『日本の思想』
※岩波新書
- 副題など
- ありませんでした。
- 著者など
- 丸山 真男(まるやま まさお)氏著
- 出版社など
- 株式会社 岩波書店 さん
- 版刷など
- 1961年11月第1刷。読んだものは、2015年5月第101刷。
- ボリューム
- 213ページ
感じたこと
大学での人文科学の不要、とかいう新聞の見出しを思い出しました。
検索サイトで「人文科学 不要 文部科学省 通達」キーワードを入れてみると、文部科学省高等教育局『新時代を見据えた国立大学改革』がヒットしました。
この文書には、「たこつぼ化」「蛸壷化」という言葉が2つ出てきます。この2つの言葉を調べても、私のもっている辞書には掲載がありません。インターネットで調べると、それらしき解説があります。それでも、「タコツボ」を使わなくても、他にわかりやすい言葉や表現はあるだろうに、と思いました。
本書「Ⅲ 思想のあり方について」の章に、「ササラ型とタコツボ型」という項があります。この言葉を使って、近代日本の学問と文化などを説明しています。著者は、日本を「タコツボ型」と感じています。
どうやら、本書が「タコツボ」という言葉を使うようになった大本(おおもと)かもしれません。仮にこの推測が正しいとすると、「タコツボ」という言葉は、「ササラ型」とセットにして理解できる気がします。ササラ型とは、川を遡(さかのぼ)るようなもので、本流があり支流が自然にできている状態です。タコツボ型とは、ため池や水たまりのようなものです。水路をつくらないと本流や支流にはつながりません。
さて、大学とは何をするところなのでしょうか。世の中にある不可解なことを解明したり、何かを使って新しいことを創造したりなど、研究をするところだと私は思っていました。
文部科学省の文書を見ると、大学は、利益になることを研究したり、企業にとっての人材育成の場にしようとしているようです。文書には高等教育の言葉があります。おそらく、大学の教官は利益になる研究をし、学生は研究を通して学ぶということなのでしょうか。
人材育成面について、企業と大学などのアンケート結果を掲載してありました。
ここで気になったのが、専門分野の知識の習得にかかるものです。企業と大学ともに、習得に期待し力を注いでいるようです。これは、確実な仕事の遂行力、即戦力を求めてのことでしょう。しかし、社会は多様性と変化に満ちています。大学の研究で学んだことと、企業での業務内容が同じであるとは考えにくいのです。そこには、技術だけでなく、組織の風土の違いもあります。就職した学生が、その企業にピッタリと適合する可能性は低いと考えられます。また、早期の就職活動により、安定して学べないかもしれません。
アンケートは、決められた選択肢から回答するもののようです。この選択肢が核心なのでしょうか。もし、私が企業の担当者なら、「何かを気づき、情報と思考の発想的変化を駆使し、創造的結果を出す能力をつけさせること」というかもしれません。
文部科学省の通達の本質は何でしょうか。優秀な人材を欲しいという企業の要望に応える、ということでしょうか。しかしながら、大学の4年間で、企業の求める人材が育つとは思えません。多様性と変化の問題もあるからです。企業が欲しいのは、金を稼ぐ人材なのです。大学の本来の姿とは違う気がします。大学での、企業のための人材育成には限界があると思います。
では、何が問題なのでしょうか。企業が、自社の求める人材を育てられない、活用しきれていない、ことにあるようです。求める人材は、組織によって違います。自分の組織で育てないと、人材を確保できないのです。人材を確保、活用できない以上、自社の業務を社会の多様性と変化に適応させることはできません。特許や特殊なノウハウを持つ企業ほど、自社での人材育成や活用が必要なはずです。
もしかすると、企業は、人材の育て方や活用方法がわからないのかもしれません。研修をする会社に丸投げすれば、人材が育ち活用できると考えているのかもしれません。研修をする会社も様々ですから、求める人材が育つとは考えにくいのです。また、現場に配属すれば、自然に育つと考えているかもしれません。
