『ネゴシエイター』
原題は『THE NEGOTIATOR』
- 副題など
- 「人質救出への心理戦」
- 原副題は「My Life at the Heart of the Hostage Trade」
- 帯には「”Kidnap for Ransom”-『身代金目的の誘拐』」「人質が生きるか、死ぬか、極限状態での駆け引き。」とありました。
- 著者など
- ベン・ロペス(Ben Lopez)氏著
- 土屋 晃(つちや あきら)氏、近藤 隆文(こんどう たかふみ)氏共訳
- 出版社など
- 柏書房株式会社 さん
- 版刷など
- 2012年7月第1刷。
- ボリューム
- 380ページ
感じたこと
「いつも柳の下に泥鰌(どじょう)は居(お)らぬ」とは限らないでしょうか。
中国思想『戦国策』に、こんな話がありました。息子と同姓同名の別人が人殺しをしました。勘違いした人たちが、そのことを母親に伝えました。一度、二度は息子を信じましたが、同じことを三度聞いたとき、母親は逃げたしたそうです。
この話に似たのが組織のウワサです。ある人が適当に言ったことが、本人の知らない間に広まっていることがあります。ウワサは人から人へと伝播し、やがて誰がその情報を発信したかわからなくなります。そして、伝播するにつれ誰もがその情報を共有するようになり、デマを真実と信じ込むようになります。不幸なことに、悪いウワサほど早く伝わり、真実味を帯びてきます。そして、最後に本人の耳に届くようになっています。
本人にその真偽を確かめてみると、身に覚えがないという答えがほとんどです。流れていたウワサに、いたずらか、何らかの悪意を感じることがほとんどです。
私のいたある組織では、隣の課で事件が起こっていました。みんなで自分を誹謗中傷したと主張するある人がいました。ある人は、課長ではなくその上の管理職にこのことを直訴したのです。その管理職は、ある人のことを全面的に信用し、隣の課の全員に誹謗中傷を止めるように言ったそうです。さらに、ある人が主張する首謀者を犯人と決めつけ非難したそうです。
私は、隣の課の知人から聞いて、この件のことをはじめて知りました。近くで働いている私は、誹謗中傷したウワサも現場も見たことがありませんでした。私が不思議に思っていると、ある人は以前の職場でも同じことを言って職場を混乱させた、とのウワサを耳にしました。この直訴したある人は、職場を変わっても違う人に同じことを繰り返していたのです。ある人の今までいた職場では、そのことについて全員の共有する情報になっていたそうです。
私が聞いたのは、やはりウワサでしかありません。しかし、管理職が事実関係を確かめることなく、ある人の主張を一方的に信じて対処したことは、残念でした。その後、隣の課は、妙に静かで、生気は完全に失われていました。ある人だけが、うれしそうな顔をしていたのが忘れられません。
もしかすると、管理職は、濡れ衣を着せられた被害者に暴言を吐いたのかもしれないのです。これが事実なら、管理職は、名誉毀損をしたことになります。真実を確かめないで、正義感を実行すると、罪を犯しかねません。そして、組織にとって最も大切な信頼関係を根底から破壊したのです。
このことから、人の信頼に対する感じ方は、昔と変わっていないことがわかります。
同じ場所だとは限りませんが、同じことは起こりえます。
この書物を選んだ理由
2年ほど前に買った積ん読の書籍です。ネゴシエーターがどのような仕事なのか、現場では何が起こっているのか、興味がありました。
私の読み方
ノンフィクションとのことですが、内容は小説のような感じでした。
翻訳本で、特有の感触がありました。読み進めると、あれ、という感じになります。なぜか文意が理解しづらいのです。しかし、書き方に問題があるとも思えません。もしかすると、今まで小説風の書籍を読んでこなかったので、私が慣れていないのかもしれません。
読み方は、見開きページを視界に捉え、必要な箇所を読んでいく方法です。文字の大きさ、行間、1行の長さなど、不都合はありませんでした。
読んだ順番は、帯、カバー、「緒言」「目次」から「第一部エンド・ゲーム」手前まで、「解説」「本文」の順です。奥付は最初に軽く目を通しました。
ワクワクしながら、楽しく、そして、勉強しながら読ませていただきました。国外で活躍される方には有用な本だと思いました。犯罪者の心理がわかりやすく著述してありました。
