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読んでやる! 読んだもの
№18 『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』

 マニュアル学習を生かし、捨てることで必要なことに集中する。対話をとおして問題意識を明確化する。今までにない、考えることについての導き方があったように感じました。

『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』

副題など
想定外の時代を生き抜くためのヒント
著者など
上田 正仁氏著
出版社など
ブックマン社さん
版刷など
2013年7月初版。読んだのは、同年初版第5刷。
ボリューム
199ページ

感じたこと

 「運・鈍・根(うん・どん・こん)」と「守・破・離(しゅ・は・り)」を思い出しました。

 「運・鈍・根(うん・どん・こん)」は、私よりかなり年上の知人から教えてもらった言葉です。「運・根・鈍」ともいうようです。物事をなすうえで必要なのは、この3つが必要なのだそうです。仕事のことで愚痴をこぼしていると、この言葉とその意味を教えてもらいました。
 この言葉の中でも、やはり運が一番なのでしょうか。私が素朴に思うのは、最初にそれが運とわかる人がいるのか、ということです。
 新規の顧客を獲得するために、営業をしたことがあります。月に10社程度、取引のない会社にセールスに行くのです。事前に準備することは、自社の製品を必要とする会社なのかどうか、訪問先の取引状況などを調べます。そして、購買担当者にアポイントメントを取ります。筋違いの場合は別として、少しでも脈がありそうな場合は、カタログだけでも置かせてもらえないかとお願いして訪問しました。
 ある会社では人事係長に応対してもらったことがあります。異動があり新任の購買担当ではわからないので、前の購買担当者だということでした。カタログを関係しそうな担当部署に置くという言葉をもらいました。名刺交換から退去まで3分なかったと思います。
 この新規セールスは、準備、面談、フォローに、かなりの時間と労力、神経を使います。にもかかわらず、一年経っても、売れるどころか問い合わせすらないので、さすがにへこみました。それから半年経ったとき、人事係長が応対の会社から、自社の主力製品について問い合わせがありました。しかし、営業マンの指名はなく、商社からの話だったかもしれず、結局、この話は本社預かりとなりました。私はこのときに、もう少しだけこの営業を頑張ってみようと思いました。もしかしたら、自分の持参したカタログを見てくれた人がいるかもしれないと感じたからです。誰かにカタログを見てもらわないと、製品を知ってももらえないのです。たとえ、1,000社にセールスして実績0でも、自社製品の宣伝になると考えるようになりました。
 それから、2、3ヵ月経った頃、都心からかなり離れた工場にセールスに行きました。とても自社製品を必要とする会社には思えませんでしたが、購買担当の方はカタログを受けとってくれました。それから、1週間経たないうちに、問い合わせがありました。研究室で使いたい製品があるので、詳しい話を聞きたいというのです。それから、話は順調に進み、1ヶ月経たないうちに自社の脇役商品の小商談が成立しました。
 決まるときはあっけないと先輩から聞いていましたがそのとおりでした。あのとき、私があきらめていたら、この気持ちを味わうことはなかったでしょう。
 ちなみに、私は納品に立ち会うことはできませんでした。この製品の納入の前に、私が異動したからです。最後まで見届けられなかったのは、いまだに心残りです。
 私はこの経験から、初めて見てそれが幸運かどうかを知ることはできないと感じました。やり続ける中で、このような幸運に巡り会うのだと思いました。そして、この努力を続けられたことが、何よりも幸運だったと私は思っています。

 「守・破・離」という言葉を、学校で友達から聞きました。この言葉は、物事をマスターするために必要なステップなのだそうです。
 初めは師匠の言うことを忠実に厳格に守るのだそうです。そのことが当たり前になると、師匠の言ったことが本当に正しいのか、もっと発展できないのか自分でいろいろ試してみる段階に入るそうです。最終的に、自分に最もよい方法や境地を編み出すということらしいのです。
 ほとんどの場合、入門者や初心者を教える人は、少しうえの先輩か、指導員と呼ばれる師匠の弟子たちです。しかし、師匠と呼ばれる人の中には、入門者や初心者を半年ほどみっちりと直に指導する方がいると聞いたことがあります。その理由は、基礎基本をしっかりと身につけないと、将来的に発展しないからだそうです。個人の癖を持った基礎基本は、成長を止めるということです。また、師匠がマンツーマンでその人の性格に合ったように癖のない基礎基本を習得させるそうです。これは「守」の部分なのでしょう。弟子が指導員の実力に近づく頃、師匠は弟子の特長を最大限に生かす方法を暗に示す指導をするのだそうです。その弟子の中から、師匠と同じように独自の境地を持った者が生まれるのだそうです。
 聞いた話ですが、よくできた話だなと思いました。指導者は経験でどのような基礎基本が必要で、どのようにすればその人が伸びるのかわかるのでしょう。このことから習う側が師匠を選ぶのは最も重要なことと言えます。師匠を選べない場合でも、この言葉を胸に上達できるかもしれません。最後にこれもまた人から聞いた話ですが、ある師匠は入門者を育て上げる自信がないときは、はっきりとそのことを伝えるのだそうです。入門者の大切な時間を無駄にしてはいけないとの考え方らしいのです。他の指導者のもとで才能が開花するかもしれないし、その人に才能がないということかもしれません。師匠にとっても、無駄な時間ということになります。師匠も入門者を選ぶ必要があるということでしょう。

