『ヘルシープログラマ』
原題は『The Healthy Programmer』
- 副題など
- 「プログラミングを楽しく続けるための健康Hack」
- 原副題は「Get Fit,Feel Better,and Keep Coding」
- 帯には「健康のためのベストプラクティス」「腰痛、手首の痛み、目の痛み、頭痛を回避するイテレーティブかつインクリメンタルなテクニックとTipsを満載!」「健康のリファクタリング」とありました。
- 著者など
- Joe Kutner(ジョー・カトナー)氏著
- Sky株式会社 玉川 竜司(たまがわ りゅうじ)氏訳
- 出版社など
- 株式会社 オライリー・ジャパン(O˙REILLY) さん
- 版刷など
- 2015年7月初版第1刷。読んだものは、2015年8月初版第2刷。
- ボリューム
- 274ページ
感じたこと
今年の中頃に息が苦しく、咳が出ることがありました。診断は逆流性食道炎です。原因は、暴飲暴食と太りすぎです。
早速、ダイエットを開始することにしました。私のダイエットの方法は、段階をおって、近づけたい体重の消費カロリー分の食事をすることです。
たとえば、現在の体重60㎏を、55㎏にしたい場合は次のようにします。現在の体重より少なめの58㎏くらいの消費カロリー分の食事をします。体重の減少にともなって、摂取カロリーもそれに合わせて減らしていきます。恒常的に目標の体重になると、その体重分の消費カロリーになるように徐々に増やしていきます。最後は、体重分の消費カロリー分の食事を取るようにします。
そして、私はこの方法でダイエットを始めました。ところが、いつもなら10日くらいで効果を実感できるのですが、逆に体重が増える傾向にありました。食べ物と運動記録などを再度チェックしましたが、計算に間違いはありませんでした。
体調があまりよくないので、方法を変えることにしました。太りすぎが一因なら、とりあえず体重を減らせば、何らかの症状を軽くできるはずです。そこで、3日間の予定で断食をすることにしました。しかし、2日目に体調が悪くなり、3日目に断食を中止しました。太りすぎていると、断食もできないようです。
その後、カロリーを調整する方法に戻し、内臓脂肪を取る目的で運動の量を増やしました。摂取カロリーは基礎代謝と消費を合わせたものより少なめです。体重は維持の状態が続きました。そして、ひと月ほどして、3日間の断食に再挑戦しました。今度は、苦しむことなく成功しました。断食後は、玄米のお粥(かゆ)といつものおかずを1週間ほど続けました。すると、やっと体重が減り始めたのです。徐々に症状も治まっていきました。
その後、玄米粥を玄米飯に変え、食事の量をほぼ元に戻しました。体重は元に戻りましたが、症状は出ていません。
ダイエットというと、基礎代謝や運動などのカロリーで考えます。摂取と消費のカロリーの収支です。このカロリーを使ったダイエットは科学的といえます。
ところが、この方法でも体重の減少しないことを私は経験しました。カロリーの収支が同じであれば体重が増えることはないはずです。体重が増える原因としては、病気しか考えられないのです。例えば、体のどこかに水がたまるとかです。検査をして病気でないことを確認しました。
ここで私の言いたいのは、科学的に算出されたカロリーを使う方法が、ダイエットの唯一の方法ではないということです。言い換えれば、食物のカロリーの摂取と消費の考え方だけではないということです。食物の選定、食べ方で、ダイエットができないかということです。
『ホームレス中学生』田村裕氏著の「奇跡の発見」に、ご飯を噛(か)みまくる話が出てきます。この話は食べ物をいかにして少なくするかがテーマなのです。満腹中枢を満たせば、空腹をしのげるという考え方です。心は満たしても、身体は飢餓状態が続いているはずです。もしかすると、飢餓状態は、食物からの吸収率を高めるのかもしれません。
日本酒の作り方の1つで、口でかんだ米を使うものがあるそうです。また、火入れ(菌を殺すこと)をしていない酒は、消化器内でも発酵するらしいのです。このことから、噛(か)むことで、腸などの消化器内で菌が活性化され、エネルギーが増幅しているとも思えるのです。腸の中で菌が、エネルギー源を生産しているということです。
噛(か)むというのが、吸収力と生命力を向上させているのかもしれません。
余談ですが。
玄米飯で気づいたことがあります。精白米飯よりスタートが緩やかで、少なめの量でも腹持ちがいいことです。
また、玄米はかたいので、よく噛(か)むようになりました。それでも、トイレに行くと、消化の悪いことがわかります。
理屈はどうであれ、私には、玄米飯は効果があったようです。
この書物を選んだ理由
レスポンシブWebデザインの書籍を探しに大型書店に行ったとき、この本書が目に入りました。その時は、目的を絞っていたせいか、あまり気に留めていませんでした。帰宅後に、無性にこの本が気になりはじめました。なぜなら、弊サイトの目指している内容に最も関係があるからです。翌朝、再度、足を運び、書名と内容を確認しました。