企業は、優秀な人材を求め続けることにより、自らの人材育成の努力を怠ったのかもしれません。企業にこそ、人材育成と活用の技術の習得が必要なのです。
人材の育成と活用のポイントはいくつかあるようです。入社から配属先に慣れるまで、配属先での必要な技術を習得し成果を出すこと、などです。企業が注目しているのは、「成果」です。しかし、就職時の導入、配属先での技術の向上がなければ、「成果」は期待できません。しかも、ここには企業風土があり、画一の教育では対応できません。
大学とは、研究機関であり、自分の研究を進めるために、自らが変身していくものでしょう。研究にとって、その費用を賄(まかな)うのはたいへんなことです。誰もが関心を持ち利益を生む研究には、誰かが費用を出してくれることでしょう。しかし、人間の本質を探求する研究などは、地味でそれ自体が利益を生むことはありません。本質的な研究をするために、利益を生む別の研究や事業をすることになります。
多様性と変化、企業風土などに適応するには、本質的な学びをした方がいいようです。本質は、柔軟に多様性と変化の根本にあるからです。本質の研究を学んだ人材は、潜在能力が高いと言えそうです。
将来予測される困難を乗り越える手立てをするなら、新しい人材育成機関を作る方がいいように思います。既存の枠では大胆なことはできません。大学などから必要な人材を集めるなどして、国策に沿った機関を作ることができるからです。人材育成は組織の生命線とも言えますから、企業も出資や人材派遣を惜しまないはずです。
素質があると思われ、意欲のある人材をスカウトして、育成することもできるのです。
以上のことは、私個人の憶測でしかありません。人文科学が不要という考えが、本書のいう「タコツボ型」にピッタリだと感じました。図らずも、文部科学省の文書に、この言葉があるのに驚きました。
この一事で、日本の社会は「タコツボ型」だと思いました。おそらく、私の感じたことは、書籍『失敗の本質』の内容に近いものです。あと何年かすると、「本質研究の失われた○○年」と呼んでいるかもしれません。多くの費用と時間をつぎ込んでも、失ったものを取り戻すことはできないと思います。
この書物を選んだ理由
弊サイトで取り上げた書籍の中に、参考文献として本書『日本の思想』が、たびたび紹介されていました。それだけ本書が、何らかのものをもっているということです。いつかは、必ず読もうと思っていました。
私の読み方
「あとがき」には、本書の読み方に注意を促す内容がありました。本書は1章から4章まであるのですが、各章の読みの難易度についてです。
私が読んだ順番は、1章まえがき、1章おわりに、1章本文、1章おわりに、2章まえがき、2章おわりに、2章本文、2章おわりに、3章、4章、あとがき、の順番に読みました。いつもなら、最初に「あとがき」を読むのですが、1、2章の「おわりに」に気を取られて忘れていました。
1、2章は難解です。歴史と政治のある程度の知識が無いと、理解し、読み進められないと感じました。時間と労力を多く消費しました。3、4章は、1、2章と主張は同じように感じました。しかし、平易な言葉で書かれており、わかりやすく、読みやすかったです。
本書を読もうとされる方は、必ず本書の「あとがき」に目を通してから、読み始めることをお勧めします。3、4章を読んでから、1、2章を読んだ方が、理解がしやすいと思ったからです。そして、ページ順に読むと、再度1、2章を読むことになるかもしれないからです。「あとがき」と同じようなことを書いてしまいました。詳しくは本書の「あとがき」をご覧ください。
「感じたこと」で書きましたが、本書は現在も通じる内容です。日本の思想の本質を衝いています。私が生まれる前に出版されたにもかかわらず、色褪(いろあ)せていないからです。時代の流れに動じることがないように感じます。
本書は、ヨーロッパから取り入れた学術の時代です。現在の日本は、アメリカ合衆国の学術を精力的に取り入れています。思想から価値観へ感覚が移行し、成果だけを求める流れを感じます。
