリー カンパニー』ジム・コリンズ氏&ジェリー・ポラス氏共著を思い出しました。
形式です。文字の大きさ、行間、行の長さ、余白は適当で、読みやすかったです。
各章の各節?の見出しが、太い文字になっていました。何について語ろうとしているのか意識でき、読みやすかったように思います。ただ、本文の文字に比べて大きく、精神論のイメージを持ちました。
著者紹介と版刷などが本書にではなく、カバーの折り込み部分に掲載がありました。図書館で借りるとカバーのない本があるので、本の中に掲載して欲しいと思いました。
読書所要時間など
- 総所要時間(読み始めから編集終了まで)
- 13日19時間23分
- 読み始め
- 2017(平成29)年12月13日(水)21時52分~
- 読み終わり
- 2017(平成29)年12月19日(火)~21時06分
- 一通り読んだ時間
- 5日23時間14分
- 編集終了
- 2017(平成29)年12月27日(水)~17時15分
- 読んだ範囲
- カバー、帯、本書。ただし、書籍広告などは見ていません。
取り上げられた書物など
- 『ネクスト・センチュリー』 D・ハルバースタム氏著
- 『「原因」と「結果」の法則』 ジェームズ・アレン氏著
出来事
12月11日(月) 新幹線・のぞみの台車に亀裂。異変後も走行。
12月16日(土) 数学ABC予想、解決か。朝日新聞さん。
調べたこと
- 1 暗然(あんぜん)
- 黯然(あんぜん)。
- 2 暗澹(あんたん)
- 3 陶冶(とうや)
- 4 歯牙(しが)にもかけない
- 5 俊才(しゅんさい)
- 駿才(しゅんさい)。
- 6 壮絶(そうぜつ)
- 7 弱冠(じゃっかん)
- 参考:若干(じゃっかん)。
- 8 斑(むら)
- 本書では「むらっ気」。
- 9 漁る(あさる)
- 10 紀要(きよう)
- 11 バックナンバー(back number)
- 12 首っ引き(くびっぴき)
- 13 不承不承(ふしょうぶしょう)
- 不請不請(ふしょうぶしょう)。
- 14 可惜(あたら)
- 15 青い鳥(あおいとり)
- 16 生来(せいらい、しょうらい)
- 17 長丁場(ながちょうば)
- 長町場(ながちょうば)。
- 18 絆される(ほだされる)
- 19 襤褸切れ(ぼろきれ)
- 20 ニヒル(nihil:ラテン語)
- 21 言い出し屁(いいだしっぺ)
- 22 目算(もくさん)
- 23 一瀉千里(いっしゃせんり)
- 24 パースピレーション(perspiration)
- 努力を積み重ねること。本書では「地道な努力」。
- 25 進捗(しんちょく)
- 26 反故(ほご)
- 反古(ほご)。
- 27 連綿(れんめん)
- 28 迂遠(うえん)
- 29 妬む(ねたむ)
- 30 言い値(いいね)
- 31 苦心惨憺(くしんさんたん)
- 32 粋(すい)
- 参考:粋(いき)。
- 33 後塵(こうじん)
- 参考:後塵を拝する。
- 34 無邪気(むじゃき)
- 35 無残(むざん)
- 無慚(むざん)、無惨(むざん)、無慙(むざん)。
以下余白