『禅』
- 副題など
- カバーには「・・・、ヨーロッパ世界へ向けて綴った英文論稿を新編集しておくる禅入門の名著。」とありました。
- 著者など
- 著作者 : 鈴木 大拙(すずき だいせつ)氏著
- 翻訳者 : 工藤 澄子(くどう すみこ)氏訳
- 解説者 : 秋月 龍珉(あきづき りょうみん)氏解説
- 出版社など
- 株式会社 筑摩書房 さん
- ちくま文庫
- 版刷など
- 1987年9月第1刷。読んだものは、2014年7月第19刷。
- ボリューム
- 219ページ。ただし、215ページ以降は「解説」です。
感じたこと
読んだもので取り上げた、№31『日本的霊性 完全版』、№112『現代訳 正法眼蔵 【新装版】』、中国の思想シリーズを思い出しました。
仏教や中国の思想シリーズは、かなり昔からあるものです。今日でもこれらの書籍が読まれているのは、人間の本質に迫ろうとしているからだと思います。個人、仲間、組織において、人の心の働きや、組織がどのように動くのか、です。
その中でも、個人の心の動きは最小単位です。そして、人間社会における個人の心の働きをテーマにしたのが仏教である気がします。
読むと、その時はそうかと自分なりに理解をした気になります。しかし、直面する享楽や苦渋には、いとも簡単に打ち負かされてしまいます。頭ではわかっていても、対応できません。もしかすると、誤解して読んでいたのかもしれません。
言葉のこともあります。調べてもわからなかったり、意味はわかっても感覚がつかめなかったりします。文脈から推察しますが、限界があります。
「・・・禅と論理はまったく別なもの・・・」(67ページ)、「禅は生きた事実である」(143ページ)を見たとき、ハッとしました。現実に生きてこそ禅になり、そこには言葉はないのです。
そういえば、中国の思想も同じです。現実の中で、思想を展開しています。
その道に入るからこそ、その意味するところを体得できるのでしょう。
本書は、禅についてわかりやすく書かれています。本書を読んでから、№31『日本的霊性 完全版』、№112『現代訳 正法眼蔵 【新装版】』、中国の思想シリーズを読んでいれば、違った感じを持ったと思います。
【2回目】
はじめて読んだときに比べて、新鮮味にかけました。覚えているところも多く、機械的に繰り返し読んでいる感じがしました。
理解において、1回目の時に感じたことが、2回目では、「もしかしたら・・・」というふうに思ったところがいくつかありました。
また、1回目には気づかなかったところを、じっくりと読んだときは、「本当に本を読んでいたのだろうか」と思いました。
2回目は言葉をだいぶわかっていたので、読みやすかったと思います。調べる手間が少なかったのがよかったです。
この書物を選んだ理由
№31『日本的霊性 完全版』を読んだときに、本書を知りました。その時に、読んでおいた方がいいと感じたので買っておきました。
【2回目】
1回目読んだときに、いい本だと思いました。もう一度読みたいと強く思ったので、間髪を入れずに2回目を読むことにしました。
私の読み方
なんて、わかりやすく書かれているのだろうと思いました。
英文で書かれたものを邦訳したのが本書です。海外の方に禅を知ってもらうには、読んだ人がわかることが大切です。読者の中には、禅の存在すら知らない人もいるはずです。
このことから、誰が読んでもわかるように著者は書いたのでしょう。キリスト教のことを書いているのに、その配慮を感じました。
そして、邦訳版でも、このことは貫かれているようでした。そして、翻訳者も参禅されているので、よりわかりやすくなったのかもしれません。
日本でも、禅について詳しく知っている人は少ない気がします。禅といえば、ただ座禅をし、禅問答をすることぐらいしか、私は知りません。何の目的で、何をして、何を目指しているのか、中身についてはまったくわかりません。
私のような素人には、結果として、翻訳の恩恵だったのかもしれません。
形式です。
文庫本です。文字は小さめです。濁点「゛」か半濁点「゜」なのか、わかりづらいので、虫メガネを何度か使いました。
できるだけ単行本を読むようにしているので、文字の大きさ、行長、行間、余白などに戸惑いました。
思ったことを書く余白を少なく感じました。
全体的に、すべてが大きければ、読みやすかったと思います。
ルビは丁寧につけられていました。たいていの本は、一度ルビをつけると、同じ言葉にはつけないようです。章などが変わり、既出の言葉でもルビがあるのは、読みを助けてくれました。