プラグマティズム(実用主義)はアメリカ合衆国で生まれました。この考えは、タコツボ型の日本にはどうも合っているようです。物事の本質や過程より、成果さえ出せればいいという考えになりやすいからです。いつか行き詰まったときに、自分たちが頼りにすべきものがないことに気づくかもしれません。本質について考え、本質を築くことです。後悔をする日が、来ないことを願うばかりです。
ぜひ、本書を読むことをお勧めします。日本とは何かを考えさせられます。
読書所要時間など
- 所要時間
- 11日23時間36分
- 読み始め
- 2016(平成28)年9月8日(木)14時42分~
- 読み終わり
- 2016(平成28)年9月20日(火)~14時18分
- 読んだ範囲
- カバー、本書。ただし、奥付は軽く目を通し、巻末の出版社のコメントとカバーの書籍広告は読んでいません。本書とは関係がありませんが、文部科学省高等教育局の「新時代を見据えた国立大学改革」を読みました。
取り上げられた書物など
- 『いきの構造』 九鬼周造氏著
- 『文明論之概略』 福沢諭吉氏著
- 『資本論』 マルクス氏著
その他、多くの書籍、文献の掲載がありました。
調べたこと
- 1 思想(しそう)
- 2 包括的(ほうかつてき)
- 3 インテレクチュアル(intellectual)
- 4 通観(つうかん)
- 5 インテリジェンス(intelligence)
- 6 Geistesgeschichte
- 思想史。ドイツ語。
- 7 ディルタイ
- Wilhelm Dilthey。ドイツの哲学者。人名。
- 8 貌(かたち、すがた)
- 9 彼我(ひが)
- 10 羮に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)
- 11 所以(ゆえん)
- 12 実も蓋もない(みもふたもない)
- 身も蓋もない(みもふたもない)。
- 13 度外視(どがいし)
- 14 思惟(しい)
- 参考:「思惟(しゆい)」。仏教語。
- 15 布く(しく)
- 16 論難(ろんなん)
- 17 ディアレクティーク(Dialektic)
- 弁証法。ドイツ語。
- 18 弁証法(べんしょうほう)
- 19 ステロタイプ
- ステレオタイプのこと。
- 20 基軸(きじく)
- 21 旗印(はたじるし)
- 旗標(はたじるし)。
- 22 対位法(たいいほう)
- 「コントラプンクト(Kontrapunkt)」 ドイツ語。
- 23 整序(せいじょ)
- 24 幽冥(ゆうめい)
- 25 止揚(しよう)
- 「アウフヘーベン(Aufheben)」 ドイツ語。
- 26 継起(けいき)
- 27 傍ら(かたわら)
- 28 徳富 蘇峰(とくとみ そほう)氏
- 人名。
- 29 高山 樗牛(たかやま ちょぎゅう)氏
- 人名。
- 30 横光 利一(よこみつ りいち)氏
- 人名。
- 31 回心(かいしん)
- 32 文天祥(ぶんてんしょう)
- 人名。
- 33 本然(ほんぜん、ほんねん)
- 34 プラグマティズム(pragmatism)
- 実用主義。
- 35 措定(そてい)
- 36 貪婪(どんらん)
- 37 存外(ぞんがい)
- 38 照応(しょうおう)
- 39 愛玩(あいがん)
- 40 目の敵にする(めのかたきにする)
- 41 イデオロギー(Ideologie)
- ドイツ語。
- 42 汎・・・(はん・・・)
- 43 牽強付会(けんきょうふかい)
- 牽強附会(けんきょうふかい)。
- 44 通用(つうよう)
- 45 俗流(ぞくりゅう)
- 46 高下(こうげ)
- 47 弄ぶ(もてあそぶ)
- 48 制馭(せいぎょ)
- 制御(せいぎょ)、制禦(せいぎょ)。
- 49 偶像崇拝(ぐうぞうすうはい)
- 本書では「偶像的崇拝」。
- 50 絢爛(けんらん)
- 51 ブルータル(brutal)
- 残忍な。
- 52 言辞(げんじ)
- 53 宛然(えんぜん)
- 54 所謂(いわゆる)
- 55 機軸(きじく)
