『生き方』
- 副題など
- 「人間として一番大切なこと」
- 帯には「混迷の時代に打ち込む、『生き方』という1本の杭。」
- 著者など
- 著者 : 稲盛 和夫(いなもり かずお)氏著
- 出版社など
- 株式会社 サンマーク出版 さん
- 版刷など
- 2004年8月初版。読んだものは、2017年9月第120刷。
- ボリューム
- 246ページ
感じたこと
20~30歳の時に読んでいたら、舞い上がっていたかも知れません。本書に書いてあることを実践しようとしたでしょう。懸命に努力をしていれば、報われると思うからです。
ところが、叶(かな)うかどうかは、求めるものによって変わってきます。社長になりたいと努力しても、すべての社員がなれるわけではありません。資質を持っていたとしても、会社を取り巻く環境で、社長になれないかもしれません。
同じように、組織のある業務をしたいと思っても、配属されるとは限りません。望まないセクションで評価され、長期間、配属されるかもしれません。
本人は適性があると思っても、他人からは逆に見えるかもしれません。そして、それが正しいかどうかはわかりません。神のみぞ知る、ということでしょうか。
私たちがどうして存在するのかも、やはり神仏にしかわからないのかもしれません。そして、命は、神仏からの贈りものなのかもしれません。
そう考えると、1つの命を粗末にしてはいけないと感じます。心身を酷使するのは罪深く思えます。命の健康を保つこと。心身を酷使するのを避け、働いたら疲れを取ることでしょうか。
これは本人だけでなく、周囲の人たちも配慮することだと感じます。
本書は著者の成功哲学について書かれています。本書を読めば誰もが偉大な成功者となるような気がします。しかし、著者はハッキリ「足るを知る」と述べています。自分の「分(身のほど)をわきまえる」ということでしょうか。
これは、努力しても必ず望どおりになるとは限らないとも、聞こえます。どんな結果をも受け入れることのようにも思えます。
こう考えると、メンタルヘルスの研修を思い出します。心身不調者へ「ガンバレ」は禁句だそうです。心身不調者は「これ以上どうガンバレばよいのか」と思い悩むそうです。仕事をしたい、健康を取り戻したいと志向している本人に、追い打ちをかけることになるそうです。
では、どんな言葉ならいいのでしょうか。かける言葉が見当たりません。
仕事や、病気の治療にしても、頑張らなければ、成果は出ません。疲弊すれば、ガンバルこともできません。たとえ、好きなことでも、限度を超えれば、疲れがとれなくなります。
誰でも言えることは、「頑張ったら休む」「働いたら疲れをとる」などと考え実践することでしょうか。
ただただ、努力し、頑張ったら疲れをとる、の繰り返しのようです。報われることもあるかもしれません。
この書物を選んだ理由
外国の著作者の書籍に、たびたび、稲盛和夫氏著のものが紹介されていました。世界中で読まれている内容とは何か、が気になりました。本書を読むことにしました。
私の読み方
『生きていくあなたへ』日野原重明氏著に内容が同じところがあったように思います。本書が参考文献の1つとして掲載されていました。
神も仏も同じ真理に行き着こうとしているようです。
三毒(さんどく)、六波羅蜜(ろくはらみつ)は、勉強になりました。
本書によると、三毒とは「怒り」「欲望」「愚痴」です。なるほどと思うことがありました。自分が、こうしたい、ああなりたい、と欲を持つと、人や置かれた環境に不満を感じやすくなります。他人に、期待や正しい行いを求める場合も同じです。これらは、自分の思いどおりにしたいという欲望が、そうさせているのではと思いました。
六波羅蜜では、「布施(ふせ)」の考え方をあらためました。今までは、物品を差し出すことだけが布施だと考えていました。本書には、自己犠牲を払って尽くすことが本来のこと、とありました。物だけでなく、心も尽くすことでした。心豊かな人が、未熟で心が貧しい者へ、思いやりなどの心遣いを施すことが、布施だったのですね。