調べてもわからない言葉に苦労しました。最後の頼みの綱は、インターネットの検索です。確かに、禅に関するWebサイトはありました。そして、意味を知りたい言葉もありました。ところが、読み方と意味が書いていないのです。そのいずれもが、当たり前でわざわざ書く必要はないという感じでした。
おそらく、運営している人は、何らかの禅宗に参加しているので、読み方も意味も知っていて当然になっているのでしょう。
仏教語は、一般の言葉と入り交じっていることがあるので、素人には難解です。「開眼」を「かいげん」「かいがん」と読み方の違いで意味が変わります。
読んでいる時間より、言葉を調べている方が、長かったと思います。
カバーに「禅入門の名著」とありました。もっとはじめに読んでいればよかったと思います。それでも、今読めただけでも、よかったと思っています。
【2回目】
間をおかずに読んだために、新鮮味にかけました。1回目ほど、食い入るようには読めませんでした。
そして、1回目の感じたことを引きずっているので、新しい気づきが少なかったように思います。
試験勉強の場合なら、何回も読んで内容を覚える必要があります。しかし、味わったり、新たな気づきや発想を求めるなら、ある程度の空白期間をおいた方がいいと思いました。
完全に忘れてしまうのもどうかと思いますが、2回目を読むなら、期間の空け方は大切だと思いました。
読書所要時間など
- 【1回目】 総所要時間(読み始めから編集終了まで)
- 14日18時間39分
- 読み始め
- 2018(平成30)年8月5日(日)午前0時09分~
- 読み終わり
- 2018(平成30)年8月15日(水)~午前7時37分
- 一通り読んだ時間
- 10日7時間28分
- 編集終了
- 2018(平成30)年8月19日(日)~18時48分
- 読んだ範囲
- カバー、本書。奥付は軽く目を通し、書籍広告は見ていません。
- 【2回目】 総所要時間(読み始めから編集終了まで)
- 25日11時間16分
- 読み始め
- 2018(平成30)年8月20日(月)午前3時00分~
- 読み終わり
- 2018(平成30)年9月9日(日)~午前11時52分
- 一通り読んだ時間
- 20日9時間8分
- 編集終了
- 2018(平成30)年9月14日(金)~14時16分
- 読んだ範囲
- カバー、本書。奥付は軽く目を通し、書籍広告は見ていません。
取り上げられた書物など
- 『臨済録』
- 『碧巌録』
- 『歎異抄』
- 『法華経(ほけきょう)』
- 『ファウスト』 ゲーテ氏著
上記以外に、多数の経典、書籍の掲載がありました。
ひととき
お盆前に、グラウンドのある公園に散歩に行きました。
グラウンドを囲むように道があり、両脇には木が植えられています。木陰を歩くのですが、それでも汗は止まりません。
実をつけた木がいくつかありました。その中でも形の違ったものがありました。後から調べると、コブシの実のようです。
コブシの実でしょうか。平成30年8月11日(土)に撮影しました。
調べたこと
- 1 禅(ぜん)
- 2 真諦(しんたい)
- 3 ◯◯底(◯◯てい)
- 「◯◯のようなもの」でしょうか。
- 4 妙処(みょうしょ)
- 妙所(みょうしょ)。インターネットでも調べました。
- 5 発露(はつろ)
- 6 近来(きんらい)
- 7 相助
- 「そうじょ」と読むのでしょうか。調べましたが、わかりませんでした。
- 8 簡勁(かんけい)
- 9 会得(えとく)
- 10 能所(のうじょ)
- 11 塩梅(あんばい)
- 12 頗る(すこぶる)
- 13 索然(さくぜん)
- 14 校訂(こうてい)
- 15 遊行(ゆぎょう)
- 参考:「遊行(ゆうこう)」。
- 16 集注(しゅうちゅう)
- 参考:「集中(しゅうちゅう)」。
- 17 深淵(しんえん)
- 18 透き見(すきみ)
- 19 思惟(しゆい、しい)
- 20 溌剌(はつらつ)
- 溌溂(はつらつ)。
- 21 打擲(ちょうちゃく)
- 22 帰依(きえ)
- 23 教説(きょうせつ)
- 教義。インターネットで調べました。
- 24 憑依(ひょうい)
- 25 看取(かんしゅ)
- 参考:「看守(かんしゅ)」。
- 26 正覚(しょうがく)
- 本書では「無上の悟り」。
- 27 ◯◯相(◯◯そう)
- 28 鹿野苑(おろくやおん)
- 29 禅匠
- 「ぜんしょう」と読むのでしょうか。禅の達人であり師匠であるようです。インターネットで調べました。
- 30 即今(そっこん)
- 31 鵞鳥(がちょう)
- 32 此岸(しがん)
- 参考:「彼岸(ひがん)」。
- 33 放下(ほうげ)
