『正しく理想的な姿勢を取り戻す 姿勢の教科書』
- 副題など
- 帯には「理想の姿勢のアライメント、姿勢調整に関わる骨格・筋の働き、不良姿勢の原因と修正方法がやさしくわかる!」とありました。
- 著者など
- 竹井 仁(たけい ひとし)氏著
- 出版社など
- 株式会社ナツメ社 さん
- 版刷など
- 2015年12月初版。読んだものは、2017年1月第10刷。
- ボリューム
- 223ページ。219ページ以降は、さくいん、著者紹介です。
感じたこと
小学校の授業であったフナの解剖を思い出しました。
理科室にはフナが用意されていました。フナは既に死んでおり、扱いやすくなっていました。メスを使って肉を切り取ったのち、内臓の位置を確認しました。次に、内臓を取り出し、金属製のお皿の上に並べていきました。内臓の形と名称を確認していました。
この解剖を、私は生理的に受け付けませんでした。フナの解剖が終わるのを、遠くから目を背けてじっと待っていました。内臓が並べられた後、テーブルに戻ったのですが、正視できませんでした。当然、その学期の成績は悲惨なものでした。
クラスで、このような状態だったのは私一人だけでした。どうして、自分だけなのか、不思議でした。
親が夕食に買ってきた魚の内臓を取るのを見ても、何とも思わないし、直視できるのです。その場で、母から内臓の名前を教えられても何ともないのです。
その時、思った原因はいくつかありました。包丁ではなくメスを使ったこと。食べるためでなく学習のためであること。台所ではなく、教室というキチンとした場所だったこと。等々です。わざわざ堅苦しい雰囲気で、内臓の1つ1つを切り取って並べるのは、見るに堪えませんでした。あまりにも、むごいと思いました。
今から思えば、これは人間の解剖をほうふつさせるのです。形こそ違え、内臓の役割は似たり寄ったりで、名称も同じものがあります。もしフナが人間だったら、何人の生徒がまともに解剖できたでしょうか。やはり、私だけだったのでしょうか。
今でもこの傾向が私にはあります。慣れることがありません。
弊サイトのテーマは、どうしたら本を読めるようになるかです。弊サイトの「読んだもの」の中には、脳や健康に関係するものがありました。脳や、骨、神経、筋肉など人間の構造の確認を避けて通れません。
知人から借りた人体の構造と機能について書かれた医学書を見ることがあります。その本には、人体のパーツの写真が載っています。模型なのか実物なのかわかりませんが、私はそれをじっと見ていられません。略図なら少しは見られますが。そして、精細なスケッチになるにつれ、見られなくなっていきます。
風邪などで医療機関に行くと、人体図が貼ってあることがあります。それを見ると、やはり、心が穏やかではありません。どうしても、その図が見えない場所を選んでしまいます。
健康について知人の話を聞いていると、身体の名称がいくつか出てきます。しかしながら、大体の場所はわかっているつもりなのですが、正確な場所と形、役割を私は覚えていません。ですから、自分の身体を触ってみても、どれがどれなのかわかりません。気の進まないことは、どうも覚えられないようです。
医学書を借りた知人に、写真を見て気持ち悪くないのか、と聞いたことがあります。知人は「どんなふうになっているのかワクワクする」とサラリと言ってのけました。さすがに、返す言葉がありませんでした。
人体の図を見るたびに、適性って大事だなと、苦い思い出とともに、かみ締めました。
この書物を選んだ理由
昨年9月から腰痛に悩まされています。腰痛は姿勢が悪いとなりやすいとよく聞きます。もしかすると、姿勢を工夫することで、腰痛の予防だけでなく、スポーツや日常生活を効率的にできるかもしれません。
弊サイトの「読書の技術」の「支援技術」で「姿勢」を取り上げています。悪い姿勢は、例えば猫背など、何となくわかります。しかし、よい姿勢についてはあまり聞いたことがありません。個別の腰痛になりにくい姿勢は、結構、テレビや雑誌などで取り上げられています。
人間の骨や筋肉の関係から、標準や自然体、理想の姿勢とは何なのか、かなり前から興味がありました。このたびの腰痛から姿勢について、キチンとした情報を得たいと思いました。本屋で本書を見つけました。
私の読み方
わかりやすい本だと思いました。