読書所要時間など
- 所要時間
- 11日2時間27分
- 読み始め
- 2016(平成28)年3月24日(木)午後12時14分~
- 読み終わり
- 2016(平成28)年4月4日(月)~14時41分
- 読んだ範囲
- 奥付は軽く目を通しました。巻末の書籍広告は見ていません。
取り上げられた書物など
- 『ネゴシエイター』 フレデリック・フォーサイス氏著
- 『静寂の叫び』 ジェフリー・ディーヴァー氏著
- 『交渉人』 五十嵐貴久氏著
※ これ以外にいくつかの書籍と、多くの映画の紹介がありました。
出来事
3月29日(火) 安全保障関連法が施行。
※参考 : 安全保障関連11法案とは。一部改正は、①自衛隊法、②国際平和協力法、③新:重要影響事態安全確保法(旧:周辺事態安全確保法)、④船舶検査活動法、⑤事態対処法、⑥新:米軍等行動関連措置法(旧:米軍行動関連措置法)、⑦特定公共施設利用法、⑧海上輸送規制法、⑨捕虜取扱い法、⑩国家安全保障会議設置法、の10法案。新規制定は、①国際平和支援法、の1法案。合わせて11法案。法案名は略称です。
「読んだもの№54」『セルフケア24のアプローチ』の「調べたこと」の「1」で取り上げています。
ひととき
天気予報では翌日が雨だったので、早めにお花見に行きました。
この日は満開のサクラはありませんでした。よく咲いてても、七分咲きくらいでした。写真はオオシマザクラ(大島桜)です。このサクラは潮風に強いそうです。海辺の公園で撮影しました。
平成28年4月2日(土)撮影。
調べたこと
- 1 ネゴシエイター(negotiator)
- 2 hostage
- 人質。
- 3 kidnap
- 誘拐者。
- 4 ransom
- 身代金。
- 5 はち切れる(はちきれる)
- 6 緒言(しょげん、ちょげん)
- 7 誘拐(ゆうかい)
- 8 犯罪(はんざい)
- 法律用語では、「犯罪構成要件に該当し、違法かつ有責な行為」と言われています。構成要件とは、犯罪行為の特徴的な分類(型)のようです。
- 9 実入り(みいり)
- 10 氷山の一角(ひょうざんのいっかく)
- 11 人質(ひとじち)
- 12 交渉(こうしょう)
- 13 ・・・裡(・・・り)
- ・・・裏(・・・り)。
- 14 熱視線(ねつしせん、ねっしせん)
- 持っている国語辞典には掲載がありませんでした。インターネットで調べました。
- 15 孤絶(こぜつ)
- 16 スポットライト(spotlight)
- 17 スポットライトを浴びる(すぽっとらいとをあびる)
- 18 実相(じっそう)
- 19 拉致(らち、らっち)
- 20 スムーズ(smooth)
- スムース。英語の発音の試験問題に出ていました。「th」の発音記号の違いを試されています。スムー「ズ」なのかスムー「ス」なのか。英和辞典で調べてみると、smoothは「this」と同じで、濁ります。上下の歯で舌を軽く挟んで発音する「think」は「ス」で濁りません。
- 21 タフ(tough)
- 22 知悉(ちしつ)
- 23 くどい
- 24 二義的(にぎてき)
- 25 スピンオフ(spin-off)
- 派生した作品。
- 26 身柄(みがら)
- 27 畳み掛ける(たたみかける)
- 28 物見遊山(ものみゆさん)
- 29 聳やかす(そびやかす)
- 30 四苦八苦(しくはっく)
- 31 目顔(めがお)
- 32 剰え(あまつさえ)
- 33 氷雨(ひさめ)
- 34 日常茶飯事(にちじょうさはんじ)
- 35 片棒を担ぐ(かたぼうをかつぐ)
- 36 黄金律(おうごんりつ)
- 37 歯牙(しが)
- 38 歯牙にもかけない(しがにもかけない)
- 39 胼胝(たこ)
- 「ペンだこ」のタコ。
- 40 白羽の矢が立つ(しらはのやがたつ)
- 41 華奢(きゃしゃ)
- 花車(きゃしゃ)。
- 42 よすが
- 縁、便、因。
- 43 遮眼革(しゃがんかく)
- ブリンカー(blinker)。
- 44 辛苦(しんく)
- 45 嘗める(なめる)
- 舐める(なめる)。
- 46 トーテム(totem)
- 47 悄気る(しょげる)
- 48 悄気返る(しょげかえる)
- 「悄気る」のひどい状態。
- 49 自任(じにん)
- 参考:自認(じにん)。