私の読み方
読みづらい本でした。その理由は、ITの専門用語を一般の記述に使っているからです。たとえば、「健康Hack」を専門用語の意味で、「健康を分析して改良する」と読めばわかります。しかし、一般的に使われている「他人のプログラムに進入して、迷惑をかける改悪をすること」という意味に捉えると、文意が通じなくなります。他に、「アジャイル(agile)」「イテレーション(iteration)」などいくつかありました。
机上でパソコンを扱う人はたくさんいます。本書はそのような人たちにも有用なはずです。プログラマー専用のように記述するのは、もったいないと思います。たとえプログラマー用だとしても、一般の人にもスラスラ読めるような工夫が欲しいところです。職種を超えた情報の交流は、新たな健康の技術を発展させるかもしれないからです。
奥付の著者と訳者の紹介が、今まで読んだことのない感触でした。今まで取り上げてきた書籍の場合、学歴、職歴、実績などの記載があり履歴書のようです。表面的なことで、本に権威や信頼性を持たせるようとしているように感じます。しかし、本書は、著者がどうしてこの本を書いたのかがわかる記述になっています。現在の活動、将来の目標や意欲を書いています。興味のある者同士、情報の交換をしようとしているようにも思えます。著者は現在もプログラマーのようですから、Webサイトのような感じになったのかもしれません。
「訳者まえがき」「はじめに」が本書の最初にあったので、順番どおりに読みました。「序文」が著者ではなかったのは意外でした。
専門用語は、国語辞典に載っていないものが多くありました。インターネットでかなりの数の言葉を調べました。それでも理解に苦しむ言葉がありました。
書かれた文字が何であるのかはわかる。しかし、文意を理解できない。この感じが読み終わるまでずっと続きました。歩いては立ち止まりの繰り返しのようで、読むリズムが安定しません。イライラすると余計に読めなくなるので、腰を据えて読みました。
体裁です。
文字は8か9ポイントで、横書き、1行約40文字。文字は小さく感じました。横書きは一文が視界に入りやすいので、読みやすかったです。見開きの中央の余白が少ないように感じました。図、表、写真があり、わかりやすかったです。索引もあり必要な箇所を探しやすいようになっています。門外漢には、専門用語の解説があるとわかりやすかったと思います。
読書所要時間など
- 所要時間
- 8日15時間12分
- 読み始め
- 2015(平成27)年11月16日(月)20時15分~
- 読み終わり
- 2015(平成27)年11月25日(水)~午前11時27分
- 読んだ範囲
- カバー、帯、本書。英語で書かれた箇所は、調べて読んだところもありますが、ほとんどは目を軽く通しただけです。付録Dさらなる学習のために、付録E参考文献、索引、奥付は軽く目を通しただけです。広告などは見ていません。
取り上げられた書物など
- 『脳を鍛えるには運動しかない』John Ratey氏著
- 『脳の力を100%活用するブレイン・ルール』ジョン・メディナ氏著
- 『習慣の力』チャールズ・デュヒッグ氏著
- 『腰痛-最新のエビデンスに基づく予防とリハビリテーション』Stuart McGill氏著
※ その他多数の書籍、参考文献の紹介がありました。
出来事
11月20日(金) 元横綱・北の湖が死去。
ひととき
ウォーキングに出かけました。天気がよかったので、いつもと違う地続きの防波堤を歩きました。
釣り人が仕留めたばかりのクロダイを撮らせていただきました。長さ45㎝くらいで、よく肥えていました。
釣り人は「チヌ」と言っていました。
平成27年11月16日(月)撮影。
調べたこと
だいたい、前置き、訳者あとがき、本文の順で調べています。
- 1 アジャイル(agile)とイテレーション(iteration)
- アジャイルの辞書での意味は「機敏」「すばやい」などとあります。本書でのアジャイルはソフトウエアを開発する際に使われる手法や手段のことです。
イテレーションとは「繰り返し」「反復」の意味です。この言葉も、ソフトウエアを開発する際に使われるものです。全体をいくつかに分け、単位化された1つをある時間で作ることをいいます。それを次から次へと作ること(反復)です。
1つのソフト開発をする際に、いくつかの単位化された区分に仕事を分けます。それを順番に作っていきます。1つできるごとにチェックできるので、クライアントとの要求の整合性を確かめながら、開発を進められるメリットがあります。
全てのイテレーションを作り上げると、ソフトが出来上がります。この手法をアジャイルといいます。簡単に言うと、イテレーションの秩序だった集まりがアジャイルです。