- 56 劈頭(へきとう)
- 57 歟(か、や)
- 58 舎て(すて)
- 59 奈何(いかん)
- 60 元田 永孚(もとだ えいふ)氏
- 人名。
- 61 陰惨(いんさん)
- 62 ファシズム(fascism)
- 63 デモクラシー(democracy)
- 民主主義。
- 64 リベラリズム(liberalism)
- 自由主義。
- 65 竹矢来(たけやらい)
- 66 矢来(やらい)
- 67 訓導(くんどう)
- 68 不逞の徒(ふていのと)
- 「徒」は「生徒、弟子」のことのようです。参考:「不逞の輩(ふていのやから)」。
- 69 茫(ぼう)
- 70 御真影(ごしんえい)
- 71 サークル(circle)
- 72 誌す(しるす)
- 73 ツァーリズム(tsarism)
- 74 伏在(ふくざい)
- 75 八紘為宇(はっこういう)
- 八紘一宇(はっこういちう)。漢和辞典でも調べました。
- 76 卜する(ぼくする)
- 77 相即(そうそく)
- 78 家産官僚制(かさんかんりょうせい)
- インターネットで調べました。
- 79 冥冥(めいめい、みょうみょう)
- 80 爰に(ここに)
- 是に(ここに)、茲に(ここに)、此に(ここに)。
- 81 スコラ的(すこらてき)
- 82 コギト
- コギトエルゴスム(cogito,ergo,sum)のことでしょうか。ラテン語。「われ思う、ゆえに我あり」のこと。
- 83 恩寵(おんちょう)
- 84 光被(こうひ)
- 85 ロゴス(logos)
- ギリシア語。
- 86 発条(はつじょう)
- ばね。
- 87 逞しい(たくましい)
- 88 物神(ぶっしん)
- 89 超越神(ちょうえつしん)
- インターネットで調べました。掲載数が少なく、よくわかりませんでした。
- 90 外つ国(とつくに)
- 91 無人(むじん)
- 本書では「無人の野を行くように・・・」の箇所。遮(さえぎ)る人はいなかった、という感じでしょうか。
- 92 析出(せきしゅつ)
- 93 入会(いりあい)
- 入相(いりあい)。
- 94 水利(すいり)
- 95 防遏(ぼうあつ)
- 96 背馳(はいち)
- 97 淳風(じゅんぷう)
- 醇風(じゅんぷう)。
- 98 美俗(びぞく)
- 99 衡平(こうへい)
- 100 通奏低音(つうそうていおん)
- 101 慷慨(こうがい)
- 102 慨く(なげく)
- 103 ローファー(loafer)
- 浮浪者。インターネット、英和辞典で調べました。
- 104 階梯(かいてい)
- 105 遁走(とんそう)
- 106 極(きょく)
- 107 囲繞(いじょう、いにょう)
- 108 ドラスティック(drastic)
- 109 呼び醒ます(よびさます)
- 呼び覚ます(よびさます)。
- 110 コンミュニスト(communist)
- コミュニスト。共産主義者。
- 111 なまじ
- なまじい。
- 112 亢進(こうしん)
- 昂進(こうしん)、高進(こうしん)。
- 113 ミネルバ(Minerva)
- ミネルヴァ。ローマ神話の女神。
- 114 ミネルヴァの梟(みねるう゛ぁのふくろう)
- 知恵の象徴。
- 115 デモーニッシュ(dämonisch)
- ドイツ語。悪魔のような。
- 116 予定調和(よていちょうわ)
- 117 訓詁(くんこ)
- 118 モメント(moment)
- モーメント。
- 119 埋積
- 投げ捨てた考えが積もりに積もることでしょうか。調べましたが、わかりませんでした。
- 120 桎梏(しっこく)
- 121 顛落(てんらく)
- 転落(てんらく)。
- 122 端無くも(はしなくも)
- 123 露呈(ろてい)
- 124 懶惰(らんだ)
- 嬾惰(らんだ)。
- 125 惑溺(わくでき)
- 126 具する(ぐする)
- 127 辛辣(しんらつ)
- 128 乃至(ないし)
- 129 形而上学(けいじじょうがく)
- 130 シンポジアム(symposium)
