Webサイト

読んでやる! 読んだもの
№131 『生き方』

 成功するための考え方について書いてあります。若くから経営者の道を歩んでいますが、底流には仏教的思考があると主張しています。そして、人生の後半に著者は仏門に入っています。

『生き方』

副題など
 「人間として一番大切なこと」
 帯には「混迷の時代に打ち込む、『生き方』という1本の杭。」
著者など
著者 : 稲盛 和夫(いなもり かずお)氏著
出版社など
株式会社 サンマーク出版 さん
版刷など
 2004年8月初版。読んだものは、2017年9月第120刷。
ボリューム
 246ページ

感じたこと

 20~30歳の時に読んでいたら、舞い上がっていたかも知れません。本書に書いてあることを実践しようとしたでしょう。懸命に努力をしていれば、報われると思うからです。

 ところが、叶(かな)うかどうかは、求めるものによって変わってきます。社長になりたいと努力しても、すべての社員がなれるわけではありません。資質を持っていたとしても、会社を取り巻く環境で、社長になれないかもしれません。
 同じように、組織のある業務をしたいと思っても、配属されるとは限りません。望まないセクションで評価され、長期間、配属されるかもしれません。
 本人は適性があると思っても、他人からは逆に見えるかもしれません。そして、それが正しいかどうかはわかりません。神のみぞ知る、ということでしょうか。

 私たちがどうして存在するのかも、やはり神仏にしかわからないのかもしれません。そして、命は、神仏からの贈りものなのかもしれません。
 そう考えると、1つの命を粗末にしてはいけないと感じます。心身を酷使するのは罪深く思えます。命の健康を保つこと。心身を酷使するのを避け、働いたら疲れを取ることでしょうか。
 これは本人だけでなく、周囲の人たちも配慮することだと感じます。

 本書は著者の成功哲学について書かれています。本書を読めば誰もが偉大な成功者となるような気がします。しかし、著者はハッキリ「足るを知る」と述べています。自分の「分(身のほど)をわきまえる」ということでしょうか。
 これは、努力しても必ず望どおりになるとは限らないとも、聞こえます。どんな結果をも受け入れることのようにも思えます。

 こう考えると、メンタルヘルスの研修を思い出します。心身不調者へ「ガンバレ」は禁句だそうです。心身不調者は「これ以上どうガンバレばよいのか」と思い悩むそうです。仕事をしたい、健康を取り戻したいと志向している本人に、追い打ちをかけることになるそうです。
 では、どんな言葉ならいいのでしょうか。かける言葉が見当たりません。
 仕事や、病気の治療にしても、頑張らなければ、成果は出ません。疲弊すれば、ガンバルこともできません。たとえ、好きなことでも、限度を超えれば、疲れがとれなくなります。
 誰でも言えることは、「頑張ったら休む」「働いたら疲れをとる」などと考え実践することでしょうか。

 ただただ、努力し、頑張ったら疲れをとる、の繰り返しのようです。報われることもあるかもしれません。

この書物を選んだ理由

 外国の著作者の書籍に、たびたび、稲盛和夫氏著のものが紹介されていました。世界中で読まれている内容とは何か、が気になりました。本書を読むことにしました。

私の読み方

 『生きていくあなたへ』日野原重明氏著に内容が同じところがあったように思います。本書が参考文献の1つとして掲載されていました。
 神も仏も同じ真理に行き着こうとしているようです。

 三毒(さんどく)、六波羅蜜(ろくはらみつ)は、勉強になりました。
 本書によると、三毒とは「怒り」「欲望」「愚痴」です。なるほどと思うことがありました。自分が、こうしたい、ああなりたい、と欲を持つと、人や置かれた環境に不満を感じやすくなります。他人に、期待や正しい行いを求める場合も同じです。これらは、自分の思いどおりにしたいという欲望が、そうさせているのではと思いました。
 六波羅蜜では、「布施(ふせ)」の考え方をあらためました。今までは、物品を差し出すことだけが布施だと考えていました。本書には、自己犠牲を払って尽くすことが本来のこと、とありました。物だけでなく、心も尽くすことでした。心豊かな人が、未熟で心が貧しい者へ、思いやりなどの心遣いを施すことが、布施だったのですね。