もう一つ、勉強になったのは、少しの成果でも喜ぶということです。今までできなかったことができるようになったら、素直に喜ぶほうがいいのです。
なぜかというと、それが実績であり現実だからです。それをしっかりと自分にわからせるために、喜ぶのが一番だと思いました。
ただ、他人に話すと嫌がられて和を乱すこともあるので、自らの密かな喜びに止(とど)めておいた方がよさそうです。
『死ぬほど読書』丹羽宇一郎氏著と『生きていくあなたへ』日野原重明氏著は「笑い」を取り上げていましたが、本書にはありませんでした。六波羅蜜の禅定(ぜんじょう)が、その役割を果たしているのでしょうか。
本書は、読みやすかったです。しかしながら、読むたびに何か引っ掛かることがあり、読み返したり、調べたりしました。思い出したり、考えたりすることが多くありました。
読書所要時間など
- 総所要時間(読み始めから編集終了まで)
- 14日0時間50分
- 読み始め
- 2017(平成29)年10月24日(火)午前9時52分~
- 読み終わり
- 2017(平成29)年11月1日(水)~午前0時59分
- 一通り読んだ時間
- 7日15時間7分
- 編集終了
- 2017(平成29)年11月7日(火)~午前10時42分
- 読んだ範囲
- カバー、帯、本書。ただし、奥付は軽く目を通しました。
取り上げられた書物など
- 『生命の実相』 谷口雅春氏著
- 『呻吟語(しんぎんご)』 呂新吾(ろしんご)氏著
- 中国の古典・『陰隲録(いんしつろく)』
- 中国明代『菜根譚』
※ 人物の紹介が多くありました。
※ 本書に掲載はありませんが、『やり抜く力-人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース氏著、『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』アンドリュー・S・クローブ氏著を思い出しました。
ひととき
よい天気だったので、いつもとは違う公園に出かけました。
イチョウの葉が青空にきれいに映えていました。平地でも紅葉が見られるようになってきました。
台風の影響なのか、葉が少ないように感じました。木によっては、枯れているのか、紅葉しているのか、わからないものがありました。
平成29年11月5日(日)撮影。
調べたこと
- 1 不祥事(ふしょうじ)
- 2 忌憚(きたん)
- 3 惑う(まどう)
- 4 性(さが)
- 5 衒い(てらい)
- 6 営為(えいい)
- 7 求道(きゅうどう、ぐどう)
- 8 才子(さいし)才(さい)に倒(たお)れる
- 9 心魂(しんこん)
- 神魂(しんこん)。
- 10 陶冶(とうや)
- 11 プリミティブ(primitive)
- 12 皆目(かいもく)
- 13 タブー(taboo)
- 14 精進(しょうじん)
- 15 精魂(せいこん)
- 16 一介(いっかい)
- 17 殿中(でんちゅう)
- 18 神色(しんしょく)
- 19 名人(めいじん)
- 20 道程(どうてい)
- 21 高邁(こうまい)
- 22 縁故(えんこ)
- 23 血肉(けつにく)
- 24 思念(しねん)
- 25 汎用(はんよう)
- 26 門外漢(もんがいかん)
- 27 碍子(がいし)
- 28 顕彰(けんしょう)
- 29 元凶(げんきょう)
- 元兇(げんきょう)。
- 30 放縦(ほうじゅう、ほうしょう)
- 31 所産(しょさん)
- 32 にべもない
- 33 憧憬(しょうけい、どうけい)
- 34 畏敬(いけい)
- 35 神懸かり(かみがかり)
- 神憑り(かみがかり)。
- 36 成就(じょうじゅ)
- 37 克明(こくめい)
- 38 冷水(ひやみず)を浴(あ)びせる
- 39 開口一番(かいこういちばん)
- 40 掌中(しょうちゅう)
- 41 細心(さいしん)
- 42 裏打ち(うらうち)
- 43 希代(きたい、きだい)
- 稀代(きたい、きだい)。
- 44 蹉跌(さてつ)
- 45 方途(ほうと)
- 46 縋る(すがる)