- シンポジウム。
- 131 クライマックス(climax)
- 132 変奏曲(へんそうきょく)
- variation。
- 133 交叉(こうさ)
- 交差(こうさ)。
- 134 頗る(すこぶる)
- 135 併し(しかし)
- 然し(しかし)。
- 136 唯美主義(ゆいびしゅぎ)
- 耽美主義(たんびしゅぎ)。
- 137 コンミュニズム
- コミュニズム(communism)。
- 138 就中(なかんずく)
- 139 対峙(たいじ)
- 140 喧しい(かまびすしい)
- 囂しい(かまびすしい)。
- 141 手強い(てごわい)
- 本書では「手剛い」。
- 142 敵手(てきしゅ)
- 143 若くは無し(しくはなし)
- 如く(しく)、及く(しく)。
- 144 了う(しまう)
- 仕舞う(しまう)、終う(しまう)。
- 145 処が(ところが)
- 所が(ところが)。
- 146 窺う(うかがう)
- 147 繞る(めぐる)
- 148 ロマンティーク(romantique)
- フランス語。ロマンチック。
- 149 中日和(なかびより)
- 150 ナップ(NAPF)
- プロレタリア芸術の団体。
- 151 コップ(KOPF)
- 152 トータリズム
- 本書に解説があります。
- 153 琴瑟相和す(きんしつあいわす)
- 154 怪訝(かいが)
- 155 イコール(equal)
- 本書では「イクオール」。
- 156 エモーション(emotion)
- 157 エモーショナル(emotional)
- 158 パラドックス(paradox)
- 159 恣(ほしいまま)
- 160 跳梁(ちょうりょう)
- 161 アパシー(apathy)
- 162 嫉視(しっし)
- 163 プディング(pudding)
- プリン。
- 164 アナルコ・サンディカリスム(anarch-syndicalisme)
- 165 オプティミズム(optimism)
- 166 プラグマティック(pragmatic)
- 実用主義のように。
- 167 御都合主義(ごつごうしゅぎ)
- 168 擾乱(じょうらん)
- 169 モデレート(moderate)
- 節度のある。適度な。穏健な。
- 170 プロレタリア文学(ぷろれたりあぶんがく)
- 171 凡て(すべて)
- 総て(すべて)、全て(すべて)。
- 172 アパラート(apparat)
- 組織のことでしょうか。ドイツ語。インターネットなどで調べました。
- 173 纏める(まとめる)
- 174 パトス(pathos)
- ギリシア語。
- 175 エラン(elan)
- 飛躍。フランス語。
- 176 モチベーション(motivation)
- 177 オーソリティ(authority)
- オーソリティー。
- 178 怨敵(おんてき)
- 179 ゲゼルシャフト(Gesellschaft)
- ドイツ語。
- 180 ダイナミックス(dynamics)
- ダイナミクス。「原動力」のことでしょうか。
- 181 ミュトス(mythos)
- 伝説のことでしょうか。ギリシア語。
- 182 方途(ほうと)
- 183 ヴェクトル(Vektor)
- ベクトル。
- 184 退潮(たいちょう)
- 185 ドグマ(dogma)
- 186 誇称(こしょう)
- 187 割れ(われ)
- 本書では「割れ口」。
- 188 旗幟(きし)
- 189 焚書(ふんしょ)
- 190 扼殺(やくさつ)
- 191 深甚(しんじん)
- 192 真向かい(まむかい)
- 参考:「真っ向(まっこう)」。
- 193 アカデミズム(academism)
- 194 モチーヴ
- モチーフのことでしょうか。それとも、motive。
- 195 ピックアップ(pickup)
- 196 風靡(ふうび)
- 197 イマージュ(image)
- フランス語。英語は「イメージ(image)」。
- 198 サンボル(symbole)
