『日本人のしきたり』
※ 「日本人」を「にほんじん」と、ふりがながありました。
- 副題など
- カバー・帯には「正月行事、豆まき、大安吉日、厄年・・・に込められた知恵と心」「四季を重んじ、人生の節目を大切にする・・・ いまに残しておきたい伝統の原点をさぐる」「日本のこころ 再発見!」とありました。
- 著者など
- 飯倉 晴武(いいくら はるたけ)氏編著
- 出版社など
- 株式会社 青春出版社 さん
- 版刷など
- 2003年1月第1刷。読んだものは、2007年3月第24刷。
- ボリューム
- 200ページ
感じたこと
しきたりは要注意です。
本書の中に「お年玉」がありました。年少者には「お年玉」で、目上の人は「お年賀」です。言葉を知っていても、本書を読むまで、目上目下の区別を意識していませんでした。
お年玉といえば、精々社会人になるまでの人が対象なので、目上の方に差し上げることはありません。お年玉は、お小遣いという感覚です。お年賀というと、格式張って、本格的な贈答をするというイメージがあります。
私が最も記憶に残っているのが、「寸志(すんし)」です。
アルバイトでもらった人生最初の給料の一部を、「寸志」と書いた封筒に入れて親に渡したことがあります。お金を入れる封筒を作る際、言葉の意味を辞書で調べていたのですが、使い方までは書いていませんでした。親に渡した瞬間、指摘を受けたのはいうまでもありません。親にとってはわずかのお金です。感謝を伝えようとしたのに、不愉快にしたのでは、何をしているのかわかりません。しない方がマシだったかもしれません。
これを知ったとき、親でよかったと思いました。社会人になって、歓送迎会や納涼会などで、「○○長からご厚志をいただいております」という言葉を聞くたびに、懐かしく思い出します。目上の人からもらった「寸志」を人に話すときは、「ご厚志(こうし)」「お志(こころざし)」「ご芳志(ほうし)」を使います。
組織の親睦会の幹事になったとき、言葉には気をつけていました。それでも至らず、叱責(しっせき)をいただいた苦い思い出が多々あります。
ではあの時なんと書けばよかったのでしょうか。「金一封」「お礼」「感謝」でしょうか。どうも目下から目上に、金品を渡すことは元々失礼なことなのかもしれません。
今でも人付き合いは難しいと感じます。
年上か年下か、上司か部下か、同じ年齢地位であれば経験年数、先輩後輩など、相対的な立場で判断しているようです。マナーを心得たとしても、形式張ると場の雰囲気を消沈させてしまいます。組織や職場の雰囲気や習わしもあるで、長く在籍する人に聞くのが無難かな、と思っています。
今では、インターネットで言葉を検索すると丁寧に解説したサイトがいくつもあります。自分から働きかける時だけでなく、いただいたときも必ず言葉を調べるに越したことはありません。
人付き合いにはマナーが・・・と、あらためて気を引き締めないと思いました。
【追記 2016年11月11日(金)】
お手伝いをしてもらった場合、目上の人には「謝礼」「勤謝」、目下の人には「寸志」「薄志」だそうです。
この書物を選んだ理由
内容を見て買ったわけではありません。タイトルが気になったことと、当時よく売れていたからです。積ん読の本です。
私の読み方
しきたりを項目毎に書いてありました。学校で古文の授業がありましたが、古語を覚えるような感覚でした。由来や意味がわかると、そのしきたりを覚えやすくなります。
弊サイトで取り上げた『超訳 ニーチェの言葉』と同じで、項目の集合体で、1項目はボリュームが少なくなっています。1項目は楽に読めますが、1冊を通して読むにはつらいものがありました。ほとんどの項目が独立しており、項目の間で読みの流れが止まってしまうからです。
項目ごとの書籍は、興味のあるところを見るのに適しており、辞書のように見るのがいいのかもしれません。しきたりのある時は気持ちが乗ってくるので、該当する箇所を読みやすくなるはずです。
どうしても時期に関係なく全部読むというのなら、1日1項目とかの工夫をした方が苦痛は少ないかもしれません。
新書形式です。文字が大きく読みやすいのですが、1ページの文字数がかなり少ないと感じました。文字が少ないと感じると、本を呑んでかかれます。ところが、いつの間にか返り討ちにあった気分でした。形式も大切ですが、内容の方が読みに影響するようです。
読んだ順番は、ページ順に読んでいきました。
読書所要時間など
- 所要時間
- 4日6時間9分
- 読み始め
- 2016(平成28)年8月5日(金)午前10時52分~
- 読み終わり
- 2016(平成28)年8月9日(火)~17時01分
- 読んだ範囲
- カバー、帯、本書。ただし、奥付は軽く目を通し、巻末の書籍広告は見ていません。
取り上げられた書物など
- 『古事記』
- 『紫式部日記』
- 『続日本紀(しょくにほんぎ)』
※ その他、「おもな参考文献」に多くの書籍の掲載がありました。
出来事