- 34 偈(げ)
- 35 弘める(ひろめる)
- 広める(ひろめる)。
- 36 驢耳(ろじ)
- ロバの耳でいいのでしょうか。調べましたがわかりませんでした。
- 37 耽溺(たんでき)
- 38 暑熱(しょねつ)
- 39 峻烈(しゅんれつ)
- 40 調べ(しらべ)
- 41 ひもじい
- 42 墨守(ぼくしゅ)
- 43 直指(じきし)
- 44 拄杖(しゅじょう、ちゅうじょう)
- 45 擬議(ぎぎ)
- 本書では「・・・逡巡した」。
- 46 托開
- 本書では「つきはなして」。調べましたが、わかりませんでした。
- 47 揺す振る(ゆすぶる)
- 揺さ振る(ゆさぶる)。
- 48 相見(しょうけん)
- インターネットで調べました。
- 49 求道(ぐどう)
- 仏教語。
- 50 隻(せき)
- 本書では「隻脚」。
- 51 洞見(どうけん)
- インターネットで調べました。
- 52 迷妄(めいもう)
- 53 接得
- インターネットで調べました。意味は見つけましたが、読み方がわかりませんでした。
- 54 享ける(うける)
- 55 涅槃(ねはん)
- 56 生死(しょうじ)
- 仏教語。
- 57 炬火(きょか)
- 58 窟(くつ)
- 洞穴。
- 59 野良(のら)
- 60 貧相(ひんそう)
- 61 懶惰(らんだ)
- 嬾惰(らんだ)。
- 62 雄雄しい(おおしい)
- 63 深奥(しんおう)
- 64 高処
- 高所?でしょうか。調べましたが、わかりませんでした。
- 65 呻く(うめく)
- 66 片言隻句(へんげんせっく)
- 67 鉄床(かなとこ)
- 金床(かなとこ)。金敷(かなしき)、鉄敷(かなしき)のこと。
- 68 熱火(あつび)
- 69 拉ぐ(ひしぐ)
- 70 冒瀆(ぼうとく)
- 71 膝下(ひざもと)
- 膝元(ひざもと)、膝許(ひざもと)。
- 72 得法(とくほう)
- 73 維摩(ゆいま)
- 74 遷化(せんげ)
- 75 畢竟(ひっきょう)
- 76 直入(じきにゅう)
- 77 絃(げん)
- 78 相和する(あいわする)
- 79 相応う(ふさう)
- 80 共鳴(きょうめい)
- 81 因襲(いんしゅう)
- 参考:因習(いんしゅう)。
- 82 心像(しんぞう)
- 83 開眼(かいげん)
- 参考:開眼(かいがん)。
- 84 奔る(はしる)
- 走る(はしる)。
- 85 寂静(じゃくじょう)
- 86 夢幻(むげん)
- 87 自失(じしつ)
- 88 フィート(feet)
- 30.48㎝。
- 89 挙揚
- 本書では「こよう」。調べましたが、わかりませんでした。
- 90 微塵(みじん)
- 91 截断(せつだん)
- 切断(せつだん)。
- 92 在俗(ざいぞく)
- 93 石化(せっか)
- 94 俤(おもかげ)
- 面影(おもかげ)。
- 95 円かに(まどかに)
- 96 至尊(しそん)
- 97 憧憬(しょうけい、どうけい)
- 98 精妙(せいみょう)
- 99 断乎(だんこ)
- 断固(だんこ)。
- 100 希う(ねがう)
- 101 蹂躙(じゅうりん)
- 102 ジュピター(Jupiter)
- 103 ミネルバ(Minerva)
- ミネルヴァ。
- 104 直弟子(じきでし)
- 105 豺(やまいぬ)
- 山犬(やまいぬ)。
- 106 唯仏与仏(ゆいぶつよぶつ)
- 90ページに解説があります。
- 107 覚知(かくち)
- 108 法輪(ほうりん)
- 109 五濁(ごじょく)
- 却濁、見濁、煩悩濁、衆生濁、寿命濁。
- 110 福徳(ふくとく)
- 111 全智(ぜんち)
- 全知(ぜんち)。
- 112 崇敬(すうけい)
- 113 静澄
- 清澄(せいちょう)? 調べましたが、わかりませんでした。
- 114 三悪道(さんあくどう、さくまくどう、さんなくどう)
- 地獄道、餓鬼道、畜生道。
- 115 灌水(かんすい)
- 116 生国(しょうごく)
- 117 豊饒(ほうじょう)
- 参考:豊穣(ほうじょう)。
- 118 穏当(おんとう)
- 119 呆然(ぼうぜん)
- 120 芥子(けし)
- 罌粟(けし)。
- 121 会衆(えしゅ)
- 122 洞見(どうけん)
- 123 神通(じんずう)
- 「ず」に注意する。
- 124 慧心(けいしん)
- 125 摂受(しょうじゅ)
- 対義語は「折伏(しゃくぶく)」。
- 126 底意(そこい)
- 127 涯(はて)
- 果て(はて)。
- 128 方(かた)