- フランス語。英語は「シンボル(symbol)」。
- 199 イマジネーション(imagination)
- 200 機制(きせい)
- 201 意匠(いしょう)
- 202 奔る(はしる)
- 本書では「奔り出た」。
- 203 自己実現(じこじつげん)
- 本書の括弧書きは「発展」。
- 204 ランケ
- ドイツの歴史学者、Leopold von Rankeのことでしょうか。
- 205 手管(てくだ)
- 206 イデー(Idee)
- ドイツ語。英語では「アイディア(idea)」か。
- 207 エゴティスム(Egotismus)
- 自己中心壁。ドイツ語。
- 208 コミュニケーション(communication)
- 本書では括弧書きで「通貨形態性」とありました。通貨形態性の意味がわかりませんでした。
- 209 買い被る(かいかぶる)
- 210 たじろぐ
- 211 ユートピア(utopia)
- 212 ラジカリズム(radicalism)
- 急進主義。
- 213 プリンシプル(principle)
- 原理、原則。
- 214 イリュージョン(illusion)
- 215 厖大(ぼうだい)
- 216 リアリティ(reality)
- 217 具える(そなえる)
- 備える(そなえる)。
- 218 ササラ型とタコツボ型
- 弊サイトで取り上げてきた書籍に、「タコツボ」という言葉が使われていたものがあります。この言葉の意味について、辞書、インターネットで調べましたが、よくわかりませんでした。『日本の思想』には、ササラ型とタコツボ型を対比して解説があります。よくわかる解説です。おそらく、他の書籍は、本書に書かれている言葉を使って、記述していると思われます。
- 「タコツボ型」は「ササラ型」と対にして、認識しておく言葉だと思います。1冊の本の言葉が、辞書にも載っていない言葉が、私たちの表現に当たり前のように使われるとは驚きです。時代を動かす、物事の中心にある書籍を読んでおくにこしたことはないと思いました。
- 219 スペシャリゼーション(specialization)
- 特殊化、専門化。
- 220 分水嶺(ぶんすいれい)
- 221 捨象(しゃしょう)
- 222 プロパー(proper)
- 辞書には、「固有の」と「薬品販売員」の意味があります。もう一つ、親会社と子会社の関係で、子会社での採用者を親会社の人が「プロパー」と呼ぶことがあります。「◎◎さんは、子会社○○のプロパー」という言い方をします。
- 223 和魂洋才(わこんようさい)
- 224 カルチュア(culture)
- カルチャー。
- 225 アカデミック(academic)
- 226 グルント(Grund)
- 基礎。ドイツ語。
- 227 ・・・畑(・・・はたけ、・・・はた)
- 228 疏隔(そかく)
- 疎隔(そかく)。漢和辞典で調べました。
- 229 度し難い(どしがたい)
- 230 ダイメンジョン(dimension)
- ダイメンション。ディメンション。次元(じげん)。
- 231 クラブ(club)
- 232 サロン(salon)
- フランス語。
- 233 割拠(かっきょ)
- 234 ユニバーシティ(university)
- ユニバーシティー。
- 235 楽壇(がくだん)
- 音楽界。
- 236 壇(だん)
- 237 エスプリ(esprit)
- 精神。フランス語。
- 238 コール
- フランス語の「corpus」のことでしょうか。
- 239 沈澱(ちんでん)
- 沈殿(ちんでん)。
- 240 take for granted
- 当たり前と思う。
- 241 ナショナル・インタレスト(national interest)
- 国益。
- 242 マイノリティ(minority)
- 少数派。対義語は「マジョリティ(majority) 多数派」。
- 243 曲学阿世(きょくがくあせい)
- 244 罵倒(ばとう)
- 245 リベラリスト(liberalist)