 「運・鈍・根」、「守・破・離」ともに個人の行動についてのことです。この2つに共通するのは、何かをやり続けている、ということです。そして、自分の意志で行動していることだと思います。

この書物を選んだ理由

 新聞の広告欄を見て気になったので買いました。東京大学の先生は、何を考え感じ、どんなことを教えてくれるのだろうと興味を持ちました。今まで読んだ「考える」本は、どちらかというと文科系のように感じていました。理科系の著者はどのような観点から「考える」を認識しているのか、知りたいと思いました。

私の読み方

 本は、大学や社会人の1、2年生を対象にしているようです。または、これらの人たちを受け入れる側にとっても、速やかにチームを活動させるために役立つと感じました。
 本書に紹介されている方法は、私には向かないと感じました。私は、著者のように能力が高くないからです。取り上げられた人物も名だたる方々ばかりで、とても私の参考になるとは思えませんでした。頭のいい人はこんなことができるんだ、とただ驚くばかりでした。もう少し、一般人の目線で書いていただけると私にも理解できたかもしれません。
 また、参考文献が1つもないのに驚きました。文科系に比べて理科系の著者の場合、少ないことはあっても、本を全く取り上げていないのは驚きでした。ものの見方、考え方、心の持ち方などの記述が多いために、人物や現象を取り上げることが多くなったのかもしれません。考えることは、見方を変えるだけで可能なことを意図的に伝えようとしているのかもしれません、が。
 文字は少し小さいように感じましたが、行間、行の長さなど適当で、苦痛を感じず読むことができました。重要と思われるところは、書体がゴシックの太字になっていました。見直すときに、内容を思い出しやすく、探し出しやすいと感じました。できることなら、章と思われる「講」ごとに「まとめ」を作ってもらえると、理解をしやすかったかもしれません。
 いつものとおり、当サイトの『私の読み方』で読みました。

読書所要時間など

 所要時間 : 5日1時間36分
 読み始め:平成26年5月30日(金)13時50分
 読み終わり:平成26年6月4日(水)15時26分
 読んだ範囲は、カバー、帯、はじめにから版の記述のあるところまで。