 もう一つ、勉強になったのは、少しの成果でも喜ぶということです。今までできなかったことができるようになったら、素直に喜ぶほうがいいのです。
 なぜかというと、それが実績であり現実だからです。それをしっかりと自分にわからせるために、喜ぶのが一番だと思いました。
 ただ、他人に話すと嫌がられて和を乱すこともあるので、自らの密かな喜びに止(とど)めておいた方がよさそうです。

 『死ぬほど読書』丹羽宇一郎氏著と『生きていくあなたへ』日野原重明氏著は「笑い」を取り上げていましたが、本書にはありませんでした。六波羅蜜の禅定(ぜんじょう)が、その役割を果たしているのでしょうか。

 本書は、読みやすかったです。しかしながら、読むたびに何か引っ掛かることがあり、読み返したり、調べたりしました。思い出したり、考えたりすることが多くありました。

読書所要時間など

総所要時間(読み始めから編集終了まで)
14日0時間50分
読み始め
2017(平成29)年10月24日(火)午前9時52分~
読み終わり
2017(平成29)年11月1日(水)~午前0時59分
一通り読んだ時間
7日15時間7分
編集終了
2017(平成29)年11月7日(火)~午前10時42分
読んだ範囲
 カバー、帯、本書。ただし、奥付は軽く目を通しました。

取り上げられた書物など

  • 『生命の実相』 谷口雅春氏著
  • 『呻吟語(しんぎんご)』 呂新吾(ろしんご)氏著
  • 中国の古典・『陰隲録(いんしつろく)』
  • 中国明代『菜根譚』

 ※ 人物の紹介が多くありました。

 ※ 本書に掲載はありませんが、『やり抜く力-人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース氏著、『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』アンドリュー・S・クローブ氏著を思い出しました。

ひととき

 よい天気だったので、いつもとは違う公園に出かけました。
 イチョウの葉が青空にきれいに映えていました。平地でも紅葉が見られるようになってきました。
 台風の影響なのか、葉が少ないように感じました。木によっては、枯れているのか、紅葉しているのか、わからないものがありました。