- 自由主義者。参考:「ラジカリスト(radicalist) 急進主義者、過激論者」。ラジカル(radical)は、「急進」の他に「根本」という意味があることに注意する。
- 246 胡坐をかく(あぐらをかく)
- 247 パースペクチヴ(perspective)
- 展望。見通し。
- 248 牛耳る(ぎゅうじる)
- 249 小突く(こづく)
- 250 憤懣(ふんまん)
- 忿懣(ふんまん)。
- 251 差し当たって(さしあたって)
- 差し当たり(さしあたり)。
- 252 滲透(しんとう)
- 浸透(しんとう)。
- 253 絶海(ぜっかい)
- 254 孤島(ことう)
- 255 マテリアル(material)
- 物質的。
- 256 タクティック(tactics)
- タクティックスのことでしょうか。戦術、かけひき。ここでは、「表面的なことより、根にあることを」という意味で使っているようです。
- 257 鳥瞰(ちょうかん)
- 258 モンタージュ(montage)
- フランス語。
- 259 安閑(あんかん)
- 260 十重二十重(とえはたえ)
- 261 天降る(あまくだる)
- 天下る(あまくだる)。
- 262 ネコババ(猫糞)
- 猫糞はいけませんねぇ~。漢字がそのまんまで驚きました。
- 263 空疎(くうそ)
- 264 アームチェア(armchair)
- 265 荷厄介(にやっかい)
- 266 内奥(ないおう)
- 267 概念実在論(がいねんじつざいろん)
- 268 唯名論(ゆいめいろん)
- 対義語は「実在論(じつざいろん)」。
- 269 出生(しゅっしょう、しゅっせい)
- 270 家柄(いえがら)
- 271 年寄(としより)
- 272 イェーリング(Rudolf von Jhering)
- 人名。ドイツの法学者。
- 273 名主(なぬし、みょうしゅ、めいしゅ)
- 読み方で意味が変わるので注意する。
- 274 擡頭(たいとう)
- 台頭(たいとう)。
- 275 流石(さすが)
- 「流石」は当て字。
- 276 行住坐臥(ぎょうじゅうざが)
- 277 執拗(しつよう)
- 278 居座る(いすわる)
- 279 読本(とくほん)
- 280 スターリニズム(Stalinism)
- スターリン主義。
- 281 攪乱(かくらん)
- 282 深浅(しんせん)
- 283 還元論(かんげんろん)
- 還元主義(かんげんしゅぎ)のことでしょうか。インターネットで調べました。
- 284 倒錯(とうさく)
- 285 分限(ぶんげん)
- 286 焉
- 「いずくんぞ」「なんぞ」「なにをか」でしょうか?調べましたが、わかりませんでした。
- 287 セメント(cement)
- 288 ・・・化(・・・か)
- 289 帰一(きいつ)
- 290 弥縫(びほう)
- 291 閑暇(かんか)
- 292 勤人(つとめにん)
- 293 寡作(かさく)
- 294 ラディカル(radical)
- ラジカル。本書括弧書きは「根底的」。
- 295 茫漠(ぼうばく)
- 296 僭越(せんえつ)
- 297 編輯(へんしゅう)
- 編集(へんしゅう)。
- 298 微視的(びしてき)
- 対義語は「巨視的(きょしてき)」。
- 299 途方に暮れる(とほうにくれる)
- 300 機縁(きえん)
- 301 ミスリーディング(misleading)
- 紛(まぎ)らわしい。誤解を招く。
- 302 病理(びょうり)
- 303 暴露(ばくろ)
- 曝露(ばくろ)。
- 304 現象論(げんしょうろん)
- 305 陸 羯南(くが かつなん)氏
- 人名。
- 306 継受(けいじゅ)
- 307 企図(きと)
- 308 試図(しと)
- 309 活潑(かっぱつ)
- 活発(かっぱつ)。
- 310 端折る(はしょる)
- 311 身贔屓(みびいき)
- 312 執する(しゅうする)
- 313 啞然(あぜん)
- 314 校了(こうりょう)
- 315 國體(こくたい)
- 国体(こくたい)の旧字体。
以下余白