- 50 パブリックスクール(public school)
- 英国は「私立中等学校」、米国は「公立学校」の意味。
- 51 シンジケート(syndicate)
- 52 ブローカー(broker)
- 53 当たり散らす(あたりちらす)
- 54 揺すり(ゆすり)
- 強請(ゆすり、ごうせい)。
- 55 筆舌(ひつぜつ)
- 56 クラック(crack)
- 57 うっかり
- 58 誂え向き(あつらえむき)
- 59 万力(まんりき)
- 60 破る(やぶる)
- 61 スカイライン(skyline)
- 地平線。空と地上物の境界線。ホライズン(horizon)。
- 62 人好き(ひとずき)
- 63 囮(おとり)
- 64 痛痒を感じない(つうようをかんじない)
- 65 外柔内剛(がいじゅうないごう)
- 66 端(はな)
- 67 しかつめらしい(鹿爪らしい)
- 68 偏執症(へんしゅうしょう)
- パラノイア(paranoia)。
- 69 誇大妄想(こだいもうそう)
- 70 素っ気ない(そっけない)
- 71 歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ)
- 衣は「きぬ」と読みます。
- 72 捗捗しい(はかばかしい)
- 73 擽る(くすぐる)
- 74 斜交い(はすかい)
- 75 陶然(とうぜん)
- 76 陽炎(かげろう、ようえん)
- 77 鋳鉄(ちゅうてつ)
- 78 台尻(だいじり)
- 79 ドライブウェー(driveway)
- 80 端麗(たんれい)
- 81 落とし前(おとしまえ)
- 82 ダークラム(dark rum)
- 酒。参考:ホワイトラム(white rum)。
- 83 鉄灰色
- 「てっかいしょく」と読むのでしょうか。インターネットで調べました。
- 84 骨身(ほねみ)
- 85 骨身に沁みる(ほねみにしみる)
- 86 黄褐色(おうかっしょく)
- 87 ケフィエ
- 調べましたがよくわかりませんでした。
- 88 グロッグ17
- 拳銃。
- 89 声明(せいめい)
- 90 金言(きんげん)
- 91 ストップオーバー(stopover)
- 92 落ち合う(おちあう)
- 93 胡散臭い(うさんくさい)
- 94 頭が切れる(あたまがきれる)
- 95 パイプ(pipe)
- 96 チェーンスモーカー(chain smoker)
- 97 口を滑らせる(くちをすべらせる)
- 98 ハッシュメール・アカウント
- 暗号化されたメールアドレスのことでしょうか。よくわかりませんでした。インターネットで調べました。
- 99 悪態(あくたい)
- 100 悪態を吐く(あくたいをつく)
- 101 立場固定
- 読み方はわかりませんでした。インターネットで調べました。
- 102 咎める(とがめる)
- 103 ブリーフィング(briefing)
- 104 包肉用紙
- 「ほうにくようし」と読むのでしょうか。インターネットで調べました。
- 105 強面(こわもて)
- 106 肩をすくめる(かたをすくめる)
- 107 首を傾げる(くびをかしげる)
- 108 詐術(さじゅつ)
- 109 対峙(たいじ)
- 110 山場(やまば)
- 111 耳打ち(みみうち)
- 112 不興(ふきょう、ぶきょう)
- 113 常套手段(じょうとうしゅだん)
- 114 牛歩戦術(ぎゅうほせんじゅつ)
- 115 難色(なんしょく)
- 116 尖る(とがる)
- 117 工作員(こうさくいん)
- 118 煽てる(おだてる)
- 119 水の泡(みずのあわ)
- 120 フィニッシュライン(finish line)
- 英和辞典で調べました。
- 121 上前(うわまえ)
- 参考:上米(うわまい)。
- 122 企む(たくらむ)
- 123 怒り心頭に発す(いかりしんとうにはっす)
- 124 心頭(しんとう)
- 125 厚かましい(あつかましい)
- 126 動転(どうてん)
- 127 信心(しんじん)
- 128 茶番(ちゃばん)
- 129 ぶっきらぼう
- 130 反故にする(ほごにする)
- 反古(ほご)。
- 131 墓穴を掘る(ぼけつをほる)
- 132 嗄れる(しわがれる)
- 133 バルバンクール