8月5日(金) 第31回オリンピック競技会リオデジャネイロ大会開会式。
8月7日(日) 大リーグのイチロー選手が3000安打を達成。
8月8日(月) 天皇陛下の退位のビデオメッセージが公表される。
ひととき
お昼に自転車で公園に行きました。あまりにも暑いのか、動物も日陰に隠れているようです。
そんな中でも元気よく飛んでいたのが、モンキチョウ(紋黄蝶)です。いつもはすばしこくなかなか撮れないのですが、この日は運がよかったようです。
この時、不思議にモンシロチョウを見かけませんでした。
平成28年8月9日(火)撮影。
調べたこと
- 1 日本(にほん、にっぽん)
- 2 仕来り(しきたり)
- 3 日本人(にほんじん、にっぽんじん)
- 4 生業(なりわい、せいぎょう)
- 5 年中行事(ねんじゅうぎょうじ、ねんちゅうぎょうじ)
- 6 忙殺(ぼうさつ)
- 参考:相殺(そうさい)、減殺(げんさい)の「殺」の読み方に注意。「殺」には、「言葉を強めたり」や「減らす」という意味があります。
- 7 暦注(れきちゅう)
- 8 由来(ゆらい)
- 9 畏友(いゆう)
- 10 山川(さんせん)
- 11 草木(そうもく)
- 12 豊穣(ほうじょう)
- 13 回帰年(かいきねん)
- 14 混然(こんぜん)
- 渾然(こんぜん)。
- 15 二十四節気(にじゅうしせっき)
- 16 雑節(ざっせつ)
- 17 託宣(たくせん)
- 18 安心立命(あんじんりゅうめい、あんしんりつめい)
- 19 鎮護(ちんご)
- 20 鎮守(ちんじゅ)
- 21 法会(ほうえ)
- 22 けじめ
- 23 気枯れ(けがれ)
- インターネットで調べました。
- 24 禊ぎ(みそぎ)
- 25 年神(としがみ)
- 歳神(としがみ)。
- 26 降臨(こうりん)
- 27 四方拝(しほうはい)
- インターネットで調べました。
- 28 家長(かちょう)
- 29 恵方(えほう)
- 30 輪飾り(わかざり)
- 31 邪気(じゃき)
- 32 悪鬼(あっき)
- 33 蘇る(よみがえる)
- 甦る(よみがえる)。
- 34 不老長寿(ふろうちょうじゅ)
- 35 雑煮(ぞうに)
- 36 角餅(かくもち)
- 37 扮装(ふんそう)
- 38 吉書(きっしょ)
- 39 吉夢(きちむ)
- 40 五節供(ごせっく)
- 五節句(ごせっく)。
- 41 忌日(きにち、きじつ)
- 42 無病息災(むびょうそくさい)
- 43 仕着せ(しきせ)
- 44 生臭物(なまぐさもの)
- 対義語は「精進物(しょうじんもの)」。
- 45 此岸(しがん)
- 参考:彼岸(ひがん)。
- 46 読経(どきょう)
- 47 説法(せっぽう)
- 48 檀家(だんか、だんけ)
- 49 祭礼(さいれい)
- 50 子子孫孫(ししそんそん)
- 51 祝言(しゅうげん)
- 52 足入れ婚(あしいれこん)
- 足入れ(あしいれ)。インターネットなどで調べました。
- 53 茶菓(さか、ちゃか)
- 54 仲立(なかだち)
- 媒(なかだち)。
- 55 橋渡し(はしわたし)
- 56 三三九度(さんさんくど)
- 57 通例(つうれい)
- 58 通過儀礼(つうかぎれい)
- 59 眉墨(まゆずみ)
- 黛(まゆずみ)。
- 60 垂(しで)
- 四手(しで)。
- 61 神人(しんじん)
- 62 労い(ねぎらい)
- 犒い(ねぎらい)。
- 63 侍史(じし)
- 64 脇付(わきづけ)
- 65 頭語(とうご)
- 66 結語(けつご)
- 67 流麗(りゅうれい)
- 68 頭陀袋(ずだぶくろ)
- 69 生者(せいしゃ、しょうじゃ)
- 70 枕経(まくらぎょう)
- 71 夜伽(よとぎ)
- 72 成仏(じょうぶつ)
- 73 寄進(きしん)
- 74 霊柩(れいきゅう)
- 75 霊柩車(れいきゅうしゃ)
- 76 廃れる(すたれる)
- 77 追善(ついぜん)
- 78 忌明け(きあけ、いみあけ)
- 79 縁起(えんぎ)
- 80 法被(はっぴ)
- 半被(はっぴ)。
- 81 練り回る(ねりまわる)
- 82 善根(ぜんこん)
- 83 方達
- 「ほうたつ」と読むのでしょうか。調べましたがわかりませんでした。
- 84 水垢離(みずごり)
- 垢離(こり)。
- 85 満願(まんがん)
- 86 隆運(りゅううん)
- 87 張り子(はりこ)
- 88 猫面を洗って耳を過ぎれば即ち客到る
- 私のもっていることわざ辞典には載っていませんでした。インターネットで調べました。
- 89 絵馬(えま)
- 90 拝借(はいしゃく)
- 91 鬼門(きもん)
- 92 凶害(きょうがい)
- 兇害(きょうがい)。
- 93 至言(しげん)
- 94 片化粧(かたげしょう)
- インターネットで調べました。
- 95 枕飾り(まくらかざり)
- インターネットで調べました。
以下余白