出来事

 6月1日(土)群馬県館林市、岐阜県揖斐川町で最高気温36.3℃。

ひととき

写真雲

 写真は、5月25日(日)の夕方に撮影したものです。
 雲の色が少し変わっていました。夕方から風が強く吹き始めました。

夕陽

取り上げられた書物など

取り上げられた書物はありませんが、人物がありました。

  • アインシュタイン氏
  • スティーブ・ジョブズ氏
  • アンドリュー・ワイルズ氏

ほか数名。

調べたこと

1 道場(どうじょう)
2 さいなむ(苛む)
3 挫折(ざせつ)
4 ・・・柄(・・・がら)
5 脱却(だっきゃく)
6 銘打つ(めいうつ)
7 対話(たいわ)
8 五月病(ごがつびょう)
9 マニュアル(manual)
10 養成(ようせい)
11 間際(まぎわ)
真際。
12 皆目(かいもく)
13 見当(けんとう)
14 携わる(たずさわる)
15 指針(ししん)
16 システマティック(systematic)
システマチック。
17 ・・・外(・・・がい)
18 別種(べっしゅ)
19 偉大(いだい)
20 謙遜(けんそん)
21 本心(ほんしん)
22 教訓(きょうくん)
23 烙印を押される(らくいんをおされる)
24 就活(しゅうかつ)
就職活動。
25 コネ(connection)
コネクション。
26 諦める(あきらめる)
27 世間(せけん)
28 取り立てる(とりたてる)
29 凡庸(ぼんよう)
30 社会人(しゃかいじん)
31 独自(どくじ)
32 修める(おさめる)
33 画期的(かっきてき)
34 成立(せいりつ)
35 淡淡(たんたん)
36 々
繰り返しの記号、符号。漢字ではないようです。
37 身近(みぢか)
38 芳しい(かんばしい)
39 測る(はかる)
測る、計る、量る、図る、謀る、諮る、の違いは?
40 目安(めやす)
41 精鋭(せいえい)
42 イノベーティブ(innovative)
インターネットで調べました。
43 リーダーシップ(leadership)
44 ・・・ship(・・・シップ)
45 おかげ(御陰、御蔭)
46 息切れ(いきぎれ)
47 しばしば(屡々)
48 先入観(せんにゅうかん)
49 クリエイティブ(creative)
クリエーティブ。インターネットでも調べました。
50 実社会(じっしゃかい)
51 スキル(skill)
52 再現(さいげん)
53 収める(おさめる)
「納める」との違いは?
54 類型(るいけい)
55 推奨(すいしょう)
56 ノウハウ(know-how)
ノーハウ。
57 シチュエーション(situation)
58 賛同(さんどう)
59 不測(ふそく)
60 杓子定規(しゃくしじょうぎ)
杓子定木。
61 マーケット(market)
62 ニーズ(needs)
63 無限(むげん)
64 突入(とつにゅう)
65 逸脱(いつだつ)
66 山積(さんせき)
67 拘泥(こうでい)
68 粘り(ねばり)
69 芸当(げいとう)
70 光子(こうし)
71 漁る(あさる)
72 文献(ぶんけん)
73 咀嚼(そしゃく)
74 メソッド(method)
メソード。
75 煮詰まる(につまる)
76 漠然(ばくぜん)
77 彼方(かなた)
78 多寡(たか)
79 心掛け(こころがけ)
80 一脈通じる(いちみゃくつうじる)
81 極意(ごくい)
82 落差(らくさ)
83 愕然(がくぜん)
84 リクルート(recruit)
85 お家芸(おいえげい)
86 セミナー(seminar)
ゼミナール(Seminar)は、ドイツ語。
87 徹する(てっする)
88 本筋(ほんすじ)
89 発掘(はっくつ)
90 途方(とほう)
91 途方に暮れる(とほうにくれる)
92 フレッシュマン(freshman)
93 物怖じ(ものおじ)
94 多角的(たかくてき)
95 逸話(いつわ)
96 萌芽(ほうが)
97 糸の切れた凧(いとのきれたたこ)
よく聞くフレーズですが、辞書に載っていませんでした。インターネットでも調べましたが、よくわかりませんでした。
98 忘却(ぼうきゃく)
99 他愛ない(たわいない、たあいない)
100 放置(ほうち)
101 うっちゃる(打遣る)
102 棚上げ(たなあげ)
103 袋小路(ふくろこうじ)
104 くせ者(くせもの)
曲者。
105 助け船(たすけぶね)
106 ツール(tool)
107 クリアー(clear)
クリヤー。
108 憧れ(あこがれ)
109 更地(さらち)
新地。
110 クライアント(client)
111 アレンジ(arrange)
112 付加価値(ふかかち)
113 のべつ幕なし(のべつまくなし)
114 真偽(しんぎ)
115 不明(ふめい)
116 翻弄(ほんろう)
117 安直(あんちょく)
118 鵜呑み(うのみ)
119 峻別(しゅんべつ)
120 誤植(ごしょく)
121 レポート(report)
リポート。
122 タイトル(title)
123 派手(はで)
124 クオリティ(quality)
125 ばらつき
126 サーベイ(survey)
127 収拾(しゅうしゅう)
128 既存(きそん)
129 王道(おうどう)
130 当たり前(あたりまえ)
131 ブレークスルー(breakthrough)
132 理(り)
133 ルール(rule)
134 スピーディ(speedy)
135 リストアップ(list up)
和製英語。
136 アクセス(access)
137 デメリット(demerit)
対義語は、メリット(merit)。