本書の場合、「意識の持ち方」、「姿勢」、「腰痛」などの一つ一つのイテレーションを作り上げ、健康改善をすることです。健康を全体的に管理する手法がアジャイルです。
自分に合わなかったり、もっと効果的な方法を見つけた場合、一つの単位を全体の中で見直せるので、柔軟に簡単に修正が可能です。考え方として、完璧を求めていません。うまくいっていれば、よしとする考え方です。弾力性に富んだ手法で、健康管理に適しているかもしれません。 - 2 カイロプラクティック(chiropractic)
- 3 アーミッシュ(Amish)
- 4 ガイド(guide)
- 5 インクリメンタル(incremental)
- 増加する◯◯。形容詞。インターネットで調べました。
- 6 スタートアップ(start up)
- 辞書には、急に動き出す、とあります。しかし、本書では「ストレスの強い」が前にあるので、「新規事業」「新規開発」「ベンチャー(ビジネス)」の意味で使われているようです。インターネットなどで調べました。
- 7 プラクティス(practice)
- 実践。習慣。
- 8 リファクタリング(refactoring)
- プログラムで使う用語。外見上の動きを変えずに、違うコードを使うこと。本書でいえば、手法は変わるが、健康であること。中身を変えるような意味で使われているようです。
- 9 ブレインストーミング(brainstorming)
- 10 レビュー(review)
- 再調査。検査。
- 11 終生(しゅうせい)
- 12 献身(けんしん)
- 13 進捗(しんちょく)
- 14 アドホック(ad hoc)
- ラテン語。「これについて」「限定された目的」。インターネットなどで調べました。
- 15 ACT(The American College Testing Program)
- 16 ベースライン(baseline)
- 17 HR(Heart Rate)
- 心拍数。
- 18 リマインダー(reminder)
- 思い出させるもの。パソコンなどのスケジュール管理で、その時が来たら予定を知らせてくれること。インターネットなどで調べました。
- 19 遮る(さえぎる)
- 20 同調圧力(どうちょうあつりょく)
- インターネットなどで調べました。
- 21 トレッドミル(treadmill)
- ランニングマシーンなどのこと。インターネットでどのようなものか確認しました。
- 22 椅子(いす)
- 23 エルゴノミクス(ergonomics)
- 人間工学。
- 24 血餅(けっぺい)
- 25 ガイドライン(guideline)
- 指針。
- 26 賛意(さんい)
- 27 体幹(たいかん)
- 28 ドラフティングスツール
- スツール(stool)は、背もたれのないいす。製図用の椅子。インターネットなどで調べました。
- 29 サイクリングデスク
- インターネットで画像を確認しました。
- 30 メンタルリハーサル
- イメージトレーニング。
- 31 輻輳障害(ふくそうしょうがい)
- 輻輳不全(ふくそうふぜん)。眼を寄せることができないこと。
- 32 反跳性頭痛(はんちょうせいずつう)
- インターネットで調べました。
- 33 ペパロニ(pepperoni)
- インターネットで調べました。
- 34 諸刃の剣(もはのつるぎ)
- 35 相反する(あいはんする)
- 動詞。名詞「相反」は「そうはん」。
- 36 ピラティス(Pilates)
- インターネットで調べました。
- 37 日々(ひび、にちにち)
- 38 フィットネス(fitness)
- 39 アスリート(athlete)
- 40 四つん這い(よつんばい)
- 41 ワークアウト(workout)
- ジムでのトレーニングのこと。訓練する。
- 42 エクササイズ(exercise)とトレーニング(training)
- エクササイズは、健康維持のための運動。全般的に身体の能力を維持する運動のようです。
トレーニングは、ある目的に応じて、特定のことを練習することに使われているようです。
このように区別すると、ラジオ体操はエクササイズということになります。たとえば心肺能力を高めるための高地での練習は、トレーニングになります。エクササイズが一般的で共通した決まりきった練習であるのに対して、トレーニングは個別の強化すべき練習ということになります。日本のスポーツジムではそのような使われ方の傾向があるようです。
インターネットでは、エクササイズとトレーニングの違いについてコメントをしているサイトがあります。しかし、言葉の出所については記載されていません。英和辞典などには、それを区別する記述は見当たりません。スポーツの世界では、この言葉を定義するものがあるのでしょうか。
残念ながら、答えを見つけられませんでした。 - 43 強靱(きょうじん)
- 44 コア(core)
- 本書では、体幹のことを言っているのでしょうか。
- 45 ランバーサポート
