『雑談力が上がる話し方』
- 副題など
- 「30秒でうちとける会話のルール」
- 著者など
- 齋藤 孝(さいとう たかし)氏著
- 出版社など
- ダイヤモンド社さん
- 版刷など
- 読んだものは、2013年4月第17刷
- ボリューム
- 182ページ
感じたこと
就職した時のことを思い出しました。入社式、新人研修を終え、配属されたところは、自宅から遠く離れたところでした。一人暮らし、正社員の立場、仕事、通勤など環境が大きく変わりました。その中で苦労したのが会話です。イントネーション、言葉、スピードなどが違うのです。相手の言ったことはわかるのですが、上司に報告するときに内容をうまく伝えられません。少々変化した内容になったり、欠落した報告になっていました。何とか改善したいのですが、いかんともしがたい状態でした。ちょうど、蛇ににらまれたカエル、催眠にかかったような、そんな表現がピッタリでした。もどかしい気持ちが募るばかりでした。これが、カルチャーショックか、とため息をつきました。
手をこまぬいているわけにはいきません。何とかしなければ、との思いを強くしました。通勤でよく見る広告で、「話し方教室」が気になっていました。情けない状態になる前は、話し方にお金を払うなんて・・・、と思っていました。藁(わら)をもつかむ思いで、やってみようと思いました。ところが、お金がありません。当時の初任給では、生活するのがやっとです。あきらめきれないので、江川ひろし氏著の話し方に関する本を買いました。残念ながら、タイトルを覚えていませんし、現在、本は手元にありません。
読むのに1ヶ月以上かかったと思います。本書から私は、人の気持ちを考える、ことを学びました。できることから一つ一つ実行することにしました。
最初にしたのが、あいさつの仕方を変えることでした。ただ単に大きな声で明るく言うのではなく、人を見て、あいさつするようにしました。人によっては体調の優れないこともあるからです。小さな声で、「おはようございます」「風邪ですか」とあいさつします。相手の体調がわかると、「早く良くなるといいですね」「お大事に」などの言葉で締めくくることにしました。その人のところへは、今必要な仕事だけをお願いするようにしました。
食堂などで、誰も座っていない席が空いているのかどうかわからないことがあります。このときは、空席近くの人に「この席、空いていますか」とたずねます。席を取っていたり、座って欲しくないと思っていたら「使ってます」の返事が返ってきます。空いているときは「どうぞ」「大丈夫だと思いますよ」などの返事が返ってきます。魅力的なイケメン男性に空席の確認をされた女性は、たとえ上司の席でも「どうぞ」と言ってしまうことがあるはずです。この件で、上司は部下を怒りません。なぜなら、張り合ったとしても結果がわかるからです。職場に戻ると、この話で盛り上がること間違いなしです。ただし、人間関係ができていたら、の話ですが。
この「空いてますか」の一言は、その後の食事を快適にするかどうかを決めます。黙って座ってしまうと、人の目を盗んで座ったような気持ちになります。人が席を取っていたら、気まずい雰囲気になります。立場が変われば、一言の有る無しで、座った相手への感情が違ってきます。一言かければ、安心して食事を味わえます。
人の前を横切るとき「前を失礼します」とか、道幅いっぱいに歩く人たちを追い越したいとき「後ろ、通ります」など、一言声をかけると違ってきます。
入社して半年が過ぎた頃、学生時代の友人に出くわしました。勤務先が近くだったので、食事や遊びによく行きました。どうでもいい話をするにつれ、元どおりの自分に戻って行きました。そう思えるようになったのは、後輩ができる頃でした。
この経験で私が学んだのは、自分と人の存在を意識したことです。人から無視されると、腹が立ちます。人を無視すると、にらまれます。たとえ通りすがりの人でも、接点のある場合は同じです。一言かければ、堂々としていられる。生き方が変わると、話し方に関する本が主張するのもわかります。その上、本書のように雑談ができるようになるなら申し分ありません。自分も楽しみ、人も和ませ、わずかな時間でも快適に過ごせるはずです。
読書するときに、こういう感じにできないだろうかと思いました。しかし、質問しても、本は答えません。もし、本が口を開いて答えたらどうでしょう。「ちょっと体調が優れないようだけど。だいじょうぶ」と気遣って聞くと・・・。「聞いてくれよ。昨日さぁ、ページを繰るたびに手で強く折り目を入れやがるんだ。マーカーやら付箋(ふせん)、書き込みまでするんだぜ。わかるだろ。顔色悪いのって」と、本はきっと言います。「ごめんなさい」。