イチョウ
 平成29年11月5日(日)撮影。

調べたこと

1 不祥事(ふしょうじ)
2 忌憚(きたん)
3 惑う(まどう)
4 性(さが)
5 衒い(てらい)
6 営為(えいい)
7 求道(きゅうどう、ぐどう)
8 才子(さいし)才(さい)に倒(たお)れる
9 心魂(しんこん)
 神魂(しんこん)。
10 陶冶(とうや)
11 プリミティブ(primitive)
12 皆目(かいもく)
13 タブー(taboo)
14 精進(しょうじん)
15 精魂(せいこん)
16 一介(いっかい)
17 殿中(でんちゅう)
18 神色(しんしょく)
19 名人(めいじん)
20 道程(どうてい)
21 高邁(こうまい)
22 縁故(えんこ)
23 血肉(けつにく)
24 思念(しねん)
25 汎用(はんよう)
26 門外漢(もんがいかん)
27 碍子(がいし)
28 顕彰(けんしょう)
29 元凶(げんきょう)
 元兇(げんきょう)。
30 放縦(ほうじゅう、ほうしょう)
31 所産(しょさん)
32 にべもない
33 憧憬(しょうけい、どうけい)
34 畏敬(いけい)
35 神懸かり(かみがかり)
 神憑り(かみがかり)。
36 成就(じょうじゅ)
37 克明(こくめい)
38 冷水(ひやみず)を浴(あ)びせる
39 開口一番(かいこういちばん)
40 掌中(しょうちゅう)
41 細心(さいしん)
42 裏打ち(うらうち)
43 希代(きたい、きだい)
 稀代(きたい、きだい)。
44 蹉跌(さてつ)
45 方途(ほうと)
46 縋る(すがる)
47 衆生(しゅじょう)
48 凡人(ぼんじん)
49 紆余曲折(うよきょくせつ)
50 立命(りつめい)
51 烙印(らくいん)を押(お)される
52 常套手段(じょうとうしゅだん)
53 後込み(しりごみ)
 尻込み(しりごみ)。
54 大言壮語(たいげんそうご)
55 短兵急に(たんぺいきゅうに)
56 一瀉千里(いっしゃせんり)
57 千里(せんり)の道(みち)も一歩(いっぽ)から
 参考:千里(せんり)の行(こう)も足下(そっか)に始(はじ)まる。
58 汲汲(きゅうきゅう)
59 才子(さいし)
60 習い性(ならいしょう)
61 舟を漕ぐ(ふねをこぐ)
 船を漕ぐ(ふねをこぐ)。
62 寝息(ねいき)
63 奏功(そうこう)
64 具に(つぶさに)
 悉に(つぶさに)、備に(つぶさに)。
65 有意注意
 インターネットでも調べましたが、わかりませんでした。
66 コンパ
 コンパニー(company)。
67 結実(けつじつ)
68 透徹(とうてつ)
69 至極(しごく)
70 灯火(とうか、ともしび)
71 血道(ちみち)を上(あ)げる
72 浮利(ふり)
 インターネットで調べました。
73 分水嶺(ぶんすいれい)
74 言(い)うは易(やす)く行(おこな)うは難(かた)し
75 実業(じつぎょう)
76 真髄(しんずい)
 神髄(しんずい)。
77 毒突く(どくづく)
78 ぐうの音(ね)も出(で)ない
79 没頭(ぼっとう)
80 余念(よねん)が無(な)い
81 無為(むい)
82 徒然(とぜん)
83 慈雨(じう)
84 蔑ろ(ないがしろ)
85 惚(ほ)れて通(かよ)えば千里(せんり)も一里(いちり)
86 一心不乱(いっしんふらん)
87 雲泥の差(うんでいのさ)
88 克己心(こっきしん)
89 安逸(あんいつ)
 安佚(あんいつ)。
90 侃侃諤諤(かんかんがくがく)
 参考:喧喧囂囂(けんけんごうごう)、喧喧諤諤(けんけんがくがく)。
91 口角(こうかく)泡(あわ)を飛(と)ばす
92 瑣末(さまつ)
 些末(さまつ)。
93 的確(てきかく、てっかく)
 適確(てきかく)。
94 卓見(たっけん)
95 ファクター(factor)
96 忽せ(ゆるがせ)
97 こんがらがる
98 ボーダーレス(borderless)
99 満更(まんざら)
100 足(あし)を棒(ぼう)にする
101 額(ひたい)に汗(あせ)する
102 徒労(とろう)
103 辛酸(しんさん)
104 リーズナブル(reasonable)
 本書では「正当である」。
105 エキサイティング(exciting)
106 教条(きょうじょう)
107 阿る(おもねる)
108 ロジカル(logical)
109 美徳(びとく)
110 謙虚(けんきょ)
111 淡然(たんぜん)
112 慢心(まんしん)
113 血税(けつぜい)