- 47 衆生(しゅじょう)
- 48 凡人(ぼんじん)
- 49 紆余曲折(うよきょくせつ)
- 50 立命(りつめい)
- 51 烙印(らくいん)を押(お)される
- 52 常套手段(じょうとうしゅだん)
- 53 後込み(しりごみ)
- 尻込み(しりごみ)。
- 54 大言壮語(たいげんそうご)
- 55 短兵急に(たんぺいきゅうに)
- 56 一瀉千里(いっしゃせんり)
- 57 千里(せんり)の道(みち)も一歩(いっぽ)から
- 参考:千里(せんり)の行(こう)も足下(そっか)に始(はじ)まる。
- 58 汲汲(きゅうきゅう)
- 59 才子(さいし)
- 60 習い性(ならいしょう)
- 61 舟を漕ぐ(ふねをこぐ)
- 船を漕ぐ(ふねをこぐ)。
- 62 寝息(ねいき)
- 63 奏功(そうこう)
- 64 具に(つぶさに)
- 悉に(つぶさに)、備に(つぶさに)。
- 65 有意注意
- インターネットでも調べましたが、わかりませんでした。
- 66 コンパ
- コンパニー(company)。
- 67 結実(けつじつ)
- 68 透徹(とうてつ)
- 69 至極(しごく)
- 70 灯火(とうか、ともしび)
- 71 血道(ちみち)を上(あ)げる
- 72 浮利(ふり)
- インターネットで調べました。
- 73 分水嶺(ぶんすいれい)
- 74 言(い)うは易(やす)く行(おこな)うは難(かた)し
- 75 実業(じつぎょう)
- 76 真髄(しんずい)
- 神髄(しんずい)。
- 77 毒突く(どくづく)
- 78 ぐうの音(ね)も出(で)ない
- 79 没頭(ぼっとう)
- 80 余念(よねん)が無(な)い
- 81 無為(むい)
- 82 徒然(とぜん)
- 83 慈雨(じう)
- 84 蔑ろ(ないがしろ)
- 85 惚(ほ)れて通(かよ)えば千里(せんり)も一里(いちり)
- 86 一心不乱(いっしんふらん)
- 87 雲泥の差(うんでいのさ)
- 88 克己心(こっきしん)
- 89 安逸(あんいつ)
- 安佚(あんいつ)。
- 90 侃侃諤諤(かんかんがくがく)
- 参考:喧喧囂囂(けんけんごうごう)、喧喧諤諤(けんけんがくがく)。
- 91 口角(こうかく)泡(あわ)を飛(と)ばす
- 92 瑣末(さまつ)
- 些末(さまつ)。
- 93 的確(てきかく、てっかく)
- 適確(てきかく)。
- 94 卓見(たっけん)
- 95 ファクター(factor)
- 96 忽せ(ゆるがせ)
- 97 こんがらがる
- 98 ボーダーレス(borderless)
- 99 満更(まんざら)
- 100 足(あし)を棒(ぼう)にする
- 101 額(ひたい)に汗(あせ)する
- 102 徒労(とろう)
- 103 辛酸(しんさん)
- 104 リーズナブル(reasonable)
- 本書では「正当である」。
- 105 エキサイティング(exciting)
- 106 教条(きょうじょう)
- 107 阿る(おもねる)
- 108 ロジカル(logical)
- 109 美徳(びとく)
- 110 謙虚(けんきょ)
- 111 淡然(たんぜん)
- 112 慢心(まんしん)
- 113 血税(けつぜい)
- 114 メンタリティ(mentality)
- メンタリティー。
- 115 敬愛(けいあい)
- 116 余人(よじん、よにん)
- 117 復古(ふっこ)
- 118 峻別(しゅんべつ)
- 119 ノーブレス・オブリージ(noblesse oblige:フランス語)
- 本書では「ノーブレス・オブリージュ」。
- 120 忸怩(じくじ)
- 121 一閃(いっせん)
- 122 積善(せきぜん)の家(いえ)には必(かなら)ず余慶(よけい)あり
- 123 血肉(けつにく)
- 124 読経(どきょう)
- 125 涵養(かんよう)
- 126 禍福(かふく)は糾(あざな)える縄(なわ)の如(ごと)し
- 127 スタンバイ(stand by)
- 128 喜心(きしん)
