『いきなりはじめるPHP』
- 副題など
- 「ワクワク・ドキドキの入門教室」
- 著者など
- 谷藤 賢一(たにふじ けんいち)氏著
- 出版社など
- リックテレコムさん
- 版刷など
- 2011年12月第1版。読んだものは、2014年7月第1版第5刷。
- ボリューム
- 163ページ
感じたこと
なかなかいいマニュアルに出会えました。マニュアルというより、1つのプログラムを完成させる説明書のように感じました。1つの作品を完成していく過程で、PHPのやり方を覚えていく方法です。
私が本書で最も感心したのは、「あとがき」です。ここには、筆者の仕事に対する考え方や、職場の雰囲気の変遷が書いてあります。この中に「人に尽くすことと、存分に楽しむこと」(本書156ページ抜粋)とあります。この言葉に、私は小学校の図画工作でのある出来事を思い出しました。
5人ぐらいのグループで、ビー玉を転がす造形物を作る課題がありました。小学校の4、5年生くらいだったと思います。面積は模造紙1、2枚くらいの大きさでした。はじめはメンバーで話し合っていたのですが、何から手をつけていいのかわかりませんでした。早いグループでは、作り始めるところもありました。何を作っているのか見学に行ったりもしましたが、これといった発想はありませんでした。1ヵ月ほどで完成させるとはいえ、このままでは間に合わないと焦りはじめました。とりあえず、ビー玉を転がすレールを作ることにしました。レール作りは大切です。深すぎると転がっているビー玉が見えません。レールに使う紙が薄かったり柔らかいと転がるビー玉に負けてしまいます。逆だとレールの加工がたいへんで、作品を作るのに手間がかかってしまいます。そして、レールの基準を作り、同じものをいくつも作りました。
次に取り組んだのがビー玉の出発地点です。ビー玉を転がすわけですから、高い位置が必要です。しかし、高すぎると、ビー玉は見えません。自分たちの胸の高さに落ち着きました。柱を段ボールで作るのですが、木工用ボンドを使う予定にしていました。しかし、大量に使うのでお金がかかることと、乾きが遅く完成に時間がかかってしまいます。1人のメンバーが提案したガムテープでこの問題をクリアしました。ところが、いざ、柱を立ててみると倒れてしまうのです。地面に接する台紙が弱すぎるのです。段ボールを重ねたりしましたが、不安定な状態でした。作っていく中で、一番大きい柱以外に、2、3本できました。それらをレールでつないでいくと、全体として安定したのです。
ビー玉をただ転がすだけではおもしろくないので、ループ、きりもみ、宙返り、ジャンプ、落とし穴、階段など思いつくものはどんどん作品にしていきました。柱に不安がないので、後は、ビー玉の動きを考えるだけになっていたのです。提案するメンバーの楽しそうな顔が忘れられません。制作中にビー玉を何回も転がしました。そのたびに、メンバーが笑顔になるのです。最後に、不安定なところを直して完成しました。
名称は忘れましたが、小学校で作品展示会があり、講堂にクラス作品として展示されました。展示会場では、実際にビー玉を転がすことができました。ビー玉を転がす人の顔が、笑顔になるのがうれしかったことを覚えています。メンバー全員が誇らしいと感じていたと思います。
このワクワク感、ドキドキ感は今も忘れられません。作る側、見る側がどちらも楽しめたのです。著者のいう「ALL WIN」ということでしょうか。
このようなところに注意できたのは、マニュアルがよくできていたからです。迷うことなくつまずくことなく、マニュアル部分を無事に通過できました。最後に、マニュアル部分で素晴らしい箇所がありました。「Chaper4-13おめでとうございます!」です。私が常々マニュアルに欲しいと思っていた、「これから先、分からないことはどうすればいいのでしょう?」などがあるのです。私がはじめて経験するタイプのよくできたマニュアルでした。
この書物を選んだ理由
PHPをはじめて学習するので、入門書でもっともやさしいと思える本書を読んでみました。
私の読み方
本書は160ページほどしかありません。他のマニュアルに比べると100ページほど少ないです。しかし、内容は決して簡単なものではありません。いきなり作品を仕上げるのですから驚きです。解説は、PHPだけではありません。PHPで作品を作るのに必要なものを解説しています。そうかと言って、文字数が多いわけではありません。用語索引もしっかりしています。
実際にパソコンを動かしながら、本書を読み進めました。本書は、ページに文字や画像を詰め込んだ印象はありません。むしろ、空白が多いように感じました。これは、入門者にありがちな気持ちの焦りや高そうなハードルを、見た目で和らげているようです。
読み方は、見開きページとパソコン画面(モニター)を視界に入れて、必要なところを見ていく方法です。本書が見やすく読みやすいこともあり、楽に読み終わりました。
読書所要時間など
- 所要時間
- 4日3時間26分
- 読み始め
- 2015(平成27)年6月1日(月)13時36分~
- 読み終わり
- 2015(平成27)6月5日(金)~17時02分
- 読んだ範囲
- 用語索引以外の全部。
ひととき
ムクドリの写真を撮るために、近くの公園に行きましたが、その姿を見られませんでした。探し求めて、隣町の公園まで行きましたが、そこにもムクドリはいませんでした。ムクドリがよく歩く地面を見ていると、見慣れない花を見つけました。インターネットなどで調べましたが、花の名前がわかりません。何という花なのでしょうか。
2015(平成27)年6月15日(月)撮影。
調べたこと
- 1 翻弄(ほんろう)
- 2 アファメーション(affirmation)
- 本書に事例が載っています。私の持っている心理学辞典には掲載がありませんでした。インターネットで調べました。