- 129 示現(じげん)
- 130 馭者(ぎょしゃ)
- 御者(ぎょしゃ)。
- 131 侍する(じする)
- 132 常しえ(とこしえ)
- 永久(とこしえ)。
- 133 なぜかなら
- 「なぜかというと」「理由をいうと」の意味でしょうか。調べましたが、この言葉で該当はありませんでした。
- 134 先覚者(せんかくしゃ)
- 135 人後(じんご)に落(お)ちない
- 136 引見(いんけん)
- 137 思慕(しぼ)
- 138 掬す(きくす)
- 139 弄する(ろうする)
- 140 苟も(いやしくも)
- 141 徹頭徹尾(てっとうてつび)
- 142 二元(にげん)
- 143 詮索(せんさく)
- 144 生来(せいらい、しょうらい)
- 145 在す(まします)
- 坐す(まします)。本書では「ましまし」。
- 146 逆説(ぎゃくせつ)
- 147 神秘主義(しんぴしゅぎ)
- 148 歴然(れきぜん)
- 149 権化(ごんげ)
- 150 鮸膠も無い(にべもない)
- 151 把捉(はそく)
- 152 咬えて
- 「くわえて」と読むのでしょうか。調べましたが、わかりませんでした。
- 153 必定(ひつじょう)
- 154 逃げ口上(にげこうじょう)
- 155 前生(ぜんしょう)
- 156 見処(けんじょ)
- 「所」と「処」は、ニュアンスが違うようです。「64高処」でも、この区別で迷いました。「所」と「処」が同じだと、意味が通ります。
- 157 弊(へい)
- 158 独一無比
- 調べましたが、わかりませんでした。唯一無二(ゆいいつむに)の事でしょうか。
- 159 衣(ころも)
- 160 衣いと古びぬ
- 衣・いと・古びぬ。「いと」は、「ほんとうに」「たいそう」の意味。
- 161 山彦(やまびこ)
- 162 歎声(たんせい)
- 嘆声(たんせい)。
- 163 実地(じっち)
- 164 教示(きょうじ)
- 165 良久(りょうきゅう)
- 本書では「しばらくの間」。
- 166 無生(むしょう)
- インターネットで調べました。
- 167 侍者(じしゃ)
- 168 画布(がふ)
- 169 諒解(りょうかい)
- 170 壇(だん)
- 171 小突き回す(こづきまわす)
- 172 尖
- 本書では「きっさき」。
- 173 籐(とう)
- 174 籐椅子(とういす、といす)
- 175 一掌
- 「いっしょう」と読むのでしょうか。調べましたが、わかりませんでした。
- 176 夜盗(やとう、よとう)
- 177 煩悶(はんもん)
- 178 彷彿(ほうふつ)
- 髣髴(ほうふつ)。
- 179 壮語(そうご)
- 180 袂(たもと)
- 181 名状(めいじょう)
- 182 桟(さん)
- 183 能う(あたう)
- 184 無処
- 調べましたが、わかりませんでした。
- 185 自知(じち)
- 186 汚穢(おわい)
- 187 汎神論(はんしんろん)
- 188 清純(せいじゅん)
- 189 大悲(だいひ)
- 190 僧堂(そうどう)
- 191 モットー(motto)
- 192 吝か(やぶさか)
- 参考:「吝嗇(りんしょく)」。
- 193 教化(きょうけ)
- 194 四海(しかい)
- 195 同胞(どうほう)
- 196 相依相関
- 調べましたが、わかりませんでした。
- 197 買い被る(かいかぶる)
- 198 然らずんば(しからずんば)
- 然らずば(しからずば)。
- 199 蓋し(けだし)
- ほんとうに。参考:法律用語では「思うに」などの意味。
- 200 依る(よる)
- 201 眼(まなこ)
- 202 詭弁(きべん)
- 203 奸策(かんさく)
- 姦策(かんさく)。
- 204 虚妄(きょもう)
- 205 偽善(ぎぜん)
- 206 虚偽(きょぎ)
- 207 折伏(しゃくぶく)
- 参考:124「摂受(しょうじゅ)」。
- 208 麼
- いかに。読みは「ば」「ま」。
- 209 表詮
- 調べましたが、わかりませんでした。
- 210 不生不滅(ふしょうふめつ)
- 211 言下(げんか)
- 212 凝住
- 調べましたが、わかりませんでした。
- 213 徹見(てっけん)
- インターネットで調べました。
- 214 安心立命(あんしんりつめい、あんじんりゅうめい)
- 215 言詮(げんせん)
- 216 端的(たんてき)
- 217 驀直(まくじき)
- 「驀(ばく)」は、「まっしぐら」の意味。調べましたが、わかりませんでした。
以下余白