「方向を表す解剖学用語」「関節の動きを表す用語」は、人間の図を使って、誤解の少ない解説だと思いました。身体にある、矢状面、前額面、水平面の3つの基本面は、わかりやすい面を使った図になっていました。
特に、医療関係の言葉のほとんどにフリガナがあったのは読みを助けてくれました。
ページ下部の「キーワード」は、内容の理解をしやすくしてくれたと思います。
学校の授業を除けば、人間の骨格や筋肉についての本を読むのは、私は初めてです。いわば、入門者の立場です。言葉の説明から姿勢、修正まで無理なく読めると思いました。
弊サイトでは、読んだもの№66で『ヘルシープログラマー』(ジョー・カトナー氏著、玉川竜司氏訳、株式会社 オライリー・ジャパンさん)を取り上げました。
『ヘルシープログラマー』は、プログラマーの職業病に対応した内容になっていました。本書『正しく理想的な姿勢を取り戻す 姿勢の教科書』を読んでいる時に、『ヘルシープログラマー』の相当するところを見返していました。翻訳本ということもあるのでしょうが、医療の基本的な知識の欠乏から理解できないところがあったのだと思い知りました。
読書の文字が本書にありました。これによる肩こりなどを改善するエクササイズが掲載されていました。簡単な動作なので、やってみようと思います。
形式です。
1ページがタテ2段の横書きです。文字数が少なく、1行が短いので、全体の文字を捕らえやすく感じました。文字は少し小さく感じましたが、行の長さ、行間は適当で、見やすくなっていました。医学書はこの排列が多いようです。読む立場から言えば、1行を視界に入るように見れば、文字を読みやすいということでしょうか。
図を多用、フリガナ、大切なところは太字と、見やすさとわかりやすさを工夫しています。巻末のさくいんは、何度も使いました。用語の意味や、骨や筋肉の位置を確認するのに役立ちました。
読んだ順番は、ページ順に読みました。
しかしながら、次の順番で読んでもよかったかなと今になって思います。最初に目次までと、おわりに、を最初に読みます。次に、「PART6座位姿勢の評価と修正エクササイズ」「PART7臥位姿勢の評価と不良臥位姿勢の修正」を読み、「PART1姿勢とは何か」からページ順に読みます。「PART5立位姿勢の評価と修正エクササイズ」は、最初の理想的な立位姿勢のところを読みます。これ以降は、個別姿勢を扱っているので、自分に必要なところを読めばいいのではと思いました。
本書は、わかりやすい豊富な図と、言葉にフリガナを付け、索引があります。どこから読んでも、わかるように工夫されていると感じました。
本書を読んでいる時、壁を背にして立ったり、床を背にして寝転んだりしました。具体的にどうしたらよいかがわかるので、書いてあることをやってみたくなります。
姿勢に興味はなくても、自分たちの身体がどのように動くのかを知ることは、生活を送る上で必要だと思いました。自然な身体の動きになれば、行動の質と量が変わると感じました。
実用的な本です。いつも、タイトルが見えるところに置くことにしました。
読書所要時間など
- 所要時間
- 19日16時間37分
- 読み始め
- 2017(平成29)年3月24日(金)午前5時15分~
- 読み終わり
- 2017(平成29)年4月12日(水)~21時52分
- 読んだ範囲
- カバー、帯、本書。ただし、さくいんは必要な時に使い、著者紹介と奥付は軽く眼を通しました。カバーの書籍広告は軽く眼を通しました。
出来事
4月10日(月)フィギュアスケート女子の浅田真央さんが、ブログで現役引退を表明。
ひととき
散歩をしていると、あまり見かけないタンポポ(蒲公英)を見つけました。調べてみると「シロバナタンポポ(白花蒲公英)」のようです。
平成29年4月12日(水)撮影。
公園の芝生にはタンポポがよく咲いています。花の合間に綿毛(わたげ)がありました。
平成29年4月12日(水)撮影。
調べたこと
- 1 正しい(ただしい)
- 2 理想的(りそうてき)
- 3 取り戻す(とりもどす)
- 4 姿勢(しせい)
- 5 教科書(きょうかしょ)
- 6 外乱(がいらん)
- 7 絞扼(こうやく)
- 圧迫すること。インターネットで調べました。
- 8 放散痛(ほうさんつう)
- 直接の場所ではなく、違う場所が痛くなること。インターネットで調べました。
以下余白