138 ブックマーク(bookmark)
139 闇雲(やみくも)
140 嗅覚(きゅうかく)
141 心積もり(こころづもり)
142 臨む(のぞむ)
143 羽目(はめ)
破目。端目。
144 アブストラクト(abstract)
145 大胆(だいたん)
146 精査(せいさ)
147 改訂(かいてい)
148 曖昧模糊(あいまいもこ)
149 プロセス(process)
150 テクニック(technic、technique)
151 アドバイス(advice)
152 脚光(きゃっこう)
脚光を浴びる(きゃっこうをあびる)。
153 リターン(return)
154 二番煎じ(にばんせんじ)
155 摘み取る(つみとる)
156 せかす(急かす)
157 あくせく(齷齪)
あくさく。
158 可視(かし)
159 インパクト(impact)
160 誓う(ちかう)
161 奥底(おくそこ)
162 乾坤一擲(けんこんいってき)
163 ギャンブル(gamble)
164 豪胆(ごうたん)
剛胆。
165 喫する(きっする)
166 辛抱(しんぼう)
辛抱強い(しんぼうづよい)
167 事例(じれい)
168 参照(さんしょう)
169 課題(かだい)
170 苦手(にがて)
171 チェーン(chain)
172 オリジナリティ(originality)
173 リピーター(repeater)
174 広角(こうかく)
175 柔軟(じゅうなん)
176 シミュレーション(simulation)
177 薄利(はくり)
薄利多売(はくりたばい)
178 消耗戦(しょうもうせん)
179 先見(せんけん)
先見の明(せんけんのめい)
180 モチベーション(motivation)
181 マイルストーン(milestone)
1マイルは、1.609㎞。海でいう1マイル(海里)は、1.852㎞。1ノットは、1.852㎞/1時間。
182 一体(いったい)
183 目ざとい(めざとい)
目敏い。
184 既得(きとく)
185 権益(けんえき)
186 創成(そうせい)
187 触媒(しょくばい)
188 ハプニング(happening)
189 道草(みちくさ)
190 一糸乱れず(いっしみだれず)
191 頭脳(ずのう)
192 安泰(あんたい)
193 脇道(わきみち)
194 横道(よこみち)
195 本道(ほんどう)
対義語は、「間道」。
196 一朝一夕(いっちょういっせき)
197 おっくう(億劫)
198 傍目(はため)
199 一夜(いちや)
200 成し遂げる(なしとげる)
201 熾烈(しれつ)
202 スペック(spec)
specificationの略。
203 秘密(ひみつ)
204 優位(ゆうい)
205 技術(ぎじゅつ)
206 延長(えんちょう)
207 構成(こうせい)
208 好例(こうれい)
209 突出(とっしゅつ)
210 ブランド(brand)
211 セレンディピティー(serendipity)
212 偶察力(ぐうさつりょく?)
インターネットで調べました。
213 突破口(とっぱこう)
214 碩学(せきがく)
215 がっかり
216 帰する(きする)
217 道しるべ(みちしるべ)
218 実績(じっせき)
219 運営(うんえい)
220 真摯(しんし)
221 ひらめく(閃く)
222 勉学(べんがく)
223 滅多(めった)
224 高揚(こうよう)
昂揚。
225 持論(じろん)
226 へこたれる
227 削ぎ落とす(そぎおとす)
228 予見(よけん)
229 綱渡り(つなわたり)
230 一昔(ひとむかし)
231 牽引(けんいん)
232 綻びる(ほころびる)
233 未曾有(みぞう)
234 事象(じしょう)
235 共有(きょうゆう)
対義語は「専有(せんゆう)」。
236 変貌(へんぼう)
237 底力(そこぢから)
238 一丸(いちがん)
239 不屈(ふくつ)
240 抽象画(ちゅうしょうが)
241 細密画(さいみつが)
242 キュービズム(cubism)
キュビズム(cubisme)。フランス語。
243 シュールレアリズム(surréalisme)
フランス語。
244 鮮烈(せんれつ)
245 早熟(そうじゅく)
246 踏み出す(ふみだす)
247 念頭に置く(ねんとうにおく)
248 イントロダクション(introduction)
249 インテリジェンス(intelligence)
250 国家(こっか)
251 元首(げんしゅ)
252 外交(がいこう)
253 インフォメーション(information)
254 何気ない(なにげない)
255 論調(ろんちょう)
256 トピック(topic)
257 アーカイブ(archive)
258 デバイス(device)
259 捨象(しゃしょう)
260 しぼむ(萎む、凋む)
261 グローバル(global)
262 融合(ゆうごう)
263 プライド(pride)
264 心持ち(こころもち)
265 解法(かいほう)
266 素通り(すどおり)
267 とぼける(恍ける)
268 術(じゅつ)
269 障壁(しょうへき)
270 リアルタイム(real time)
271 真正面(ましょうめん、まっしょうめん)
272 細心(さいしん)
273 一手(いって、ひとて)
「いって」と「ひとて」の意味の違いは?
274 足掛かり(あしがかり)
275 めげる

 以下余白

更新記録など

2014年6月5日(木) : アップロード
2016年1月18日(月) : レスポンシブ様式に改装