『すっきり! わかりやすい! 文章が書ける』
- 著者など
- 高橋 俊一(たかはし しゅんいち)氏著
- 出版社など
- すばる舎さん
- 版刷など
- 読んだものは、2012年〔平成24年〕2月第4刷
- ボリューム
- 174ページ
感じたこと
わかりやすい! やってみようかな! うまくできるかな? という本でした。
学生時代に学級新聞の原稿を頼まれたことがありました。担当者からテーマと趣旨を伝えられ、構想を練りました。いざ、原稿用紙を前にすると、頭の中が真っ白になり、書けなかったのを覚えています。なぜ書けないのだろう、と困惑しました。気持ちを落ち着け、何からはじめるか考えました。言われたことを何回も思い出し、テーマと趣旨に合ったことを考えました。それでも、原稿用紙を前になすすべがありませんでした。締め切り間近になって、とにかく書き始めました。そのときに感じたのは・・・。
原稿用紙を使わない。白紙を使う。
原稿用紙にはマス目があり、自分の考えを自由に表現できません。表現方法は、文字だけでなく、絵、記号など様々なものがあります。自分の使いたい方法を選びます。たとえば、絵を描いたり、文字を大きくしたり小さくしたりなどです。
使う用紙は、白紙が適しています。チラシの裏、コピー用紙、情報カードなどです。落書き感覚だと、気楽に自分の思いを書けます。書き終わったら、赤鉛筆などで印をつけるのも遠慮なくできます。A5やB6サイズの紙では、並べ替えて、文章を作ることもできます。大切なのは、自分の考えを目に見える状態にする、ことです。これにより、出来上がった原稿を想像しやすくなります。
内容を絞る
自分の思いを紙面に書き出すと、どれも原稿にしたくなります。すべてを掲載しても、読者はすべてを読みません。興味があれば、読者自身が調べます。すべてのことを完璧に伝えることはできません。自分のメッセージをひと言だけ伝えるようにします。これだけはというものです。
先ほどの紙を見て、自分の伝えたい言葉、短いフレーズは何かを考えます。それを念頭に、文章を作ります。参考にするのは、最初に書いた紙です。結論は、伝えたい言葉を入れます。
他人に読んでもらう。
出来上がった文章の、誤字脱字や、言いたいことが伝わったかどうか、本人は気づきません。頭が冷えてから、文章を見直します。できれば、信頼できる人に読んでもらうのが、よい方法です。誤字脱字だけでなく、伝わったかどうかを確認できます。評価をもらうと、自分の実力がわかります。そして、要点は何かを質問して、自分の伝えたいことだったら、文章はできています。後は、原稿用紙に清書するだけです。
今でも白紙は驚くほどの効果があります。メモに使うのは、罫線の薄いものや白紙を使っています。書くときは罫線を無視しています。
本書は勉強になりました。しかし、このページを書いていると、なぜだか、ぎこちなく感じられます。本書のとおりに書こうとすると、どこかぎこちなくなりました。
ところで、弊サイトの文章の質は向上しているのでしょうか。あなたはどう思いますか?
この書物を選んだ理由
文章の作り方を知ることで、読書の技術が向上するかもしれません。わかりやすい文章を書けるようになれば、なおいいことです。
私の読み方
対象とする文章は何かを本書のはじめに書いて欲しいと思いました。巻末のコラムに、「新聞記事程度・・・」と記載がありました。
文字が小さいのですが、読みやすい本でした。わかりやすく、読みが止まることはありませんでした。一つのテーマをレッスンとして、52個あります。1レッスン読むのに、短い時間で読めます。通勤、通学時に読めます。わからないと思う言葉がないのに驚きました。書き方で言葉の意味を推測できるのでしょう。
タテ書きが多い本の中で、ヨコ書きになっていました。学術書のような感じでした。ヨコ書きにすると1行あたりの文字数が減ります。視界の中に4、5行がハッキリと見えました。「悪い例」「良い例」を同時に視界にいれて、比較できました。人間の目は、タテよりヨコに視界が広いのかもしれません。
技術を伝える本は、単調になりがちです。それを章末のコラムがほどよく補っていました。
弊サイトで取り上げたものの中で、最も読みやすい本でした。その理由がよくわからない不思議な本でした。その感触のお試しをお勧めします。
読書所要時間など
所要時間 : 3日18時間6分
読み始め : 平成26年12月1日(月)午前4時41分
読み終わり : 平成26年12月4日(木)22時47分
読んだ範囲は、カバー、帯、本書の表題から、眼鏡を掛けた人が「と」のカードを3つ並べた絵が描いてあるところまで。
取り上げられた書物など
- 『文章読本』 丸谷才一氏著
- 『現代文の書き方』 扇谷正造氏著
など、コラム、巻末に多数紹介されています。
出来事
12月2日(火) 俳優の菅原文太さんが11月28日(金)に死去の報道。
ひととき
サギです。家の近くの川にいました。川にはたくさんの小魚が泳いでいました。鳥だけでなく、スズキのような大きな魚も、小魚を狙っていました。
平成26年11月17日(月)撮影。
調べたこと
- 1 機能的(きのうてき)
- 2 仕切る(しきる)
- 3 ・・・こたえ(・・・応え)
- 4 重量感(じゅうりょうかん)
- 5 意思(いし)
- 「意志」との違いは?
- 6 読本(とくほん)
- 7 ベテラン(veteran)
- 8 文筆家(ぶんぴつか)
- 9 曲者(くせもの)
- 10 アピール(appeal)
- 11 とんと
- 12 巡る(めぐる)
- 13 一衣帯水(いちいたいすい)
- 14 じらす(焦らす)
- 15 ためらう(躊躇う)
- 16 キャンペーン(campaign)
- 17 意図(いと)
- 18 デリケート(delicate)
- 19 中途半端(ちゅうとはんぱ)
- 20 明示(めいじ)
- 21 クレーム(claim)
- 22 おっとり
- 23 せっかち
- 24 早とちり(はやとちり)
- 25 体言止め(たいげんどめ)
- 26 刷新(さっしん)
- 27 クライアント(client)
- 28 プレゼン(presentation)
- プレゼンテーション。
- 29 イシュー(issue)
- 辞書には載っていませんでした。インターネットで調べました。
- 30 ちんぷんかんぷん(珍紛漢紛、珍糞漢糞)
- 31 業界用語(ぎょうかいようご)
- 32 こちこち
- 33 ニュアンス(nuance)
- フランス語。
- 34 平坦(へいたん)
- 35 しらける(白ける)
- 36 簡潔(かんけつ)
- 37 的中(てきちゅう)
- 38 こそ泥(こそどろ)
- こそこそ泥棒(こそこそどろぼう)。
- 39 余韻(よいん)
- 40 浸透(しんとう)
- 41 あやふや
- 42 細心(さいしん)
- 43 済州島(チェジュド)
以下余白