- 本書に解説があります。インターネットで確認しました。
- 46 ポモドーロテクニック
- 本書第8章に解説があります。
- 47 生涯(しょうがい)
- 48 手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
- 49 悪名(あくめい、あくみょう)
- 50 Maneuver
- 戦術的運動。
- 51 グライディング(gliding)
- だんだんに変わること。
- 52 オーバーライド(override)
- 無視する。無効にする。
- 53 クロックサイクル(clock cycle)
- 54 ブレイス(brace)
- インターネットで画像を確認しました。
- 55 手首スプリント
- 本書では「圧迫スリーブ」で表示があります。
- 56 大局(たいきょく)
- 57 アグレッシブ(aggressive)
- 58 トラッカーサイト(tracker site)
- よくわかりませんでした。インターネットで調べました。
- 59 キュービクル(cubicle)
- 作業用の仕切られた部屋のことでしょうか。よくわかりませんでした。
- 60 木陰(こかげ)
- 61 松脂(まつやに)
- 62 ボルダリング(Bouldering)
- インターネットで確認しました。
- 63 フィジカルフィットネス(physical fitness)
- 64 汎用(はんよう)
- 65 マイルストーン(milestone)
- 66 スケールアップ
- IT用語。本書に解説があります。
- 67 スケールアウト
- IT用語。本書に解説があります。
- 68 リカバリー(recovery)
- 69 漸進(ぜんしん)
- 70 修復(しゅうふく)
- 71 レパートリー(repertory)
- 72 バリエーション(variation)
- 73 サーキットトレーニング(circuit training)
- 74 QOL(quality of life)
- 医学、福祉で使われる。
- 75 ウォーミングアップ(warming up)
- 76 プレゼンテーション(presentation)
- 公開。発表。
- 77 ディスカウント(discount)
- 割引。
- 78 インセンティブ(incentive)
- 奨励。
- 79 コミット(commit)
- 一般的には、「かかわっている」。IT用語では、成功した更新処理を確定させること、のようです。
- 80 エントランス(entrance)
- 81 ドロップアウト(dropout)
- 脱落。
- 82 躊躇う(ためらう)
- 83 ディビジョン(division)
- 区分け。仕切り。
- 84 間柄(あいだがら)
- 85 粒度(りゅうど)
- IT用語。granularity。インターネットで調べました。
- 86 アセンブリライン(assembly line)
- 大量生産の製造ラインのことのようです。assemblyは、「組み立て」。
- 87 アパラチアン・トレイル(Appalachian Trail)
- アメリカの自然歩道。インターネットで確認しました。
- 88 カンファレンス(conference)
- 会議。研究会。検討会。
- 89 ジャンクフード(junk food)
- 「junk」は、「がらくた」「役に立たないもの」。
- 90 ムーブメント(movement)
- 運動。活動。動向。
- 91 アウトサイダー(outsider)
- 部外者。対義語は「インサイダー(insider)」。
- 92 フォース(force)
- 勢力。
- 93 ポータル(portal)
- 入り口。
- 94 ゼロサム(zero-sum)
- プラスマイナス(=プラマイ)ゼロのこと。
- 95 デブロイ
- 調べましたがわかりませんでした。
インターネットで「デブロイ」で検索すると、「デプロイ(deploy)」がヒットします。意味は、「展開する」「配置する」です。IT用語では、利用できる状態にするという意味のようです。 - 96 ・・・すがら
- 97 キャッチフレーズ(catch phrase)
- 98 腿(もも)
- 股(もも)。
- 99 スキャナー(scanner)
- 本書では「画面」。一般的には、画像などを取り込むための機器。
- 100 ハック(hack)
- 構造の解析、改造をすること。この言葉に善悪は含まれないようです。
不正行為のことを「クラッキング(cracking)」。使われはじめた初期の段階で、「クラッキング」のことを一般的に「ハッキング」となったようです。 - 101 佳境(かきょう)
- 102 プランテン(plantain)
- 料理に使われる果実。インターネットで確認しました。
- 103 Tips
- ITでの、コツ、秘訣、小技、裏技、ツボ、勘どころ、急所などのこと。
以下余白