この書物を選んだ理由
本とやり取りをしながら読書する方法はないものか、と考えています。書いてあることからより多くのことを導き出すような読み方です。真面目に理屈っぽく読むのと併せて、本題とは関連しつつも違う話題に発展するようにです。そのため、雑談に魅力を感じました。リラックスして読書したり、物事への興味を強くしたり、広い視野を持てることを雑談に期待しています。
私の読み方
雑談の本だけあって、カギ括弧を使った会話形式の表現が多くありました。読んでいると雰囲気が伝わってくるので、わかりやすいと感じました。
1行が楽に視界に入る長さでした。1行36~7文字くらいで、文字は少し小さめです。1行が短いので、ページの上下の余白が気になりました。行間は、心持ち広い方が読みやすいのでは。太字、傍線を使ったところがあるからです。5、6行が視界に入り、リラックスして読めました。
図は、まとめの役割をしていました。図を見てから本文を読んでも、その逆も、読むのを助けてくれました。わかりやすく、ポイントを押さえた図だと思います。
読み方は当サイトの方法を使いました。全体を視界に入れて、読む方法です。本書はたいへん読みやすかったです。わかりやすい文章はもちろんですが、もしかすると、ページの余白に秘密があるのかもしれません。
読書所要時間など
所要時間 : 3日19時間37分
読み始め : 平成26年12月15日(月)21時11分
読み終わり : 平成26年12月19日(金)16時48分
読んだ範囲 : カバー、帯。本書の最初の表題から、巻末の書籍の広告まで。はじめに、目次、おわりに、も読みました。
取り上げられた書物など
- 『課長バカ一代』 野中英次氏著
- 『「甘え」の構造』 土居健郎氏著氏著
など、その他、マンガの紹介がありました。
出来事
12月14日(日)衆議院選挙は、自民党が約6割の議席を確保。
12月17日(水)アメリカがキューバと国交交渉の開始を発表。
12月19日(金)STAP細胞の検証打ち切りを理研が発表。
ひととき
アオサギです。日当たりのよい海岸の石畳にいました。後でもう1羽が来て、2羽仲良く並んでいました。近づくと2羽とも少し遠くに飛び立ち、同じように仲良く並びました。
平成26年12月15日(月)撮影。
調べたこと
- 1 雑談(ざつだん)
- 2 会話(かいわ)
- 3 ルール(rule)
- 参考:マナー(manners)。
- 4 沈黙(ちんもく)
- 5 苦手(にがて)
- 6 思春期(ししゅんき)
- 7 口下手(くちべた)
- 8 シャイ(shy)
- 9 テキメン(覿面)
- 10 気まずい(きまずい)
- 11 社会性(しゃかいせい)
- 12 対峙(たいじ)
- 13 途端(とたん)
- 14 要件(ようけん)
- 用件(ようけん)との違いは?
- 15 商談(しょうだん)
- 16 地均し(じならし)
- 17 ファクター(factor)
- 18 当たり前(あたりまえ)
- 19 欹てる(そばだてる)
- 20 紋切り型(もんきりがた)
- 21 緩い(ゆるい)
- 22 ずるずる
- 23 秘訣(ひけつ)
- 24 一貫性(いっかんせい)
- 25 落ち(オチ)
- 26 さくっと(サクッと)
- 27 小気味好い(こきみよい)
- 28 気詰まり(きづまり)
- 29 仕掛ける(しかける)
- 30 流暢(りゅうちょう)
- 31 たどたどしい
- 32 滋味(じみ)
- 33 朴訥(ぼくとつ)
- 34 相槌(あいづち)
- 35 先天的(せんてんてき)
- 36 スキル(skill)
- 37 定評(ていひょう)
- 38 リアクション(reaction)
- 39 アクション(action)
- 40 斬新(ざんしん)
- 41 チャーミング(charming)
- 42 見え透く(みえすく)
- 43 世辞(せじ)
- 44 のっけ(仰け)
- 45 ぶち壊す(ぶちこわす)
- 46 応(おう)
- 47 大人気ない(おとなげない)
- 48 連想(れんそう)
- 49 ワイドショー(wide show)
- 50 席捲(せっけん)
- 51 女将(おかみ)
- 「にょしょう」とは読みません。女性(にょしょう)。
- 52 フェードアウト(fade out)
- 対義語は「フェードイン(fade in)」。
- 53 見事(みごと)