114 メンタリティ(mentality)
 メンタリティー。
115 敬愛(けいあい)
116 余人(よじん、よにん)
117 復古(ふっこ)
118 峻別(しゅんべつ)
119 ノーブレス・オブリージ(noblesse oblige:フランス語)
 本書では「ノーブレス・オブリージュ」。
120 忸怩(じくじ)
121 一閃(いっせん)
122 積善(せきぜん)の家(いえ)には必(かなら)ず余慶(よけい)あり
123 血肉(けつにく)
124 読経(どきょう)
125 涵養(かんよう)
126 禍福(かふく)は糾(あざな)える縄(なわ)の如(ごと)し
127 スタンバイ(stand by)
128 喜心(きしん)
 禅に関連した言葉のようです。インターネットで調べました。
129 実相(じっそう)
130 甘露(かんろ)
131 摩滅(まめつ)
 磨滅(まめつ)。
132 年年歳歳(ねんねんさいさい)
133 返す刀(かえすかたな)
 返し刀(かえしがたな)。
134 財界(ざいかい)
135 命(いのち)からがら
136 行商(ぎょうしょう)
137 剣(つるぎ)
138 天網恢恢(てんもうかいかい)疎(そ)にして漏(も)らさず
139 労働は苦い根と甘い果実をもっている
 調べましたが、出典などがわかりませんでした。インターネットでも調べました。
140 三毒(さんどく)
 貪欲(:むさぼり)、瞋恚(しんい:いかり)、愚癡(ぐち:愚かさ、無知)。貪瞋癡(とんじんち)。本書では「怒り、欲望、愚痴」。
141 六波羅蜜(ろくはらみつ、ろっぱらみつ)
 六度。本書に解説があります。
142 喜捨(きしゃ)
143 波瀾万丈(はらんばんじょう)
144 忙しない(せわしない)
145 唯物(ゆいぶつ)
146 聖職(せいしょく)
147 遠因(えんいん)
148 知悉(ちしつ)
149 利他(りた)
150 托鉢(たくはつ)
151 得度(とくど)
152 紺木綿(こんもめん)
 インターネットで調べました。
153 素足(すあし)
154 戸口(とぐち)
155 草臥れる(くたびれる)
156 頭陀袋(ずだぶくろ)
157 驕り(おごり)
158 徳行(とっこう)
159 大それた(だいそれた)
160 老師(ろうし)
161 底流(ていりゅう)
162 美言(びげん)
163 巧言(こうげん)
164 企図(きと)
165 毛頭(もうとう)
166 敬虔(けいけん)
167 勃興(ぼっこう)
168 絵(え)に描(か)いた餅(もち)
169 ドン・キホーテ
170 埒(らち)が明(あ)く
171 損(そん)して得(とく)取(と)れ
172 負(ま)けて勝(か)つ
173 天祐(てんゆう)
 天佑(てんゆう)。
174 公器(こうき)
175 立国(りっこく)
176 率先垂範(そっせんすいはん)
177 連綿(れんめん)
178 座主(ざす)
179 確信犯(かくしんはん)
180 ドラスティック(drastic)
181 GDP(gloss domestic product)
 国内総生産。
182 アイデンティティ(identity)
 アイデンティティー。
183 喫緊(きっきん)
184 枯渇(こかつ)
 涸渇(こかつ)。
185 奢侈(しゃし)
186 飽食(ほうしょく)
187 足(た)ることを知(し)る
 本書では「足るを知る」。
188 摂理(せつり)
189 足(た)るを知(し)る者(もの)は富(と)む
 本書では「足るを知る者は富めり」。参考:「足るを知れば辱められず」。
190 老成(ろうせい)
191 ダイナミズム(dynamism)
192 白昼夢(はくちゅうむ)
193 無念無想(むねんむそう)
194 悟達(ごたつ)
 インターネットで調べました。
195 卑小(ひしょう)
196 新進(しんしん)
197 善を為すもその益を見ざるは、草裡の東瓜のごとし
 調べましたが、見つけられませんでした。
198 理路整然(りろせいぜん)
199 遍在(へんざい)
 参考:偏在(へんざい)。
200 本然(ほんぜん、ほんねん)
201 鮮烈(せんれつ)
202 無名(むめい)
 本書では「無名の野」。「むいめいのや」と読むのでしょうか。
203 導師(どうし)
204 端くれ(はしくれ)
205 破戒(はかい)
206 ユーモラス(humorous)
207 黎明(れいめい)

以下余白

更新記録など

2017年11月9日(木) : アップロード