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読んでやる! 読んだもの
№42 『できる PowerPoint2013』

 プレゼンテーションソフトのマニュアルを取り上げました。私の知識が曖昧なパワーポイントを対象にし、学習をしました。マニュアルは、ただ読んだだけでは身につきません。実際に機械を操作して作らないと覚えません。それだけに、読み方によって、習得するスピード、疲労度は変わります。マニュアルの出来によってもその差は出ます。

『できる PowerPoint2013』

副題など
「Windows8/7対応」
著者など
井上 香緒里(いのうえ かおり)氏&できるシリーズ編集部さん著
出版社など
インプレスさん
版刷など
2013(平成25)年2月初版。読んだものは、2015(平成27)年2月第1版第4刷。
ボリューム
326ページ

感じたこと

 取扱説明書は今までに取り上げましたが、マニュアル本を取り上げるのは初めてです。マニュアル本は読むだけでは習得はできません。説明にそって、現実に操作することが大切です。そのため、時間がかかってしまいます。また、説明どおりにできなかった時のイラ立つ気持ちは何とも言えません。

 マニュアル本で最初に感じるのは、いきなり、そのソフトの機能や機械の使い方から説明が始まっていることです。学校や職場でパワーポイントを使うことが決まっている人向けに作られているようです。しかし、パワーポイントがどんなものか知りたい人や、他のプレゼンテーション(発表や説明)ソフトを比較してみたい人にとっては、参考にしにくい本です。はじめに、パワーポイントが何をするソフトでどんなことができるのかを具体的に書いてあれば、概略を知ることができて、操作説明が理解しやすいように思います。

 本書の最も優れているのは、「Point」です。マニュアル本を読むと、たいていの場合、あらゆる機能を使いたくなります。イラスト、動画、効果音、アニメーション機能などです。しかし、この「Point」は、パワーポイントの本来の目的である「効果的なプレゼンテーションの遂行」を呼び起こしてくれます。
 たとえば、137ページのPointには、イラストの位置について解説があります。また、169ページには、アニメーションの多用は逆効果になるアドバイスをしています。これは、マニュアルでありがちな視点の問題を解決しています。制作において、ソフトの機能重視の作り手側の意識から、プレゼンテーションがオーディエンス(聞く側)のためにあることを再認識させてくれます。

 記載があれば便利だと思ったのが、機能ごとの版(バージョン)の明記です。
 たとえば、箇条書きの機能では、97-2003版を含めてすべての版で使える、とか。動画のこの機能は、2013版のみ、とかです。これを、レッスンナンバーのところに表記し、巻末に機能と取扱可能な版の一覧表があれば便利です。
 発表の環境を視野に入れて、内容の構想を練ることができるからです。せっかく作っても見られない編集できないようでは、その目的を果たせません。
 互換性の問題ですが、97-2003版形式で保存すれば、2013版のすべての機能が見られるのでしょうか。私の理解が間違っていたらごめんなさい。

 この本を学習する際に、弊サイトのプレゼンテーションを作ることにしました。気づいたのが、弊サイトの目的や方法がはっきりとしたことです。ある程度の資料が集まると、当初の方向性が違ってくることがあります。見直すと、この資料は何のために収集したのかと感じることがあります。そんなとき、簡潔にまとめるプレゼンテーションは、方向性を確かなものにしてくれます。目的や趣旨を一点に集約してくれます。また、問題点も浮き彫りになってきます。
 機能の習得に精一杯で、結局、弊サイトのプロモーションのプレゼンテーションを完成できませんでした。

 パワーポイントは、ワードやエクセルのソフトと使い方が同じところがあります。日頃、私はこのソフトを使っているので、学習が楽なように感じました。デジタルカメラでたくさん写真を撮っているので、パワーポイントでアルバムを作ろうかなと思いました。動画や効果音などを入れると楽しいものができそうです。

この書物を選んだ理由

 ある職場で発表をするとき、パワーポイントを使っていましたが、私は人任せにしていました。私は専ら内容を作ることに専念していました。パワーポイントを操作する人から、簡単だから特に勉強しなくても大丈夫で、いつでも使えるようになる、と言われたことがありました。しかし、パワーポイントでどんなことができるのか知りません。どのように操作するのかもわかりません。今になって、パワーポイントって何?という感じです。
 このわからないという気持ち悪さを解消するために、パワーポイントを学習することにしました。
 「できるシリーズ」を選んだのは、『できる ホームページHTML&CSS入門』を一読して、弊ホームページを作る気になったからです。この「できるシリーズ」なら、わかりやすく、すぐに操作できるようになるだろうと思ったからです。