- 禅に関連した言葉のようです。インターネットで調べました。
- 129 実相(じっそう)
- 130 甘露(かんろ)
- 131 摩滅(まめつ)
- 磨滅(まめつ)。
- 132 年年歳歳(ねんねんさいさい)
- 133 返す刀(かえすかたな)
- 返し刀(かえしがたな)。
- 134 財界(ざいかい)
- 135 命(いのち)からがら
- 136 行商(ぎょうしょう)
- 137 剣(つるぎ)
- 138 天網恢恢(てんもうかいかい)疎(そ)にして漏(も)らさず
- 139 労働は苦い根と甘い果実をもっている
- 調べましたが、出典などがわかりませんでした。インターネットでも調べました。
- 140 三毒(さんどく)
- 貪欲(:むさぼり)、瞋恚(しんい:いかり)、愚癡(ぐち:愚かさ、無知)。貪瞋癡(とんじんち)。本書では「怒り、欲望、愚痴」。
- 141 六波羅蜜(ろくはらみつ、ろっぱらみつ)
- 六度。本書に解説があります。
- 142 喜捨(きしゃ)
- 143 波瀾万丈(はらんばんじょう)
- 144 忙しない(せわしない)
- 145 唯物(ゆいぶつ)
- 146 聖職(せいしょく)
- 147 遠因(えんいん)
- 148 知悉(ちしつ)
- 149 利他(りた)
- 150 托鉢(たくはつ)
- 151 得度(とくど)
- 152 紺木綿(こんもめん)
- インターネットで調べました。
- 153 素足(すあし)
- 154 戸口(とぐち)
- 155 草臥れる(くたびれる)
- 156 頭陀袋(ずだぶくろ)
- 157 驕り(おごり)
- 158 徳行(とっこう)
- 159 大それた(だいそれた)
- 160 老師(ろうし)
- 161 底流(ていりゅう)
- 162 美言(びげん)
- 163 巧言(こうげん)
- 164 企図(きと)
- 165 毛頭(もうとう)
- 166 敬虔(けいけん)
- 167 勃興(ぼっこう)
- 168 絵(え)に描(か)いた餅(もち)
- 169 ドン・キホーテ
- 170 埒(らち)が明(あ)く
- 171 損(そん)して得(とく)取(と)れ
- 172 負(ま)けて勝(か)つ
- 173 天祐(てんゆう)
- 天佑(てんゆう)。
- 174 公器(こうき)
- 175 立国(りっこく)
- 176 率先垂範(そっせんすいはん)
- 177 連綿(れんめん)
- 178 座主(ざす)
- 179 確信犯(かくしんはん)
- 180 ドラスティック(drastic)
- 181 GDP(gloss domestic product)
- 国内総生産。
- 182 アイデンティティ(identity)
- アイデンティティー。
- 183 喫緊(きっきん)
- 184 枯渇(こかつ)
- 涸渇(こかつ)。
- 185 奢侈(しゃし)
- 186 飽食(ほうしょく)
- 187 足(た)ることを知(し)る
- 本書では「足るを知る」。
- 188 摂理(せつり)
- 189 足(た)るを知(し)る者(もの)は富(と)む
- 本書では「足るを知る者は富めり」。参考:「足るを知れば辱められず」。
- 190 老成(ろうせい)
- 191 ダイナミズム(dynamism)
- 192 白昼夢(はくちゅうむ)
- 193 無念無想(むねんむそう)
- 194 悟達(ごたつ)
- インターネットで調べました。
- 195 卑小(ひしょう)
- 196 新進(しんしん)
- 197 善を為すもその益を見ざるは、草裡の東瓜のごとし
- 調べましたが、見つけられませんでした。
- 198 理路整然(りろせいぜん)
- 199 遍在(へんざい)
- 参考:偏在(へんざい)。
- 200 本然(ほんぜん、ほんねん)
- 201 鮮烈(せんれつ)
- 202 無名(むめい)
- 本書では「無名の野」。「むいめいのや」と読むのでしょうか。
- 203 導師(どうし)
- 204 端くれ(はしくれ)
- 205 破戒(はかい)
- 206 ユーモラス(humorous)
- 207 黎明(れいめい)
以下余白