- ラム酒の商品名。
- 134 寒寒しい(さむざむしい)
- 135 憔悴(しょうすい)
- 136 棺(ひつぎ)
- 柩(ひつぎ)。
- 137 虚仮にする(こけにする)
- 138 怖じ気づく(おじけづく)
- 139 煙幕(えんまく)
- 140 フリーランス(free lance)
- 141 腹を割る(はらをわる)
- 142 目敏い(めざとい)
- 目聡い(めざとい)。
- 143 そびれる
- 144 逆上(ぎゃくじょう)
- 145 如何わしい(いかがわしい)
- 146 御都合主義(ごつごうしゅぎ)
- 147 居丈高(いたけだか)
- 参考:威丈高(いたけだか)。
- 148 腿(もも)
- 股(もも)。
- 149 単刀直入(たんとうちょくにゅう)
- 150 砲金(ほうきん)
- 151 実直(じっちょく)
- 152 淹れる(いれる)
- 私の持っている漢和辞典では、「いれる」との表記はありません。「ひたす」で、水につける意味になっています。弊サイトで今までにも同じような漢字がありました。どうしてこのような使われ方になったのでしょうか。
- インターネットなどで調べました。
- 153 戯言(たわごと)
- 154 はぐれ者
- 「はぐれもの」と読むのでしょうか。インターネットで調べました。
- 155 射線(しゃせん)
- 156 長丁場(ながちょうば)
- 長町場(ながちょうば)。
- 157 塹壕(ざんごう)
- 158 掩護(えんご)
- 参考:援護(えんご)。
- 159 生返事(なまへんじ)
- 160 独り言つ(ひとりごつ)
- 161 一触即発(いっしょくそくはつ)
- 162 火蓋を切る(ひぶたをきる)
- 参考:「幕を切って落とす」。
- 163 盆暗(ぼんくら)
- 164 呆然(ぼうぜん)
- 165 まんじり
- 166 最期(さいご)
- 167 消散(しょうさん)
- 168 縁取る(ふちどる)
- 169 がなり立てる(がなりたてる)
- 170 車回し(くるままわし)
- 171 直截(ちょくせつ)
- 172 買い被る(かいかぶる)
- 173 蔑ろ(ないがしろ)
- 174 へま
- 175 順当(じゅんとう)
- 176 隠れ蓑(かくれみの)
- 177 名士(めいし)
- 178 発端(ほったん)
- 対義語は「終局(しゅうきょく)」。
- 179 敬虔(けいけん)
- 180 千里眼(せんりがん)
- 参考:「天眼通(てんげんつう)」。
- 181 意気投合(いきとうごう)
- 182 カオス(chaos)
- 183 声高(こわだか)
- 184 難癖(なんくせ)
- 185 呑気(のんき)
- 暢気(のんき)、暖気(のんき)。
- 186 蔓延(まんえん)
- 187 身元(みもと)
- 身許(みもと)。
- 188 思し召し(おぼしめし)
- 189 御膳立て(おぜんだて)
- 190 暴騰(ぼうとう)
- 191 強か(したたか)
- 192 碌でなし(ろくでなし)
- 陸でなし(ろくでなし)。
- 193 一味(いちみ)
- 194 黴臭い(かびくさい)
- 195 せがむ
- 196 邪気(じゃき)
- 197 貶す(けなす)
- 198 軋轢(あつれき)
- 199 漏洩(ろうえい)
- 漏泄(ろうえい)。
- 200 奪還(だっかん)
- 201 工面(くめん)
- 202 蟠り(わだかまり)
- 203 船主(せんしゅ、ふなぬし)
- 204 藁にも縋る(わらにもすがる)
- 205 値踏み(ねぶみ)
- 206 耳目(じもく)
- 207 付け上がる(つけあがる)
- 208 舷側(げんそく)
- 209 時は金なり(ときはかねなり)
- 210 しくじる
- 211 手強い(てごわい)
- 212 乾舷(かんげん)
- 213 一攫千金(いっかくせんきん)
- 214 頑健(がんけん)
- 215 強靱(きょうじん)
- 216 ムスリム(Muslim)
- 217 捻くれる(ひねくれる)
- 218 直観(ちょっかん)
- 参考:直感(ちょっかん)。
- 219 付け込む(つけこむ)
- 参考:漬け込む(つけこむ)。
- 220 拿捕(だほ)
- 221 忙殺(ぼうさつ)
- 222 生け贄(いけにえ)
- 犠牲(いけにえ)。
以下余白