- 54 火を付ける(ひをつける)
- 55 強迫観念(きょうはくかんねん)
- 56 矢継ぎ早(やつぎばや)
- 57 難儀(なんぎ)
- 58 気の毒(きのどく)
- 59 立ち往生(たちおうじょう)
- 60 手持ち無沙汰(てもちぶさた)
- 61 ディフェンス(defense)
- 対義語は「オフェンス(offense)。
- 62 パブリック(public)
- 対義語は「プライベート(private)」。
- 63 タフネス(toughness)
- 64 レスポンス(response)
- 65 反応(はんのう)
- 66 太鼓判(たいこばん)
- 67 所詮(しょせん)
- 68 和む(なごむ)
- 69 ターゲット(target)
- 70 うざい
- うざったい。
- 71 扱き下ろす(こきおろす)
- 72 ねた
- 73 ゴシップ(gossip)
- 74 悪口(わるくち)
- 75 陰口(かげぐち)
- 76 フック(hook)
- 77 饒舌(じょうぜつ)
- 78 一期一会(いちごいちえ)
- 79 鉄板(てっぱん)
- どうも業界用語のようです。「確実」とか「定番」の意味のようです。
- 80 レクチャー(lecture)
- 81 切っ掛け(きっかけ)
- 82 皆無(かいむ)
- 83 果敢(かかん)
- 84 胸を借りる(むねをかりる)
- 85 憤る(むずかる)
- 86 ストラップ(strap)
- 87 グッズ(goods)
- 88 キャラクター(character)
- 89 ステーショナリー(stationery)
- 90 アイテム(item)
- 91 ツール(tool)
- 92 王道(おうどう)
- 正統な方法・道と、楽な方法・道の2つの意味の違いに注意。
- 93 信憑性(しんぴょうせい)
- 94 取って付けたよう(とってつけたよう)
- 95 無尽蔵(むじんぞう)
- 96 ファブリック(fabric)
- 97 ジャンル(genre)
- フランス語。
- 98 エリア(area)
- 99 しゃちほこばる(鯱張る)
- しゃっちょこばる。
- 100 きちんと
- 101 しどろもどろ
- 102 俯瞰(ふかん)
- 103 一目置く(いちもくおく)
- 104 人見知り(ひとみしり)
- 105 コミュニティ(community)
- 106 人望(じんぼう)
- 107 おべんちゃら
- 108 八方美人(はっぽうびじん)
- 109 てんで
- 110 ナンセンス(nonsense)
- 111 シチュエーション(situation)
- 112 推奨(すいしょう)
- 113 耽る(ふける)
- 114 気さく(きさく)
- 115 あやす
- 116 懐く(なつく)
- 117 将を射んと欲すればまず馬を射よ(しょうをいんとほっすればまずうまをいよ)
- 118 クレーム(claim)
- 119 クッション(cushion)
- 120 奮発(ふんぱつ)
- 121 勿体を付ける(もったいをつける)
- 122 ぼろくそ(襤褸糞)
- 123 コミック(comic)
- 参考:アニメ(アニメーション〔animation〕)。
- 124 企てる(くわだてる)
- もくろむこと。
- 125 目眩く(めくるめく)
- 126 間合い(まあい)
- 127 その節(そのせつ)
- 128 印籠(いんろう)
- 129 呆然(ぼうぜん)
- 130 平伏す(ひれふす)
- 131 資質(ししつ)
- 132 ハグ(hug)
- 133 蚊帳の外(かやのそと)
- 134 上様(かみさん)
- 135 無上(むじょう)
- 136 種火(たねび)
- 137 バリュー(value)
- 138 お茶目(おちゃめ)
- 139 水を得た魚のよう(みずをえたうおのよう)
- 140 他愛無い(たあいない、たわいない)
- 141 デトックス(detox)
- 142 剣幕(けんまく)
- 143 吐露(とろ)
- 144 一朝一夕(いっちょういっせき)
- 145 肩肘張る(かたひじはる)
- 146 気心(きごころ)
- 147 高尚(こうしょう)
- 148 語彙(ごい)
- ボキャブラリー(vocabulary)。
- 149 ハードル(hurdle)
- 150 頷く(うなずく)
- 151 凌駕(りょうが)
- 陵駕。
- 152 スキル(skill)
- 153 希薄(きはく)
- 稀薄。
以下余白