私の読み方

 マニュアル本は、実際に機械を操作しながら、読み進めます。
 この時に、レッスンのナンバーの1つをさらっと目を通してから、機械を操作しながらじっくりと学習を進めました。はじめにじっくりと読んでも、操作するときには再度本を見ることになるからです。
 次に、ページが、マニュアル部分と「Point」などのアドバイス部分の2つのタテ(2カラム)に分かれています。また、2ページにわたって見開きで見るように作られています。最初、マニュアル部分を読み、それに併せてサイドのアドバイス部分を見るようにしました。サイドに関連したアドバイスがあったからです。先にマニュアル部分、その後アドバイス部分と分けて学習を進めるよりも、視線が左右して面倒くさいようですが、関連する部分をその都度見た方が学習を効果的に進められるような気がしました。

 文芸書のようにリズミカルには読めません。一区切り読んでは、機械を操作するの繰り返しです。マニュアルどおりにモニターに反映しなかったり、機械の操作を誤るとイライラします。そういうことは当然のことと覚悟して、できるだけ広い範囲を見ながら、リラックスして学習を進めました。楽に見ることができ、疲れもあまり感じませんでした。
 同じ学習パターンの繰り返しになるので、退屈に思うときがありました。そのためか、1日1章を学習するのがやっとでした。マニュアルは、必要なところだけ見るようにできています。やはり、読み物としては不向きなのでしょう。

 目次、索引は見やすく、必要な箇所をすぐに探せそうです。「Point」の索引があれば最高です。付録、用語集、巻末特別付録など、パワーポイントを支援する知識が掲載されています。至れり尽くせりの、よくできたマニュアルです。お陰様で楽しく学習できました。ありがとうございました。

読書所要時間など

 所要時間 : 22日5時間19分
 読み始め : 2015(平成27)年4月6日(月)午前11時45分
 読み終わり : 2015(平成27)年4月28日(火)17時04分
 読んだ範囲は、まえがきから版刷の書いてあるところまで。表紙からまえがきの前のページまで、練習問題と解答、第11章、付録、用語集、索引、巻末特別付録、カバー、帯は軽く目を通しました。

出来事

  • 4月22日(水) 首相官邸に小型無人飛行機ドローンが落下。
  • 4月22日(水) チリでカルブコ火山が大噴火。
  • 4月23日(木) ホンダジェットが日本に初飛行。羽田空港に着陸。
  • 4月25日(土) ネパールでマグニチュード7.8の地震。被害は甚大。

ひととき

ハナニラ

 花韮(はなにら)でしょうか。田舎の畑に咲いていました。近くの空き地でもよく見かける花です。
 2015(平成27)年4月4日(土)撮影。

調べたこと

1 推敲(すいこう)
2 羅列(られつ)
3 一目瞭然(いちもくりょうぜん)
4 配付(はいふ)と配布(はいふ)
  「配付」は、特定の場所と人に配る場合。たとえば、クラス全員に配る場合は「配付」。メンバーが誰か特定できるからです。要は、1人1人に配り付けているのでしょうね。 「配布」は、不特定の場所と人に配る場合。駅前などの街頭で、通行人に配る場合は「配布」。  特定の場所「映画館」で、誰だか構成員がわからない不特定の人に、映画に関する文書を配る場合はどちらでしょうか。映画鑑賞の目的を持った構成員という意味では「配付」になりそうです。しかし、誰だかわからないという意味では「配布」のようにも思えます。文書の性格によっても迷う場合がありそうです。 ある辞書によると、「配布」が通常使われるようです。日頃から「配布」を使えばいいということです。上記の映画館の場合、「配布」を使えばよいことになります。 しかし、試験などで「配布と配付の違いを述べよ」との出題があった場合、特定の場合に「配付」を使うと覚えておけば、正解に近づくことでしょう。 その違いを明快に解説した記述は見当たりませんでした。
 わかりやすい言葉を使ってありました。パワーポイントに関する言葉は、文中での解説や、用語集でわかるようになっていました。辞書をほとんど使うことなく、学習を終えました。調べる手間ないので、学習に専念できました。

 以下余白

更新記録など

2015(平成27)年4月29日(水) : アップロード
2016年1月21日(木) : レスポンシブ様式に改装